新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは2017年末までにロシア海軍へ就役する

『タス通信』より
2017年6月8日17時43分配信
【砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は年末までにロシア海軍へ加入する】
モスクワ、6月8日/タス通信
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は、今年末までにロシア海軍へ加入する。
ロシア国防省は発表した。
「砕氷船イリヤ―・ムーロメツは、今年7月中旬に工場航行試験へ出る事が計画されております。
全ての段階の試験が終わった後、2017年末までに砕氷船は海軍へ加入します」
声明では、こう述べられた。
現在、砕氷船は工場の埠頭での係留試験を完了している。
砕氷船の船上機器の調整が行なわれ、内部室の板張りは完了する。
同船は北方艦隊の為に建造されており、2015年4月23日に起工された。
それは、45年ぶりに軍事船員のニーズの為に専用に建造された砕氷船である。
以前、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、将来的には北極圏の為、補助艦隊更新プログラムの枠組みにおいて、この砕氷船のシリーズを建造するかもしれないと述べた。
彼は、プロジェクト21180砕氷船は、特に、結氷条件下での海軍力の駐留および展開、更には戦闘艦の曳航の為に意図されていると説明した。
ロシア海軍の為の新たな砕氷船の建造の決定は、トップ船の運用の結果により下される。
「イリヤー・ムーロメツ」は、原子力造船における真のブレークスルーとなった世界初の原子力砕氷船「レーニン」を作成したのと同じ『アドミラルティ造船所』の造船台で建造されている。
「ムーロメツ」の排水量は6000トンであり、新たな原理の電気動力と現代的な発電装置が設置されている。
乗組員は32名で構成され、船の自立行動期間は60日間に達し、航続距離は12000海里である。
砕氷船は、厚さ80cmまでの結氷場所を突破できる。

現在のロシアは、原子力砕氷船「アルクチカ」型を筆頭に各種砕氷船を保有していますが、これらの砕氷船はロシア海軍の所属ではありません。
ソ連邦海軍時代には、プロジェクト97砕氷船が8隻建造され、1960年から1970年に掛けて就役しました。
プロジェクト97も『アドミラルティ造船所』で建造されました。
先代の砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」(プロジェクト97K)は1965年12月にソ連海軍へ納入され、太平洋艦隊へ配備されました。


ソ連邦解体後の1993年6月にロシア海軍から除籍されました。
初代「イリヤー・ムーロメツ」が姿を消してから20年以上経った2015年4月23日、プロジェクト21180砕氷船の1番船として新たな「イリヤー・ムーロメツ」が起工されました。
[ロシア海軍の為の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは2015年4月23日に起工される]
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは起工された]
2代目「イリヤー・ムーロメツ」は2016年6月10日に進水しました。
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは進水した]
進水後、『アドミラルティ造船所』の岸壁で艤装工事が進められ、係留試験が行なわれました。

「イリヤー・ムーロメツ」は、2017年7月中旬から洋上試験を開始します。
「イリヤー・ムーロメツ」は、2017年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されており、就役後は北方艦隊へ配備されます。
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