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プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルは8月17日に起工される

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『ADVIS.RU』より
【「アドミラルティ造船所」は潜水艦「スタールイ・オスコル」を建造する】
2012年8月10日17時33分配信

潜水艦「スタールイ・オスコル」は、2012年8月17日、「アドミラルティ造船所」で起工される。
これは、同社が国防省の発注を受けて2016年までに建造する6隻の潜水艦の内の3隻目となる。

「アドミラルティ造船所は、潜水艦スタールイ・オスコルを建造します。
潜水艦は、黒海艦隊の軍備として受領されます。
これは、アドミラルティ造船所が国防省の発注を受けて建造する第3の潜水艦です」

同社広報サービスは発表した。

潜水艦の排水量は3100トン、20ノットの速力を発揮できる。
潜航深度は300メートル、乗組員は52名である。
潜水艦の兵装は、口径533mmの魚雷、機雷、打撃ミサイル複合体「カリブル」である。

現在、工場の造船台には、6隻の潜水艦の内の2隻:「ノヴォロシースク」「ロストフ・ナ・ドヌー」が在る。
潜水艦は、2016年までに海軍の軍備として受領されなければならない。

株式会社「アドミラルティ造船所」は、造船業界の基礎企業であり、ロシア非核動力水中艦の建造の中核を担っている。
同社は、民間船の設計、建造、近代化、加えて、核動力装置を含む軍事用途艦船の建造を専門とする。

この307年間で、同社は約2600隻の様々なタイプやクラスの軍艦及び船舶を建造した。
それは、ロシアで最初の汽船(動力船)、最初の戦列艦、最初の巡洋艦、世界初の原子力砕氷船、ユニークな研究の深海装置、様々なタイプやクラスの給油船(タンカー)、約300隻の潜水艦などである。


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現在、ロシア黒海艦隊向けに6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造が計画されており、この内2隻が起工済みです。
[プロジェクト06363(改キロ級)潜水艦]
[改キロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」起工]
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[ロシア黒海艦隊は2017年に7隻の潜水艦を有する]
[ロシア海軍潜水艦ノヴォロシースクは2013年末に進水する]

1隻目の「ノヴォロシースク」は、2014年に黒海艦隊へ配備される予定です。
[ロシア黒海艦隊は2014年に新造艦を受領する]

そして8月17日、3隻目の潜水艦「スタールイ・オスコル」が起工されるようです。

記事中にある打撃ミサイル複合体「カリブル」は、以前は「クラブ」と呼ばれていた対艦/対地有翼ミサイルです。
対艦/対地/対潜ヴァージョンが存在し、潜水艦の533mm魚雷発射管から水中発射出来ます。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]


現在、「アドミラルティ造船所」で建造中の潜水艦は5隻であり、この内の4隻がロシア海軍向けです。

B-586「クロンシュタット」(プロジェクト677、2005年7月28日起工)
B-587「セヴァストーポリ」(プロジェクト677、2006年11月10日起工)
B-261「ノヴォロシースク」(プロジェクト06363、2010年8月20日起工)
B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(プロジェクト06363、2011年11月21日起工)


以前は外国向け輸出用潜水艦が最優先で建造されていましたが、2年ほど前から方針転換され、今ではロシア海軍向けの潜水艦が優先されています。

現在、「アドミラルティ造船所」で建造中の外国向け潜水艦は、2010年8月23日に起工されたプロジェクト636M建造番号01340(ベトナム海軍向け)のみです。

建造番号01340(2011年11月22日)
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軍事評論家・神浦元彰氏のサイト『日本軍事情報センター』より
【露艦艇、宗谷海峡通過「24隻に」過去最大規模】

>ロシアで建造される原潜は戦略核ミサイル搭載潜水艦で、
>通常潜水艦のキロ級は中国やベトナムなどに輸出される外貨獲得用である。


・・・・・・プロジェクト06363は?
(この記事が書かれた時点で少なくとも1隻が起工され、計6隻を調達する事も公表されていたんだけど・・・)
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>私は1996年にウラジオの軍港で、廃棄されたソ連軍の潜水艦が数十隻(100隻近い隻数)も港内に放置され、錆びて穴が空き、半ば沈んだ潜水艦群を見た時、これはソ連海軍の墓場だと感じた。
>それが今では改善されたと思ったことは一度もない。


・・・・・今では改善されてますけど?
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神浦氏が見たのは、ウラジオストク金角湾の奥にある艦船修理工場ダーリ・ザヴォードだろうけど、そもそも、ここに居るのは修理を要する潜水艦(と水上艦)であり、稼働状態の潜水艦が居るのは、ウラジオストク南端のウリス湾です。
[ウリス湾(ウラジオストク)近影]
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1996年頃には、極度の財政難で満足に修理も出来ず、ダーリ・ザヴォードで放置された艦が多数あったという事です。
しかし、それはもう過去の話であり、現在の事ではない。

金角湾の艦船修理工場ダーリ・ザヴォード(2011年9月3日)
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ダーリ・ザヴォードで修理中のキロ級潜水艦B-260「チタ」
(2012年1月初頭撮影、同月末に修理完了、現役復帰)

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この人は「逆神」と呼ばれていますが、ロシア海軍関連でも、その「能力」を遺憾なく発揮しているようです。
(まあそれ以前に、単なる「情弱」という気もするけど・・・)
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