ロシア海軍合同艦船グループは地中海東部で元アデン湾海賊対処部隊と合流する

『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2012年8月3日17時58分配信
【8月4日に海軍合同艦隊間グループへ1隻の戦闘艦と2隻の保障船が補充される】
今現在は北方艦隊戦闘艦船支隊の大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」、そしてバルト艦隊戦闘艦船支隊の警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」、「ネウストラシムイ」が含まれているロシア海軍合同艦隊間グループには、8月4日、北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」に率いられる艦船支隊が加わる。
今日現在(8月3日)、北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」、黒海艦隊の給油船「イワン・ブブノフ」、黒海艦隊の曳船MB-304は、地中海東部の指定海域に居る。
海軍艦隊間戦闘艦グループは、単一指揮の元に地中海における任務遂行を続ける。
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」と2隻の保障船が(グループの)構成に含まれた後、グループは水、食料、燃料の補充を予定している。
グループの黒海における航行と遠距離航海の期間の適切な延長を可能にするのは、司令部の計画による海洋における保障船からの艦船への物資補充であり、或いは、それらの保障船から戦闘艦にではなく、ロシア補給物資供給所タルトゥース(シリア)のリソースを勘定に含める事である。
このロシア連邦国防省公式発表に関するロシア通信社ノーボスチとイタルタス通信の報道。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年8月3日16時24分配信
【ロシア連邦海軍の艦はシリアのタルトゥースへ寄港する予定は無い】
『イタル-タス通信』より
2012年8月3日17時56分配信
【国防省はロシア艦のタルトゥース寄港を計画していないが、除外もしていない】
同じ国防省公式発表を元にした記事ですが、両社で若干のニュアンスの違いが有ります。
この国防省発表を見て、ロシア通信社ノーボスチは「国防省はロシア海軍の艦がタルトゥースへ寄港するとは言っていない」と解釈し、イタルタス通信は「国防省はタルトゥースでの物資補充の可能性を完全に否定していない」と解釈しています。
これは、イタルタス通信が先だってロシア艦がタルトゥースへ寄港すると報じた為、これを完全に否定するような記事は書けないという御家事情が有ります。
『イタル-タス通信』より
2012年8月3日12時33分配信
【ロシア海軍の揚陸艦はシリアのタルトゥースを訪れる】
ロシア連邦軍参謀本部の情報提供者によると、ロシア北方艦隊の大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」は、黒海沿岸のノヴォロシースクへ行く前にシリアのタルトゥース(ロシア海軍補給物資供給所)へ寄港して物資を補充するとの事です。
この記事によると、北方艦隊の大型揚陸艦3隻には、各艦に約120名の海軍歩兵部隊が搭乗しており、浮揚装甲兵員輸送車などを積載しています。
つまり、3隻合計で360名の海軍歩兵が乗っているという事になります。
プロジェクト775大型揚陸艦(ロプーチャ級)は225名の揚陸兵員が搭乗可能ですが、今回は長期かつ遠距離航海なので、揚陸兵員居住スペースに余裕を持たせているのでしょう。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征]
現在、地中海東部に居る北方・バルト艦隊合同艦船グループは、以下の艦船で構成されています。
[北方・バルト艦隊合同艦船グループ]
指揮官:コラ異種戦力小艦隊司令官ウラジーミル・カサトノフ少将
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」(北方艦隊)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(北方艦隊)
大型揚陸艦「コンドポガ」(北方艦隊)
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊)
警備艦「ネウストラシムイ」(バルト艦隊)
そして8月4日、以下の艦船が合流します。
[元ロシア海軍合同海賊対処部隊]
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」(北方艦隊)
給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊)
海洋曳船MB-304(黒海艦隊)
この3隻は、アデン湾で海賊対処任務に就いていた部隊です。
元海賊対処部隊と合流後、北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループは、給油船「イワン・ブブノフ」から補給を受けるようです。

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