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ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは2017年夏に進水する

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『イズベスチヤ』より
2017年6月2日0時1分配信
【「カリブル」を有するロケット艦「カラクルト」は今夏の末に進水する】

新たな小型ロケット艦は1000km以上離れた目標を攻撃できる。

「ウラガーン」と命名された最初のプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、今夏の末までに進水する。
このシリーズの艦は、有翼ミサイル「カリブル」、自動砲、ユニークな高射ミサイル複合体、更には、最先端の電波電子戦闘システムを武装として得る。

そのお蔭で「カラクルト」の戦闘能力は、シリアへの航海において、その素晴らしさを見せたプロジェクト21631「ブヤン-M」型艦を上回る。
その寸法と排水量は、より小さくなり、更には、沿岸のみならず遠海ゾーンでも行動できる。
専門家の見方では、最新の小型ロケット艦により、ロシア海軍は最小限の資金コストで強力な打撃郡の作成が可能となる。

海軍総司令部『イズベスチヤ』へ話したように、艦の進水は6月末~7月初頭に予定されている。
しかし、その時期が8月末に延期される可能性も排除できない。
「ウラガーン」海軍への引き渡し自体は、今年12月末に計画されている。

「カラクルト」は、サンクトペテルブルク中央海洋設計局『アルマーズ』で設計された。
それは、500トンの砲艇プロジェクト12300「スコルピオン」の後継である。
それとは異なり、「カラクルト」は800トンの排水量を有する。
その代わり、最も現代的な打撃手段、砲、高射ミサイル複合体から成る兵器庫としての目的を担っている。
艦には、8基の汎用発射装置3S14が配置されている。
それは、距離2500㎞までの目標を攻撃する有翼ミサイル「カリブル」の為に意図されている。
同様に、超音速対艦有翼ミサイル「オーニクス」も配置できる。

艦首には、ステルス技術自動砲AK-176が有る。
これは、サンクトペテルブルク機械製造工場『アルセナル』の最新の開発成果である。
兵器の照準はデジタル制御システムにより実行される。
砲塔の下の砲弾庫には、152発の76mm弾から成る弾薬が配置されている。
自動砲と弾薬供給手段は、毎分125回のペースでの射撃を可能にする。
砲身冷却システムのお蔭で、75回までの長期連続射撃が可能である。
水上目標及び沿岸目標への射撃の場合、効果的な射撃距離は16kmである。

艦の上部構造物後部には、世界には同類の無い高射ミサイル複合体「パーンツィリ-M」が設置されている。
このシステムには、陸上複合体「パーンツィリ-S1」からのミサイル、更には、無人機の助力を得て誘導する事も可能な将来ミサイル「ゲルメス(ヘルメス)-K」が装備される。
戦闘モジュールは、同時に4基の目標へ4発のミサイルを発射できる。
モジュールの弾薬は32基のミサイルから成り、艦の甲板下に収納される。

「カラクルトは、駆逐艦や巡洋艦よりも遥かに安価ですが、わずかな打撃の機会で失われてしまいます」
軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフは指摘した。
「新たな小型ロケット艦の建造には、およそ1年掛かり、大型艦のように数年も掛かりません。
従いまして、ロシア海軍は数年間で、川と沿岸のみならず、遠海ゾーンでの勤務でも効果的に活動できる強力なロケット艦グループを得るでしょう」


「カラクルト」の全長は65メートル、幅10メートル。
移動は2基のディーゼル・エレクトリックエンジンにより導かれる。
その助力により、艦は30ノットの速力を発揮する。
それは時速60km以上である。
「カラクルト」の航続距離は、2500海里、あるいは4630kmである。
自立航行期間は15日である。
現在、3ヶ所の工場では、このクラスの艦7隻が様々な準備段階に在る。
海軍は合計で少なくとも20隻の「カラクルト」の受領を見込んでいる。



[新世代小型ロケット艦カラクルト級]


プロジェクト22800「カラクルト」は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦であり、ソ連邦時代から高速戦闘艦艇を手掛けてきた「アルマーズ」設計局により設計されました。

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、「アルマーズ」設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
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プロジェクト22800の主要兵装は打撃有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

この他、AK-176MA 76mm砲高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mは2017年末までに制式採用される]


「カラクルト」の最初の2隻:「タイフーン」「ウラガーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]

2016年5月10日、クリミア半島フェオドシヤ造船工場「シトルム」が起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]

2016年7月29日、『ペラ』造船所「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]

2016年12月24日、『ペラ』造船所「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]

2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]


プロジェクト22800は、『ペラ』造船所並びにフェオドシヤ造船工場の他に、今後はタタールスタンゼレノドリスク造船所でも建造されます。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

プロジェクト22800は2022年までに18隻の建造が計画されています。
[ロシア海軍の新世代小型ロケット艦プロジェクト22800は2022年までに18隻建造される]


「カラクルト」級の1番艦「ウラガーン」は、2017年6月末~7月初頭には進水する予定ですが、8月末にずれ込む可能性も有るようです。

「ウラガーン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される予定となっておりますが、進水が8月末に延びれば、引き渡しも2018年にずれ込む事になるでしょう。

「ウラガーン」ロシア海軍へ就役後、バルト艦隊へ配備されます。
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