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ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦3隻は黒海艦隊の為に完成する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年7月1日15時57分配信
【黒海艦隊の為に3隻のフリゲートが工場『ヤンターリ』で建造され、それ以降の契約は外国の顧客の為に計画されている-(ロシア)海軍副総司令官】
サンクトペテルブルク、7月1日、インタファクス

ロシア連邦黒海艦隊沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造されるプロジェクト11356フリゲートを更に3隻受け取る。
土曜日、ロシア海軍副総司令官ヴィクトール・ブルスクは発表した。

「第2のトリオは確実に完成し、黒海艦隊へ加わります」
ヴィクトール・ブルスク
は、サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2017)において話した。

彼によると、同プロジェクトの次の艦は、外国の顧客の為に建造される。

沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、ロシア連邦国防省との2つの契約により、黒海艦隊の為に6隻のプロジェクト11356フリゲートを建造しなければならない。
この内の3隻が建造されて海軍へ引き渡され、更なる2隻の船体は、様々な建造段階に在る。
これらの動力装置が不在だったことに関連し、インド海軍の為に完成させる問題が検討された。

プロジェクト11356フリゲートは、高精度有翼ミサイル3M-54TEを有する艦載ミサイル複合体「カリブル-NK」、多チャンネル高射ミサイル複合体「シチーリ-1」を装備する。
艦には、コンツェルン『海洋情報システムアガート』に含まれる科学生産合同『メリディアン』が開発、供給する戦闘情報管理システム「トレボバニエ-M」が設置されている。



[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)は、インド海軍向けとして計6隻が建造された「タルワー」級フリゲートロシア海軍向けヴァージョンです。
[「タルワー」級(プロジェクト1135.6)]
[プロジェクト11356(タルワー級)の装備]
[プロジェクト11356R(改タルワー級)フリゲート]

プロジェクト11356Rの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水、2016年3月11日に就役しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
2016年6月に黒海艦隊基地へ回航された後は度々地中海東部へ進出しています。

2番艦「アドミラル・エッセン」は2011年7月8日に起工、2014年11月7日に進水、2016年6月7日に就役しました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]
2017年4月末に黒海艦隊基地へ向けて出航し、5月中旬には地中海東部へ到達しました。

現在、この2隻は地中海東部に居ます。
[地中海東部ではロシア海軍黒海艦隊の約15隻の艦船が行動している]

2017年5月末と6月下旬には、シリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

3番艦「アドミラル・マカロフ」は2012年2月29日に起工、2015年9月2日に進水し、2016年7月末から洋上試験が行われています。
2017年秋にロシア海軍へ引き渡され、今年末までに黒海艦隊基地へ到着する予定です。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは2017年11月に黒海艦隊基地へ到着する]


4番艦「アドミラル・ブタコフ」は2013年7月12日に、5番艦「アドミラル・イストミン」は2013年11月15日に起工されました。

6番艦「アドミラル・コルニロフ」は、まだ公式には起工されていませんが、既に船体は製造されているようです。

「アドミラル・ブタコフ」は2016年3月2日に造船台から出され、現在は岸壁に係留されています。
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4番艦以降の3隻は、ウクライナからのガスタービンエンジンの供給問題により建造が中断しました。
[ガスタービンエンジン代替問題]
ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、ウクライナ「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの主要パーツはロシアで製造し、最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていたのですが、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化し、ガスタービン生産の分業体制も瓦解しました。

この為、2016年初春頃からインドへの売却交渉が行なわれ、2017年2月にはインドへの売却が決まったと報じられました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為に建造されたプロジェクト11356Rフリゲートの4番艦と5番艦はインドへ売却される]

しかし、2017年4月末以降にロシア国内でのガスタービンエンジンの生産体制が整い、ガスタービンの生産再開の目途が立った事と、更には、シリア作戦への参加の実績を買われたのか、プロジェクト11356Rの後期建造艦3隻は、ロシア海軍向けとして建造が再開される事になりました。
[ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦3隻の建造工事は2018年に再開される]

プロジェクト11356Rの前期建造艦3隻は、ガスタービン集合体M7N1(巡航用ガスタービンDS-71ブースト用ガスタービンDT-59から成るユニット)を搭載していましたが、後期建造艦3隻は、出力14000馬力のガスタービンエンジンM70FRU4基によるCOGAG(COmbined Gas turbine And Gas turbine)方式となるようです。
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