ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海を去った

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年5月23日13時23分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」は地中海での任務遂行を完了し、大西洋へ出た】
本日、北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」は地中海での任務遂行を完了し、ジブラルタル海峡への移動を行ない、大西洋へ出た。
地中海で北方艦隊将兵は、4月末からロシア海軍作戦連合部隊の一員として在った。
2016年10月15日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して始まった遠距離航海中に、大型対潜艦の乗組員は2度に渡り地中海での任務を果たした。
最初に地中海水域へ入った同艦は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる航空艦グループの一員として3ヶ月間に渡り活動した。
(2017年)1月中旬、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、救助曳船「アルタイ」と中型海洋給油船「ドゥブナ」を伴って遠距離航海任務の遂行に着手した。
ロシア船員はスエズ運河を通過して紅海へ、そしてインド洋への移動を行なった。
その後、ロシア船員はアフリカ大陸を周回し、アフリカとアジアの10ヶ所の港を訪れた:
サラーラ(オマーン)、カラチ(パキスタン)、ヴィクトリア(セーシェル)、ダルエスサラーム(タンザニア)、ペンバ(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ共和国)、ウォルビスベイ(ナミビア)、ルアンダ(アンゴラ)、マラボ(赤道ギニア)、プライア(カーボベルデ)
近い内に北方艦隊の対潜艦の乗組員は、遠距離航海計画に沿って大西洋で任務遂行を続ける。
航海中に大型対潜艦は36000海里以上を移動した。
[大型対潜艦「セヴェロモルスク」インド洋遠征(2016年10月-)]

北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」(1988年1月24日就役)は、2016年春から夏に掛けてムルマンスクの第35艦船修理工場のドックへ入渠し、オーバーホールとソナーのアップグレードが行なわれました。
[ロシア海軍は対潜艦のソナーのオーバーホールを実施する]
2016年10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空打撃艦グループの一員としてセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
航空打撃艦グループは、2016年10月21日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]
10月25日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
11月9日、地中海東部において大型対潜艦「セヴェロモルスク」と「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍の潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]
航空打撃艦グループは11月12日までにシリア沖へ到着しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]
11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]
航空打撃艦グループは、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]
シリアでは、ロシアとトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。
これを受け、航空打撃艦グループは、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]
しかし、「セヴェロモルスク」と給油船「ドゥブナ」、救助曳船「アルタイ」は帰路には就かず、航空打撃艦グループと別れ、その後も地中海東部へ留まっていました。
北方艦隊艦船支隊(指揮官:スタニスラフ・ヴァリク1等海佐)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
救助曳船「アルタイ」
北方艦隊艦船支隊は2017年1月27日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河を通過して紅海へ入った]
その後、オマーンのサラーラ港へ寄港し、2017年2月7日に出航しました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海の国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加する]
2月9日にパキスタンのカラチ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンを訪れた]
北方艦隊艦船支隊は、2月10日から14日にパキスタン沖で実施される国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』はパキスタンで始まった]
【演習『AMAN-2017』公式サイト】
2月13日と14日には海上での実地演習(アクティブフェーズ)が実施されました。

[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』の海上での実地段階が始まった]
北方艦隊艦船支隊は演習終了後にパキスタンを去り、インド洋を南下しました。

その後、北方艦隊支隊は赤道を越え、古くからの船乗りの伝統行事である「赤道祭」が開催されました。
「セヴェロモルスク」にとっては、就役以来初めての「赤道祭」となりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はインド洋で赤道祭を準備する]
赤道を越えた北方艦隊艦船支隊は、2月28日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは赤道を越えてセーシェル諸島を訪れた]

3月1日、北方艦隊艦船支隊の3隻はセーシェル諸島の首都ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島のヴィクトリア港へ入港した]

北方艦隊艦船支隊は、3月4日にヴィクトリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島を去った]

北方艦隊艦船支隊は西へ向かい、タンザニアのダルエスサラーム港を訪れ、3月10日夕方に出航しました。
北方艦隊艦船支隊はタンザニアを去った後、3月18日に隣国のモザンビークのペンバ(ポルト・アメリア)を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はモザンビークを訪問した]
その後、北方艦隊艦船支隊はアフリカ大陸を南下し、喜望峰沖を西へ進み、3月20日に南アフリカ共和国へ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は南アフリカ共和国を訪問した]
南アフリカ共和国訪問を終えた北方艦隊艦船支隊はアフリカ大陸の大西洋側を北上し、3月25日にナミビアのウォルビス・ベイを訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はナミビアを訪れた]
ナミビアを出た後、4月1日から3日までアンゴラのルアンダ港を訪問しました

[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はアンゴラのルアンダを訪れた]
4月7日には赤道ギニアのマラボ港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は赤道ギニアのマラボを訪れた]

4月18日にはアフリカ大陸の西方の島国・カーボベルデのプライア港へ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを訪れた]
4月21日にプライア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを去った]
4月27日、アフリカ大陸を一周した大型対潜艦「セヴェロモルスク」は再びジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して再び地中海へ入った]

しかし、救助曳船「アルタイ」と給油船「ドゥブナ」は大型対潜艦「セヴェロモルスク」と別れ、そのまま大西洋を北上して帰路に就きました。
[ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは母港へ戻った]
一方、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は地中海を東進し、5月4日から6日までキプロスのリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた]

その後も地中海に滞在していましたが、5月23日にジブラルタル海峡を通過し、大西洋へ出ました。
今後は大西洋で任務を遂行するとの事ですから、おそらくは、母港への帰路に就くようです。
- 関連記事
-
- ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡を通過する
- ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはポルトガルのリスボンを訪れた
- ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海を去った
- ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは母港へ戻った
- ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた
スポンサーサイト