プロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは2018年にロシア海軍へ引き渡される
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年8月22日16時20分配信
【(ロシア)海軍は2018年にプロジェクト22800のトップ艦を受領する】
クビンカ(モスクワ州)、8月22日-ロシア通信社ノーボスチ
プロジェクト22800のトップ艦は2018年前半にロシア連邦海軍へ引き渡される。
『ロシア通信社ノーボスチ』は火曜日にフォーラム『アルミヤ(軍)-2017』で『ゼレノドリスク造船工場』総取締役レナート・ミスタホフより伝えられた。
「プロジェクト22800のトップ艦は発注者、即ち(ロシア)国防省へ2018年に納入されます。
現在、このタイプの5隻の艦が様々な建造段階に在ります」
ミスタホフは話した。
一方、7月末に国防次官ユーリー・ボリソフは、「ウラガーン」と命名された同艦は今年にロシア連邦海軍へ引き渡す事が出来ると指摘した。
兵装にミサイル「カリブル」を含む同艦は2015年12月に起工された。
[新世代小型ロケット艦カラクルト級]
プロジェクト22800「カラクルト」は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦であり、ソ連邦時代から高速戦闘艦艇を手掛けてきた「アルマーズ」設計局により設計されました。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-239)

元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、「アルマーズ」設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。

プロジェクト22800の主要兵装は打撃有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
この他、AK-176MA 76mm砲と高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mは2017年末までに制式採用される]
ただ、1番艦「ウラガーン」は、艦後部の「パーンツィリ-M」設置スペースにAK-630M 30mmガトリング砲2基が設置されているので、「パーンツィリ-M」の装備は見送られているようです。

「カラクルト」の最初の2隻:「タイフーン」と「ウラガーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
2016年5月10日、クリミア半島のフェオドシヤ造船工場で「シトルム」が起工されました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]
2016年7月29日、『ペラ』造船所で「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
2016年12月24日、『ペラ』造船所で「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場で「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]
プロジェクト22800は、『ペラ』造船所並びにフェオドシヤ造船工場の他に、今後はタタールスタンのゼレノドリスク造船所でも建造されます。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]
プロジェクト22800は2022年までに18隻の建造が計画されています。
[ロシア海軍の新世代小型ロケット艦プロジェクト22800は2022年までに18隻建造される]
2017年7月29日、「カラクルト」級の1番艦「ウラガーン」は進水しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは進水した]
「ウラガーン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される予定となっておりますが、2018年にずれ込む可能性も有ります。
今回、『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』総取締役レナート・ミスタホフ氏は、「ウラガーン」のロシア海軍への引き渡しは2018年になると発言していますが、同艦は『ゼレノドリスク造船工場』では建造されていません。
ただ、今後プロジェクト22800は『ゼレノドリスク造船工場』でも建造される事になり、その関係で主幹造船所の『ペラ』造船所から色々と話を聞いているのかもしれません。
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