ロシア海軍太平洋艦隊は超音速地対艦ミサイル"バスチオン"の発射訓練を行なった
- カテゴリ:ロシア太平洋艦隊(2017年)

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年7月5日8時40分配信
【太平洋艦隊はミサイル複合体「バスチオン」発射を実行した】
ウラジオストク、7月5日-ロシア通信社ノーボスチ
太平洋艦隊沿岸部隊のロケット連合部隊の将兵は、戦闘訓練計画行動の枠組みにおいて、ミサイル複合体「バスチオン」の発射を成功裏に実行した。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフは報道陣へ伝えた。
「艦隊の戦闘訓練計画に沿って、ロケット大隊は常時駐屯場所から艦隊の戦闘訓練射爆場の1つまで100kmの行進を行ない、無防備位置で機器を展開し、基準に沿って設置し、150km以上離れた距離の海上標的へミサイル発射を実行しました」
マトヴェーエフは述べた。
彼によると、海軍航空隊の航空機と監視艦は、海上標的が成功裏に撃破された事を確認した。
ミサイル発射には、合計で200名以上の支援部隊の将兵が参加し、約20両の戦闘車両及び補助車両が関わった。
射撃実施海域の安全の為、民間船舶航行は禁止された。
沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、600km以上に渡って延びた海岸の保護の為に意図されている。
それは、強力な射撃及び電波電子妨害という条件下で、様々なクラス及びタイプの水上艦を攻撃できる。
1つの複合体の弾薬には、36基までのミサイル「ヤーホント」を含める事が出来る。
ロシア海軍沿岸部隊の沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)の地上発射ヴァージョンです。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]
これまでに黒海艦隊と北方艦隊、そして太平洋艦隊へ配備されています。
黒海艦隊の「バスチオン」部隊はシリアにも派遣されています。
[シリアへ派遣されたロシア海軍黒海艦隊の地対艦ミサイル"バスチオン"の代わりとなる同型のミサイルがクリミア半島へ到着した]
2016年11月15日には、シリア領内のテロリスト施設を攻撃しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

太平洋艦隊への「バスチオン」配備は2016年から始まり、同年3月初頭、沿海地方のスモリャニノヴォの第72沿岸ロケット旅団へ配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ超音速地対艦ミサイル"バスチオン"が配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊沿岸部隊は超音速地対艦ミサイル"バスチオン"を初めて発射した]
2016年11月下旬、クリル諸島(千島列島)南部のイトゥルプ島(択捉島)へ「バスチオン」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は南クリル(千島)に新型地対艦ミサイルを配備した]
2017年2月末には、カムチャツカ半島(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)にも「バスチオン」が配備されたようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊はカムチャツカ半島へ超音速対艦ミサイル"バスチオン"を配備した]
イトゥルプ島及びペトロパヴロフスク・カムチャツキーに配備された「バスチオン」は、第520独立沿岸ロケット-砲旅団に所属しています。
そして2017年7月5日、太平洋艦隊の沿岸ミサイル部隊は、「バスチオン」の発射訓練を行ないました。
太平洋艦隊広報部は、何処の部隊が何処の場所から「バスチオン」を発射したのかという点については何も言ってませんが、おそらくはイトゥルプ島の第574独立沿岸ロケット砲大隊でしょう。
太平洋艦隊の水上艦部隊は7月初頭からオホーツク海で演習を実施しており、7月4日には駆逐艦とロケット艇が超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイとロケット艇2隻は超音速対艦ミサイル"モスキート"を発射した]
これに続き、イトゥルプ島のミサイル部隊が、配備後初の「バスチオン」発射を実施したのでしょう。
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