ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空戦闘及び沿岸砲撃訓練を行なった
- カテゴリ:ロケット巡洋艦スラヴァ型

『タス通信』より
2017年6月16日9時55分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海での演習時に仮想敵の攻撃を撃退した】
モスクワ、6月16日/タス通信
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員はバレンツ海で演習を行ない、その最中に仮想敵の空中攻撃を撃退した。
北方艦隊広報サービスは発表した。
「計画戦闘訓練活動実施の枠組みで、巡洋艦の戦闘班は、摸擬空中目標への高射ミサイルの発射、更には、視認できる沿岸目標への砲射撃の実施を保障しました」
声明では、こう述べられた。
射撃は、高射ミサイル複合体「オサー-MA」(訳注;原文では「キンジャール」と書かれているが、「オサー-MA」の間違い)と艦の主砲~AK-130砲により行なわれた。
射撃実施海域では、前もって船舶航行と航空機の飛行の為に閉鎖された。
海上で巡洋艦の乗組員は、更に艦の生存への対処(ダメージコントロール)の課題へ取り組んだ。
「マルシャル・ウスチーノフ」は、プロジェクト1164ロケット巡洋艦である。
艦はニコラエフ造船工場において「アドミラル・フロータ・ロボフ」の名で1978年10月5日に起工され、1982年2月25日に進水し、1986年11月5日に「マルシャル・ウスチーノフ」の名で北方艦隊へ編入された。
その全長は186メートル、幅は20.8メートル、最大速力は32ノット、乗組員は約500名である。
艦の兵装には、16基の有翼ミサイル発射装置、更には高射ミサイル複合体、砲、対潜兵器が在る。
ロシア海軍には、このようなロケット巡洋艦が3隻在る:「モスクワ」-黒海艦隊、「ワリャーグ」-太平洋艦隊、「マルシャル・ウスチーノフ」-北方艦隊。
北方艦隊のプロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市の「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】
2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]
2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]
その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]
「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でしたが、2016年末に延期されました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]
2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]

「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は今年8月末~9月に開始される予定でしたが、10月末に延期されました。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年9月に航行試験を開始する]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年10月末に航行試験を開始する]
2016年10月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験の為に出航しました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上試験を開始した]
近代化改装された「マルシャル・ウスチーノフ」は、これまでのMR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されました。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダーも「フレガート-M2M」に換装されました。
「マルシャル・ウスチーノフ」は2016年11月5日に就役30周年を迎えました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは白海で最終試験を行なう]
11月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験を終えて帰港しました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは航海試験を終えて帰投した]

航海試験を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」はロシア海軍へ引き渡され、12月24日にセヴェロドヴィンスクを出航し、12月26日にセヴェロモルスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]

その後、「マルシャル・ウスチーノフ」はセヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]
5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]
単艦での海上訓練を一通り行なった「マルシャル・ウスチーノフ」は、その次の段階~他の艦船や海軍航空隊との連携活動の訓練~へ進むため、5月20日から実施された北方艦隊の戦闘演習へ参加する事になりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]
北方艦隊の戦闘演習は5月22日まで続けられ、この中で「マルシャル・ウスチーノフ」はAK-130 130mm連装砲とAK-630 30mmガトリング砲の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]
5月25日、「マルシャル・ウスチーノフ」を含む北方艦隊の10隻の艦船は、再び演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海でのロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]
そして6月16日、「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で演習を行ない、高射ミサイル複合体「オサー-MA」を対空目標へ発射し、更に沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
高射ミサイル複合体「オサー-MA」
(ヘリコプター格納庫の下の円筒)

AK-130 130mm連装砲

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