北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はカラ海へ入った

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年8月13日11時15分配信
【北方艦隊艦船支隊はカラ海へ入った】
本日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」に率いられる北方艦隊の艦・支援船支隊は、カルスキエボロタ海峡を通過してバレンツ海からカラ海へ入った。

北方艦隊水上部隊の次なる北極圏航海は、8月10日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して始まった。
支隊は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、給油供給船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164で構成されている。
支隊は経済航行の平均速力で移動しており、1日に約250海里を進んでいる。
移動中に艦の乗組員は、通信及び合同操艦の演習へ取り組んだ。
艦上航空機~ヘリコプターKa-27PSの助力を得て、大型対潜艦「セヴェロモルスク」はバレンツ海東部の漁業状況を監視した。
ヘリコプター乗員は更に、遭難したという想定下の民間船への援助の為の訓練を実施した。
艦船支隊の移動は、航行ルートの水文気象条件の特徴を考慮して組織的に行われている。
結氷状態の監視及び偵察を行なう為、北方艦隊の第45航空・防空軍の対潜航空隊の航空機の投入が計画されている。
困難な結氷条件下にある北海航路の北方艦隊の艦と支援船の航海ルートは、国営法人『ロスアトム』の原子力砕氷船により保障され、その乗組員は北方艦隊将兵と組織的に連携する。
[参照]
これは、過去数年間の北極圏における北方艦隊の6回目の大規模航海である。
2012年、ロシア海軍の歴史上初めて北方艦隊の海軍歩兵はコテリヌイ島の無防備の海岸へ初めての海洋揚陸部隊の上陸を実施した。
2013年、北方艦隊旗艦・重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」率いる艦船支隊は、航空司令部「テンプ」を復活させる為、ノヴォシビルスク諸島へ機材を送り届けた。
2014年の北方艦隊部隊の大規模な北極圏航海は、ノヴォシビルスク諸島のロシア連邦の海岸および北極圏の島嶼ゾーンの保護の為の演習となった。
2015年の同様の航海中には、タイミル半島の重要な施設の保護の為、北方艦隊の北極圏自動車化射撃兵旅団の部隊との軍種間演習が初めて実施された。
昨年(2016年)には、北方艦隊の歴史上初めて北極旅団の将兵が、ロシア最北の列島ゼムリャフランツァヨシファのゼムリャアレクサンドル島の無防備の海岸への海洋揚陸部隊の上陸を実施した。
ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」
2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]
演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。
2016年8月30日から10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」と大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]
2017年8月10日、6度目となる北方艦隊の北極圏遠征が始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊は6度目の北極圏遠征を開始した]
今回の北極圏遠征部隊の旗艦は大型対潜艦「セヴェロモルスク」が務めており、この他に大型揚陸艦3隻などが参加しています。
北極圏遠征部隊は、8月13日にカルスキエボロタ海峡を通過してカラ海へ入りました。
おそらく、今回もノヴォシビルスク諸島まで行く事になるでしょう。
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