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ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海でソナーの試験を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地方情報供給部(ウラジオストク)発表
2017年6月28日4時2分配信
【コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員は艦の水中音響システム(ソナー)の試験を実施した】

太平洋艦隊の為に『アムール造船工場』で建造された最新のプロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、艦の水中音響システム(ソナー)の試験を成功裏に実施した。

国家受領試験実施の枠組みにおいて、コルベット乗組員は、浮遊及び投錨地への停泊時、潜水艦、機雷、魚雷、更には様々な距離と深度で移動中の水中工作員の捜索と探知の為を含む水中状況解明の為に意図されている艦の水中音響システム(ソナー)の動作能力を確認した。

特に、「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員は、工場製造者及び国家委員会の代表と共に、長距離で水中目標の探知が可能な水中音響ステーションの試験を実施した。
試験中、コルベットが兵装として有している特殊曳航延長水中音響ステーションに特別な注意が払われた。

この為、太平洋艦隊ディーゼルエレクトリック潜水艦、更には、水上及び水中目標を模した射出標的が使用される。

試験実施中の主な課題は、完全に実行される~乗組員を含む専門家は、様々な情報源及びサブシステムから届けられるデータの複合使用により、情報の識別を行ない、艦の他のシステムとの連携を行ない艦の兵器使用を保障する。

今後数日間で、乗組員には海上及び沿岸目標への砲射撃の実行が控えている。
また、同艦の甲板へのヘリコプターKa-27の着艦を含む太平洋艦隊海軍航空隊コルベット上空飛行が計画されている。

[参照]
「ソヴェルシェーンヌイ」
は、プロジェクト20380コルベットシリーズの4隻目である。
それは、中央海洋設計局『アルマーズ』により開発された。
艦は近海ゾーンで活動し、敵の水上艦及び潜水艦との戦闘、更には、海洋揚陸部隊への砲撃支援を行なう為に意図されている。

艦の建造には「ステルス」技術が用いられている。
同プロジェクトには、21の特許が導入され、14のコンピュータ登録プログラム証明が交付された。
艦の物理的フィールドを削減する為、最新の成果が使用されている。
特に、艦のレーダー視認性をかなり減らす為に、上部構造物には電波を吸収する特性を持つ多層ガラス繊維強化プラスチックが材料として使用されており、更には、船体と上部構造物の建造方式も(レーダー視認性削減に)寄与している。



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[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

ロシア太平洋艦隊向けプロジェクト20380コルベットの1隻目となる「ソヴェルシェーンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で起工され、2012年10月にはサンクトペテルブルクで製造された上部構造物が海路でコムソモリスク・ナ・アムーレまで運ばれました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]

しかし、「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は大幅に遅延しました。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]
[ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する]

その主な原因は、コルベットの建造価格に関するロシア国防省アムール造船工場の対立に有ったのですが、2014年4月、国防省造船所側の要求を受け入れ、建造費用の増額に同意しました。
[ロシア太平洋艦隊向けの新型コルベットの建造費用は130億ルーブルに増額された]

その後、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は進み、2015年1月~3月には「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員がバルト艦隊プロジェクト20380コルベット「ソーブラジテルヌイ」で実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"乗組員はバルト海での訓練を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]

2015年5月22日に進水式典が開催されました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は進水した]

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進水した「ソヴェルシェーンヌイ」は、2015年7月末にコムソモリスク・ナ・アムーレから沿海地方ボリショイ・カーメニへ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2015年7月下旬に沿海地方へ回航される]
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ボリショイ・カーメニへ回航後、艤装工事が進められました。
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2016年11月初頭から消磁作業が始まりました。
舷側番号は「333」となりました。
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2017年1月初頭から係留試験が行われました。

2017年1月30日、「ソヴェルシェーンヌイ」は、航行試験を行なう為、初めて出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は洋上試験を開始した]

3月16日に初めてA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲の射撃試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は100mm砲の射撃試験を行なった]

その後も日本海航行試験は続けられており、現在は国家受領試験が行われています。
6月19日までに、対艦ミサイル「ウラン」の発射試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は対艦ミサイルの発射試験を行なった]

6月20日には100mm単装砲対艦ミサイル標的を撃墜しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海での洋上試験中に対艦ミサイルを撃墜した]


そして6月28日には艦のソナーの試験が行なわれました。

国家受領試験の海上段階の完了後、造船所(今回の場合は、ボリショイ・カーメニに在る『アムール造船工場』の出張所)で艦の点検が行なわれ、それが終わった後にロシア海軍への引き渡し準備が整います。

「ソヴェルシェーンヌイ」は、2017年6月末にロシア海軍へ引き渡され、太平洋艦隊へ編入される予定でしたが、今回の太平洋艦隊広報部発表を読む限りでは、洋上試験が6月30日までに完了するとは思えず、引き渡しは7月以降になるでしょう。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベット4隻は2017年6月末~2020年10月下旬に就役する]

「ソヴェルシェーンヌイ」に続き、『アムール造船工場』では3隻の同型艦が建造されており、2018年~2020年にはロシア海軍へ引き渡される見込みです。



ロシア海軍新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、現在までに計12隻が起工され(20380が10隻、20385が2隻)、このうち4隻がロシア海軍へ引き渡されています。

20380/20385は、サンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で建造されています。

[『北方造船所』建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号550)
バルト艦隊に配備

「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備

「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備

「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備

「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2017年6月末進水予定/2018年就役予定

「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2019年就役予定

「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

[『アムール造船工場』建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2017年7月以降就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2018年10月25日就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(プロジェクト20380、建造番号2103)
2015年7月22日起工/2019年10月25日就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「リェーズキー」Резкий(プロジェクト20380、建造番号2104)
2016年7月1日起工/2020年10月25日就役予定
太平洋艦隊に配備予定



プロジェクト20380/20385に続き、更なる改良発展型であるプロジェクト20386の建造も始まっており、1番艦「ジェルズキ―」は2016年10月28日に起工されました。
[プロジェクト20386コルベット(ジェルズキ―型)]
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