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ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"は汎用タイプとなる

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『タス通信』より
2017年7月8日9時15分配信
【将来のロシア海洋ヘリコプター「ミノーガ」は変換を行なうつもりである】
モスクワ、7月8日/タス通信

将来のロシア海洋ヘリコプター「ミノーガ」は汎用性を有し、様々な任務遂行の為の迅速な変換を行なう事を計画している。
土曜日に『タス通信』ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』(『ロステフ』へ加入)広報サービスより伝えられた。

「遅かれ早かれ、Ka-27は交換する必要が有り、これを代替するのがヘリコプター"ミノーガ"となります。
その任務は、Ka-27で実現している機能全てを統合したものとなります。
Ka-27は3つのヴァージョンの任務(対潜、捜索救助、輸送戦闘)へ使用されますが、今、他のヴァージョンが出現するには十分な数です。
このような目論見により、ミノーガは汎用機となり、様々なヴァージョンへ使用する為に迅速に変換します」

広報サービスは話した。

ホールディングスは、その重量と寸法のパラメータは、Ka-27と同じ程度のままである事を指摘した。
「予備研究は行われており、我々は設計を始めております」
同社は付け加えた。

昨年、ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』のマーケティング・市場開発担当総取締役代理アレクサンドル・シェルビニンは、タス通信のインタビューに対し、「ミノーガ」の技術的概要は既に定められていると話した。
同時に、合資会社『カモフ』設計主任セルゲイ・ミヘーエフは、新たな艦上ヘリコプターは、約10年後に量産が開始されるものと見ている。



ロシア(ソ連)ヘリコプターメーカーである『カモフ』は、ソ連/ロシア海軍の一連の艦載ヘリコプターを開発しましたが、艦の格納庫などの制限により、寸法を大幅に変える事は有りませんでした。
これらのヘリコプターには、一貫して二重反転ローターが採用されました。

Ka-25(1961年7月20日初飛行、1971年12月軍備採用)
メインローター直径:15.74m
全長:9.75m
全幅:3.76m
全高:5.37m
通常離陸重量:6970kg
最大離陸重量:7140kg

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Ka-27(1973年12月24日初飛行、1981年軍備採用)
メインローター直径:15.90m
全長:12.25m
全幅:3.80m
全高:5.40m
通常離陸重量:10700kg
最大離陸重量:12000kg

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そして1990年代には、Ka-27シリーズの後継として新型艦載ヘリコプターKa-40(通常離陸重量12000-13000kg、最大離陸重量14000-15000kg)が計画されましたが、資金不足により開発は中止されました。
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現在は、ロシア海軍主力艦載ヘリコプターKa-27の近代化改修が進められており、機体寿命は10年間延長されます。
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27PLとKa-27PSが近代化される]
[ロシアン・ヘリコプターズはロシア海軍航空隊の為、1年に8機のヘリコプターKa-27を近代化改修できる]

しかし、Ka-27を未来永劫に渡り使用し続ける事は出来ないので、『カモフ』による新たな艦上ヘリコプターが開発されることになりました。
[ロシア海軍の為の将来多目的艦上ヘリコプターが開発される]
[ロシア海軍航空隊の為の新世代艦上ヘリコプターは2020年までに作成される]
[Ka-27の後継となるロシア海軍の新世代艦載ヘリコプターが開発される]

将来艦上ヘリコプター「ミノーガ」(ヤツメウナギ)と命名されており、機体のサイズはKa-27と同じ程度になるようです。
機体設計は全く新しいものとなりますが(つまりKa-27ベースにはならない)、二重反転ローターは受け継がれます。
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプターはミノーガと命名された]
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"の為の新たな通信システムが開発される]
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"は全く新しい設計となる]

「ミノーガ」の開発が完了し、量産が始まるのは2025年頃になります。
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"は2025年頃から生産を開始する]


現用の艦上ヘリコプターKa-27は、対潜型Ka-27PL捜索救助型Ka-27PS、そして兵員輸送型Ka-29(と更に早期警戒型Ka-31)が存在しますが、「ミノーガ」は、同一の機体で、この3つの用途を全て行なえるようになるとの事です。

今回の記事では「迅速な変換」と述べられているので、「対潜」、「捜索救助」、「兵員輸送」の3つのタイプへ短時間で変換できるモジュール方式のヘリコプターになるようです。
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