ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した
- カテゴリ:地中海情勢(2017年)
『タス通信』より
2017年5月31日8時36分配信
【ロシア連邦海軍の軍艦はパルミラの『イスラム国』施設へ有翼ミサイルを発射した】
モスクワ、5月31日/タス通信
ロシア海軍のフリゲート「アドミラル・エッセン」と潜水艦「クラスノダール」は、パルミラ地域のテロリストグループ『ISIL』(『タス通信』註:以前には『イスラム国』と呼ばれており、ロシア連邦では非合法の組織)の施設へ有翼ミサイル「カリブル」の4度の発射を実施した。
ロシア連邦国防省は発表した。
「ロシア海軍のフリゲート"アドミラル・エッセン"と潜水艦クラスノダールは、地中海東部水域からパルミラ地域のテロリストグループ『ISIL』の施設へ有翼ミサイル"カリブル"の4度の発射を実施しました。
全ての目標は撃破されました」
声明では、こう述べられた。
潜水艦「クラスノダール」は水中位置から有翼ミサイルの発射を行なった。
攻撃の為の目標はパルミラ東部地域に隠されており、それは過激派の重機材と人員の詰所が在り、ラッカからテロリストが移送した事が指摘された。
ロシア連邦国防省は強調した。
「アメリカ合衆国、トルコ、イスラエルの司令部には、現用の相互チャンネルにより、有翼ミサイルの発射を適時に通知しています」
「指示された任務は成功裏に遂行されました」
ロシア連邦国防省は評価した。
「直接にミサイル兵装の使用に関わるロシア海軍の艦と潜水艦の乗組員の高い戦闘準備体制が確認されました」
「ロシア海軍は、発注品を受領した後、短時間で高精度兵器複合体による打撃の結果の能力を実証しました」
ロシア連邦国防省は声明で強調した。

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)の2番艦「アドミラル・エッセン」は、2016年6月7日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]
2017年4月末、「アドミラル・エッセン」は黒海艦隊基地へ向けて出航し、5月5日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、5月15日から17日までキプロスのリマソール港を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]
2017年5月23日から27日までリビア東部沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった]

プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、2015年11月5日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]
2017年4月8日にはバルト海で有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を水上標的へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
「クラスノダール」は、5月初頭頃に黒海艦隊基地へ向けて出航し、5月13日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
現在、「アドミラル・エッセン」と「クラスノダール」は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[地中海東部ではロシア海軍黒海艦隊の12隻の艦船が行動している]
ロシア海軍は、2017年5月29日から6月4日までの間に、シリア沿岸沖の公海上でミサイル発射演習を実施すると国際機関へ通知しています。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月30日12時30分配信
【ロシアはシリア沖で海軍の軍艦のミサイル発射演習を実施すると航空会社及び船主へ警告した】
ミサイル発射は、モスクワ時間で8時から22時の間に実施されると通知されました。

そして2017年5月31日(モスクワ時間で8時過ぎ)、「アドミラル・エッセン」と「クラスノダール」は、シリア沿岸沖の公海上からシリアのパルミラ(タドムル)のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

『ノヴァトール・エカテリンブルク設計局』により設計された有翼ミサイル「カリブル」(対地/対艦/対潜用)は、輸出用有翼ミサイル「クラブ」シリーズのロシア海軍向けヴァージョンです。
元々は、ソ連海軍時代に配備された対地有翼ミサイル「グラナート」をベースに開発されました。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
「カリブル」は、2015年10月以降、シリア領内のテロ組織に対し、何度か実戦で使用されています。
・2015年10月7日:カスピ小艦隊の警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」がカスピ海南方からシリアへ発射。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]
・2015年11月20日:カスピ小艦隊の警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」がカスピ海南方からシリアへ発射。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2015年12月8日:黒海艦隊の潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」が地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2016年8月19日:黒海艦隊の小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」が地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]
・2016年11月15日:黒海艦隊の警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」が地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]
今回の「カリブル」実戦使用は、ロシア海軍全体では通算6回目、黒海艦隊としては通算4回目となります。
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