fc2ブログ

ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する

17-0606f.jpg
『タス通信』より
2017年6月5日13時51分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海での工場航行試験を再開する】
カリーニングラード、6月5日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ

大型揚陸艦「イワン・グレン」は、工場航行試験を続ける為、カリーニングラード州の試験実施基地バルチースクへ到着した。
月曜日、『タス通信』特派員は沿バルト造船工場『ヤンターリ』広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「イワン・グレンは、工場航行試験プログラムを続行する為、6月3日にカリーニングラード工場から試験実施基地バルチースクへ移りました」
彼は話し、2016年10月に同艦の試験は正規の船体消磁システムの問題の故に中断された事を想い起した。

以前、『タス通信』は、工場『ヤンターリ』のプロジェクト管理取締役ローマン・フェドゥニンから同艦の試験は6月に再開されると伝えられた。

ミハイロフ「工場で製造された艦の消磁システムは整備されており、問題は造船所の過失により起こったものではありません」と話した。
近日中に「イワン・グレン」は試験を続行する為に次の出航を行なうと彼は言ったが、試験がどの程度続けられるのかについては説明しなかった。

「イワン・グレン」プロジェクト11711のトップ艦であり、公開株式会社『ネフスキー計画設計局』により開発された。
それは2004年12月に起工され、2012年5月に進水し、工場航行試験は2016年6月に始まった。
「ピョートル・モルグノフ」は、『ヤンターリ』で建造される同プロジェクトの2番艦である。
それは2018年に海軍へ引き渡されなければならない。

「イワン・グレン」は、13両の主力戦車、36両の装甲歩兵戦闘車或いは300名の揚陸隊員を積載する。
艦の兵装は、口径30mmの6銃身自動砲から成り、甲板の格納庫には2機のヘリコプターKa-29が駐留する。



[新型揚陸艦イワン・グレン]

プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
16-0830g.jpg16-0830h.jpg16-0830f.jpg

その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]

フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]

しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。

「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。

「イワン・グレン」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。
17-0606e.jpg

そして2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動しました。
17-0606g.jpg

近い内に「イワン・グレン」航行試験は再開されるとの事です。

「イワン・グレン」ロシア海軍への引き渡しは、2017年11月以降になるようです。
[プロジェクト11711大型揚陸艦イワン・グレンは2017年11月にロシア海軍へ引き渡される]


17-0126b.jpg
2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦ピョートル・モルグノフは2017年夏に進水する]
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[ミストラル級の代わりとなるロシア海軍の新たな汎用ヘリコプター母艦を建造する決定は2017年末に下される]
関連記事
スポンサーサイト