ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2017年8月18日5時4分配信
【北方艦隊の原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は有翼ミサイル「カリブル」のミサイル射撃を実施した】
本日、北方艦隊の多目的潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、海洋配置有翼ミサイル「カリブル」の射撃を成功裏に実施した。
乗組員は、バレンツ海の北方艦隊戦闘訓練射爆場の1つで、水中位置から戦闘演習を実施した。
ミサイルは、アルハンゲリスク州のチジャ射爆場へ発射された。


発射境界線から目標位置までの距離は、およそ600kmであった。
監視施設によると、射撃は所定の精度で実行され、全ての飛翔及び技術的数値が確認された。
ミサイル射撃の準備及び戦闘演習の直接の実施において、原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」乗組員は、高いプロ意識と海軍技量を示した。
[参照情報]
多目的原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、プロジェクト885「ヤーセン」のトップ艦である。
それは1993年に起工され、2010年6月15日に進水した。
潜水艦への海軍旗掲揚式典は2014年6月17日に開催された。
2014年7月27日の「ロシア海軍の日」の祝賀に捧げられる海上パレードの際、潜水艦は、北方艦隊主要基地-セヴェロモルスク市泊地の戦闘艦の隊列に初めて加わった。
同プロジェクトの多目的原子力潜水艦は、音響フィールド水準が低減された第4世代艦である。
それは、地上、水上及び水中の物体の撃破の為に意図されている。
これらの潜水艦の兵装は、有翼ミサイル「カリブル」を含む現代的な魚雷及びミサイル兵器複合体で構成されている。
[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]
ソ連邦解体から2年後の1993年12月21日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2010年6月15日に進水したプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は、2013年12月30日、受領-引渡証書への署名(ロシア連邦海軍への納入)が行なわれました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクはロシア海軍へ納入された]
2014年6月17日、ロシア海軍旗初掲揚式典が開催され、北方艦隊潜水艦部隊・第11対空母原潜師団へ編入され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった]
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは最新の原子炉セキュリティシステムを有する]
その後も白海で各種試験が実施され、2014年9月、常駐基地となるザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ向かいました。

[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクは駐留基地ザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ向かった]
11月10日、ザーパドナヤ・リツァで浮上救助室の動作試験が行なわれました。
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクは救助カプセルの動作試験を行なった]
2015年5月9日の大祖国戦争勝利70周年記念日には、北方艦隊主要基地セヴェロモルスク沖の観艦式へ参加しました。
2015年6月6日、新型機器を搭載する「技術的作業」の為にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」へ回航されました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクはセヴェロドヴィンスク市へ到着した]
その後の動向は明らかにされていませんでしたが、「技術的作業」を終えてザオゼルスクへ戻り、慣熟訓練を続けていたようです。

[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは戦闘演習の為に出航する]
慣熟訓練を終えた「セヴェロドヴィンスク」は、2016年4月初頭に北方艦隊の演習へ参加し、最新鋭魚雷「フィジーク」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]
[新型誘導魚雷フィジークはロシア海軍へ制式採用された]
2016年4月下旬、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部のチジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍最新鋭原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
それから1年以上経った2017年8月18日、再びバレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部のチジャ射爆場へ発射しました。
今回のミサイル発射は、チジャ射爆場から約600km離れたバレンツ海の海域から行なわれたとの事です。
原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、汎用有翼ミサイル「カリブル」と超音速対艦ミサイル「オーニクス」を搭載しています。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

艦中央部のミサイル発射機(4連装8基)に最大で32基の「カリブル」と「オーニクス」を搭載出来ます。
(この他、「カリブル」は魚雷発射管からも発射できるので、更に搭載数を増やす事も可能)
「セヴェロドヴィンスク」は、現在までに有翼ミサイルを少なくとも計9回発射しています。
2012年11月7日:潜航状態で「カリブル」対艦攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対艦ミサイルの発射試験に成功した]
2012年11月26日:浮上状態で「カリブル」地上攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対地ミサイルの発射試験に成功した]
2012年11月28日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクは3回連続でカリブル有翼ミサイルの発射試験に成功した]
2013年6月:浮上状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。

2013年6月:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。


2013年11月6日:潜航状態で超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射。
[原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射した]
2014年9月初頭:潜航状態で有翼ミサイル(オーニクス?)を発射。
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはミサイルを発射した]
2016年4月末:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
2017年8月18日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
- 関連記事
-
- 第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される
- ロシア海軍の最新鋭多用途原潜ヤーセン級は北方艦隊と太平洋艦隊へ配備される
- ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した
- ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった
- ロシア海軍北方艦隊の為の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級7番艦(最終艦)ウリヤノフスクは起工された
スポンサーサイト