北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はエニセイ川で上陸演習を行なった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年8月21日11時34分配信
【タイミルで海洋揚陸部隊を上陸させる兵種間演習が実施された】
本日、タイミル半島のドゥディンカ地域のエニセイ川の無防備の海岸へ海洋揚陸部隊を上陸させる戦術演習が実施された。
演習には、艦の乗組員、北方艦隊の海軍歩兵および北極圏自動車化射撃兵、中央軍管区の航空隊と特殊用途部隊、更には、空挺軍部隊が参加した。
中央軍管区の航空隊と特殊部隊の支援を受けた北方艦隊の統合グループ戦力の演習の意図は、必要に応じてテロリストに乗っ取られた橋頭堡を奪還する為の海洋揚陸部隊の車輌の上陸を保障し、北極ゾーンの重要な産業施設を防衛する目的で半島領域へ進む更なる進撃にあった。
摸擬戦闘活動は、仮想テロリストの位置へ航空打撃を与える事により始まり、艦からの砲撃の調整の為に後方に居る特殊部隊グループが投入された。
目標のデータを受け取った大型対潜艦「セヴェロモルスク」のAK-100砲塔の戦闘班は、仮想敵地点へ砲火を開いた。
同艦の乗組員は、初めてエニセイ川での同様の演習へ参加し、指示された任務へ成功裏に対処した。
仮想敵地点への火力支援の後、ヘリコプターKa-27PSは、海岸へ接近して地雷を除去し、車輌上陸場所の準備を行なう為の戦闘工兵グループを海岸へ運んだ。
工兵隊の活動は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」の艦上から発進した高速艇で上陸した海軍歩兵によりカバーされた。
海洋揚陸部隊の車両の上陸の為の場所の準備後、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」が海岸線へ接近した。
艦の中甲板から、海軍歩兵、北極圏旅団、空挺軍連合部隊の30輌以上の車輪及びキャタピラー車輌が「踏み台」から上陸した:BTR-82A、BMD-3、MT-LBV、自走榴弾砲「グヴォズジカ」、TTM-4902PS-10。
北極圏自動車化射撃兵の上陸中、海軍歩兵および空挺部隊は、海岸の橋頭堡を占拠、確保する為の戦闘実施の合同戦術活動へ取り組んだ。
演習参加者は、戦闘技量及び合同作戦実施における連携で高水準を示した。
ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164、「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」
2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]
演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。
2016年8月30日から10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」と大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]
2017年8月10日、6度目となる北方艦隊の北極圏遠征が始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊は6度目の北極圏遠征を開始した]
今回の北極圏遠征部隊の旗艦は大型対潜艦「セヴェロモルスク」が務めており、この他に大型揚陸艦3隻などが参加しています。
北極圏遠征部隊は、8月13日にカルスキエボロタ海峡を通過してカラ海へ入りました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はカラ海へ入った]
北極圏遠征部隊は北極海を東へ進み、8月15日にはジクソンに到着しました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はジクソンに到着した]
その後、遠征部隊(大型対潜艦1隻、大型揚陸艦3隻、サルベージ船1隻)はエニセイ川を南下し、8月18日にドゥディンカへ到着しました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はエニセイ川へ入り、ドゥディンカへ到着した]


そして8月21日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」と大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、ドゥディンカ近辺で上陸演習を行ないました。
3隻の大型揚陸艦からは、北方艦隊の第61独立海軍歩兵旅団及び第80独立自動車化射撃兵旅団、更には空挺軍部隊が上陸しました。
上陸支援は大型対潜艦「セヴェロモルスク」の艦砲射撃の他、中央軍管区の空軍部隊による空爆も行われました。
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