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ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクはカムチャツカ半島の地上目標へ巡航ミサイル"グラニート"を発射した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年7月12日6時0分配信
【太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦「トムスク」は有翼ミサイル発射を成功裏に実施した】

海上で計画任務を遂行中の太平洋艦隊原子力水中巡洋艦「トムスク」乗組員は、沿岸目標への有翼ミサイル発射を成功裏に実施した。

超音速有翼ミサイル「グラニート」の射撃は、水中位置からカムチャツカ地方クラ射爆場に位置する地上標的へ行なわれた。
発射は、オホーツク海水域から実行された。

潜水状態での海上任務遂行の際、発射位置までの水中の隠密移動と、射撃後の仮想敵の攻撃からの回避を含む10回以上の様々な戦闘演習が実施された。

2016年、太平洋艦隊原子力水中巡洋艦「トムスク」は、ロシア海軍多目的潜水艦の間での海上目標有翼ミサイル射撃を実施する敵艦の「仮想」破壊の競争の結果、第1位を獲得した。

また、昨年に原子力水中巡洋艦「トムスク」乗組員は、艦隊の戦術訓練のチャンピオンシップと、高いプロ意識及び戦闘技量の「太平洋艦隊潜水艦乗員の結合」優勝杯で勝利を収め、太平洋艦隊司令官から優勝杯を授与された。





ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト949A:K-150「トムスク」】

巡洋潜水艦K-150セヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所で1991年8月27日に起工されました。

1992年4月28日、原子力水中巡洋艦へ種別変更されました。

1993年4月13日、「トムスク」と命名されました。

1996年7月20日に進水し、1996年12月30日にロシア海軍へ納入されました。

1997年3月17日に赤旗北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。

1998年に太平洋艦隊へ転属し、カムチャツカ半島ヴィリュチンスクへ回航されました。

2008年11月、定期修理を行なう為、沿海地方ボリショイ・カーメニ市艦船修理工場「ズヴェズダー」へ到着しました。

2013年9月16日4時30分頃(モスクワ時間)、修理中に火災が発生しました。

[オスカーII級原潜トムスク火災事故]
[オスカーII級原潜トムスク火災事故・続報]

2014年6月12日に進水しました。
[オスカーII級原潜トムスクは進水した]

2014年12月25日に海軍へ引き渡された後、カムチャツカに向かいました。

12月27日に宗谷海峡を東へ通過しました。

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2014年12月28日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
この「オスカーII級巡航ミサイル原子力潜水艦」「トムスク」です。

2014年12月31日にヴィリュチンスク基地へ到着しました。

その後の動向は公表されませんでしたが、2015年12月には長期航海を終えてヴィリュチンスク基地へ戻っています。
おそらくは、オホーツク海のパトロール任務を遂行していたのでしょう。

2016年7月27日、「トムスク」は、任務遂行後にヴィリュチンスク基地へ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクは任務を終えてカムチャツカへ帰港した]
この時の「任務」は、オホーツク海のパトロールと、更には、カムチャツカに駐留する太平洋艦隊航空隊迎撃戦闘機MiG-31超音速有翼ミサイル迎撃訓練の為の「グラニート」発射だったようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]


そして2017年7月12日、「トムスク」は、オホーツク海からカムチャツカ半島クラ射爆場地上目標「グラニート」を発射しました。
17-0627b.jpg

クラ射爆場


「グラニート」海上目標への発射は度々行なわれていますが、地上目標への発射は極めて珍しいケースであり、太平洋艦隊では今回が初めてです。
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

北方艦隊では、昨年10月17日に同型艦「スモレンスク」により初めて実施されています。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦スモレンスクは長距離打撃ミサイル"グラニート"をノヴァヤゼムリャ島の地下目標へ発射した]

この他、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、昨年7月16日にオホーツク海からカムチャツカ半島クラ射爆場地上目標有翼ミサイル「ヴルカーン」を発射しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはカムチャツカ半島の地上目標へ巡航ミサイルを発射した]
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
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