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ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールはセヴァストーポリへ到着した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年8月9日18時41分配信
【黒海艦隊の最新ディーゼル潜水艦「クラスノダール」はセヴァストーポリへ到着した】

本日(8月9日)、バルト艦隊から黒海艦隊への艦隊間移動を終えた最新大型ディーゼル潜水艦「クラスノダール」の歓迎式典がセヴァストーポリで開催された。

スタニスラフ・ルジツコ2等海佐指揮下の乗組員は、航海中に地中海海軍常設連合部隊の一員として在り、2度に渡りシリアテロリストの施設へ海洋配置有翼ミサイル複合体「カリブル-PL」の戦闘射撃を実行した。

新たな潜水艦は、黒海艦隊司令官アレクサンドル・ヴィトコ大将に出迎えられた。
黒海艦隊司令官は、出席者を前にして、新たな第4の潜水艦の到着は、黒海艦隊にとっては歴史的な出来事であると言った。

「艦隊は成長、発展しており、現代的な挑戦を必要とする新たな機能を得ます。
もっと喜ばしい事に、私共は、今年末までにクラスノダールと同型の潜水艦を更に2隻出迎えます。
間もなく潜水艦(サブマリン)ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは常時駐屯地へ到着し、潜水艦連合部隊を完全に補完し、より充実し、集中した戦闘訓練を行なう事を可能にします」
アレクサンドル・ヴィトコ大将
は指摘した。



[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]

黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で2014年2月20日に起工されました。

[プロジェクト06363潜水艦クラスノダールは起工された]

起工から1年2ヶ月後の2015年4月25日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは進水した]


その後、アドミラルティ造船所の岸壁で艤装工事が行なわれました。
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艤装工事は2015年7月20日までに完了しました。
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2015年7月27日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。
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2015年8月10日から航行試験を開始しました。



試験は2015年10月末までに完了し、「クラスノダール」は、2015年11月5日にロシア海軍へ納入され、合わせて聖アンドレイ旗の初掲揚式典も開催されました。
[黒海艦隊の為の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは2015年11月5日にロシア海軍へ引き渡される]
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]

就役後もバルト海で慣熟訓練を行なっていましたが、2016年4月中旬に「航海中の事故」を起こし、4月20日にバルチースク基地へ戻りました。
ポーランド海軍潜水艦と衝突したという話も有りますが、ポーランド国防省は否定しました。

「クラスノダール」は事故による損傷を修理する為、またアドミラルティ造船所へ戻り、2016年5月上旬から7月9日まで修理が行なわれました。
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修理後、2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。
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その後もバルト海で慣熟訓練を行なっていたようです。

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2017年4月8日、「クラスノダール」バルト海有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を水上標的へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


「クラスノダール」は、5月初頭に黒海艦隊基地へ向けて出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは黒海艦隊基地への移動を開始した]

「クラスノダール」は浮上状態で航行し、5月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

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5月13日にはジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

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5月31日、フリゲート「アドミラル・エッセン」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアパルミラ(タドムル)ISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

6月23日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアハマー県ISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も地中海東部に留まっていました。

7月30日の「ロシア海軍の日」には、シリアタルトゥース港で挙行された観艦式へ参加しました。


タルトゥースの観艦式には、潜水艦「クラスノダール」、救助曳船SB-739、掃海艦「ワレンチン・ピクリ」、偵察艦「ワシーリー・タチシチェフ」、警備艦「プイトリーヴイ」、フリゲート「アドミラル・エッセン」、サルベージ船KIL-158が参加しました。
この他、査閲艦艇として哨戒艇「ユナルメーツ・クルイマ」も参加しました。

8月7日には地中海を離れ、ボスポラス海峡を北上しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールは地中海を去った]

そして8月9日、「クラスノダール」セヴァストーポリへ到着しました。


「クラスノダール」の到着により、黒海艦隊基地に駐留するプロジェクト06363潜水艦は4隻となりました。
今年末までには、あとの2隻も黒海へ到着し、黒海艦隊には6隻の06363潜水艦が勢揃いします。

この他、1990年代初頭に就役したプロジェクト877V潜水艦B-871「アルローサ」が近代化改装を行なっており、2017年末までには復帰する見込みです。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサの近代化改装は2017年に完了する]

この7隻が、今後の黒海艦隊潜水艦部隊第4独立潜水艦旅団の中核となります。
[ロシア黒海艦隊は2017年に7隻の潜水艦を有する]


ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、黒海艦隊向けの6隻が就役しています。
プロジェクト06363潜水艦は全てサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されました。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊へ配備

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年7月3日就役
黒海艦隊に配備

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月5日就役
黒海艦隊に配備

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年3月18日進水/2016年10月26日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年5月31日進水/2016年11月24日就役
黒海艦隊に配備予定



今後、プロジェクト06363潜水艦は、太平洋艦隊向けにも6隻が建造されます。
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]

1番艦「ペトロパブロフスク・カムチャツキー」と2番艦「ヴォルホフ」は2017年7月28日に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはサンクトペテルブルクで起工された]
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