ロシア海軍の為の将来正規空母はカタパルトを装備する
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年6月27日10時0分配信
【将来のロシアの航空母艦は根本的に新たな離艦装置を得る-クリロフ国立研究センター】
サンクトペテルブルク、6月27日、インタファクス-AVN
『クルイロフ国立科学センター』は将来の航空母艦の離艦装置の技術的概要を完全に理解しており、その要素はカタパルトになるだろう。
国際海軍サロンIMDS-2017開催前日の火曜日、『クルイロフ国立科学センター』総取締役ウラジーミル・ニキーチンはインタファクス-AVNへ語った。
「我々が提示する離艦操作のコンセプトは、一般に認められているものとは異なり、既に航空業界の専門家や海軍航空隊司令部の中に支持を見出しております」
彼は指摘した。
彼によると「技術的設計段階までの更なる発展と延長は、航空母艦の作成作業の枠組みにおいてのみ、本当に可能となります」
「それは、外国の顧客の為、或いは国内海軍の為の航空母艦の概念プログラム艦シトルムをベースとしたプロジェクトになるでしょう。
それに応じてプロジェクトは前へ進みます」
ウラジーミル・ニキーチンは説明した。
「無論、私達は、この艦に関する決定とは関係無く、我々の開発を継続し、科学技術の進歩を作りだします」
ウラジーミル・ニキーチンは話した。
「航空母艦の設計に関する我々の作業については 、選択される概念の実現であり、言うまでも無く、それは進行中です。
これらの作業のイニシアチブは、企業資金からの融資と将来設計部門の専門家グループにより実行されています」
彼は指摘した。
データによると、現在の作業段階では、将来航空母艦にどのようなカタパルトを設置するのかという問題が在る:蒸気あるいは電磁。
ロシアで唯一の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、特殊なトランポリンで航空機を発進させる。
[ロシア将来航空母艦]
ロシア将来正規空母Перспективный Авианосецは、現在の所、5万トンから8万5千トンまでの3種類のヴァリエーション(軽空母、中空母、重空母)が検討されています。
重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t)
建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]
将来正規空母の艦載機は、数年後に配備予定のロシア空軍第5世代重戦闘機PAK FA(T-50)の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]
[ロシア海軍航空隊の為の有人/無人航空機が開発される]
将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている]
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]
将来正規空母のアイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]
将来正規空母の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]
将来正規空母は、2016年6月16日にサンクトペテルブルクの『バルト工場』で進水した新型原子力砕氷船「アルクチカ」と同型の原子炉RITM-200を搭載するようです。
[ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない]

将来正規空母の最終設計案は2020年以降に固められます。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]
[新型原子力空母の建造はロシア海軍の将来計画に含まれている]
2016年11月~2017年1月には重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」がシリア軍事作戦へ参加していますが、この時の経験も将来正規空母の設計に取り入れられます。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフのシリア遠征の経験は同艦の近代化改装と新たな空母の建造へ生かされる]
[正規空母アドミラル・クズネツォフを中核とする空母機動部隊のシリア遠征の経験はロシア海軍の新型艦の設計と建造へフィードバックされる]
現時点では将来正規空母の建造開始の具体的な時期は未だ定められておらず、この件に関する決定は2025年近くに下されます。
[ロシア海軍の新たな航空母艦の建造に関する決定は2025年近くに下される]
[ロシア海軍の為の将来正規空母の建造開始は2025年よりも前にはならない]
今回の記事に登場する『クルイロフ国立科学センター』は、ロシア海軍の将来の艦船の形状を研究する機関です。
[クルイロフ国立科学センターはロシア海軍の新型艦の為の風洞及び水槽試験を行なっている]
無論、航空母艦に関する研究も行っており、将来正規空母の概念設計案「シトルム」を作成しています。
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]

今回、『クルイロフ国立科学センター』のトップ、ウラジーミル・ニキーチン氏は、将来正規空母へのカタパルトに関して具体的な事は述べていませんが、将来正規空母がカタパルトを装備する事だけは確かでしょう。
ソヴィエト連邦時代(1980年代)には、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の『プロレタリア工場』で蒸気カタパルトが製造され、プロジェクト11437重原子力航空巡洋艦「ウリヤノフスク」に搭載される予定でしたが、ソヴィエト連邦解体により同艦は未完成に終わり、蒸気カタパルトも幻と消えました。

蒸気カタパルト「マヤーク」

「マヤーク」の試作品はクリミア半島に在る艦上航空隊地上訓練複合体「ニートカ」に設置されました。



将来正規空母を何処で建造するのかは未だ決定されていませんが、候補となるのは、ロシア国内で全長300メートル以上の艦の建造が可能な乾ドックを有するセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』とサンクトペテルブルクの『バルト工場』です。
[ロシアの2つの造船所はロシア海軍の為の将来正規空母を建造できる]
『セヴマシュ』

『バルト工場』

現在の所、将来正規空母建造の中核となる可能性が最も高いのは、インド海軍向けの空母「ヴィクラマーディティヤ」の改造工事を担当したセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』であり、同社は、造船設備の近代化を進めています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は生産設備を近代化した後にロシア海軍の為の将来正規空母を建造できるようになる]
[ロシア造船業界は2019年にはロシア海軍の為の将来正規空母の建造が可能となる]
この他、サンクトペテルブルクの『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)もドックの拡張工事を行なっており、完了後は全長350メートルまでの艦の建造が可能となります。
無論、将来正規空母の建造も可能になります。

[サンクトペテルブルクの造船所はロシア海軍の将来原子力空母の建造に参加できる]
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