ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦スモレンスクはバレンツ海で超音速対艦ミサイル"グラニート"を発射した

『タス通信』より
2017年7月5日5時7分配信
【原子力潜水艦「スモレンスク」はバレンツ海で有翼ミサイル発射演習を実施した】
ムルマンスク、7月5日/タス通信
北方艦隊の原子力水中ロケット巡洋艦「スモレンスク」は、水曜日にバレンツ海エリアで海上標的を有翼ミサイルで破壊した。
同艦隊広報サービスは発表した。
「有翼ミサイル"グラニート"の射撃は水中位置から、約400km離れた所に位置する困難な海上標的へ実施されました。
客観的監視によると、目標は成功裏に撃破されました」
広報サービスは話した。
発射は、戦闘訓練計画活動の枠組みにおいて実行されたと艦隊は説明した。
北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフ中将が指摘したように「乗組員の射撃の準備及び実施において、高いプロ意識と海上技量が示されました」
「スモレンスク」は、プロジェクト949A「アンテイ」原子力潜水艦である。
1990年にセヴェロドヴィンスク造船企業『セヴマシュ』で建造され、北方艦隊の戦闘編制へ含まれた。
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト949A:K-410「スモレンスク」】
プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII級)の5番艦K-410は1986年12月9日にセヴェロドヴィンスク造船所で起工され、1988年3月4日に進水し、1990年1月20日に進水、1990年12月22日に海軍へ引き渡されました。
当初は巡洋潜水艦に分類されていました。
1991年3月14日に赤旗北方艦隊・第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団(ザオゼルスク)に編入されました。
1992年7月3日、原子力水中巡洋艦に分類変更されました。
1993年4月6日、「スモレンスク」と命名されました。
1995年にはサルガッソー海で戦闘勤務に就きました。
2005年にはムルマンスク近郊ロスリャコヴォ村の第82艦船修理工場の大型浮きドックPD-50で修理を実施しました。

2011年9月からセヴェロドヴィンスク市の「ズヴェズドーチカ」で修理及び近代化を開始し、2012年8月4日に進水しました。
[オスカーII級ミサイル原潜スモレンスクは再進水した]
その後、艤装と航海試験が行なわれ、2013年12月30日に駐留基地ザオゼルスクへ戻ってきました。
[オスカーII級原潜スモレンスクは修理を終えて基地へ戻った]
2015年9月、同型艦「ヴォロネジ」と共に有翼ミサイル「グラニート」を海上目標へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のオスカーII級原潜は巡航ミサイルを発射した]
2016年10月16日には「グラニート」をノヴァヤゼムリャ島の沿岸に配置された標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦スモレンスクは長距離打撃ミサイル"グラニート"をノヴァヤゼムリャ島の地下目標へ発射した]

そして2017年7月5日、「スモレンスク」はバレンツ海において約400km離れた海上標的へ「グラニート」を発射しました。
「グラニート」は、元々は、ソ連邦時代に実用化されたグローバル海洋偵察誘導衛星システム「レゲンダ」により目標に関する情報を得て、目標へ誘導されると言われていました。

[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
しかし、「レゲンダ」は2000年代初頭までに稼働を停止しました。
近年では、「グラニート」は400km離れた海上目標へ発射されているので、これが「レゲンダ」を使用しない場合の最大射程になるようです。
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