ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはスエズ運河を通過して紅海へ入った

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年8月25日16時18分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は紅海へ入った】
本日(8月25日)、北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、スエズ運河を通過して紅海へ入った。
遠距離航海中に同艦は8000海里以上を進んだ。
北方艦隊将兵の航海の任務の1つは、世界の大洋の危険な海域での民間船舶航行の安全の保障であり、今回はアデン湾及び紅海南部である。

大型対潜艦の乗組員は、以前に何度も対海賊ミッションを遂行しており、それ故に、今回の準備も良好である。
艦上には、水上での臨検及び対テロ作戦を実施する訓練を受けた海軍歩兵グループが乗っている。
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の航路の水上の状態のモニタリングの実施は、ヘリコプターKa-27PS乗員が担っており、更には、小銃、機関銃、擲弾筒で武装する迅速対応グループの行動を可能にする。
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、6月29日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスク市を去った。
同艦はロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と共に主要海軍パレードへ参加する為にバルト海への移動を行なった。
パレードの後、大型対潜艦は、ロシア海軍の艦・支援船支隊の一員としてバルト海を航行し、その後、地中海へ進路を取った。
北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、ロシア海軍の乗組員の航海において最高記録を有するものの1隻である。
2016年だけでも、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は3度の遠距離航海を行ない、その中で、北極圏、大西洋、インド洋、更には地中海で任務を遂行した。
総計して北方艦隊の対潜艦の船員は、昨年に265日間の遠距離航海を行なった。
プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の『ジダーノフ記念造船工場』(現『北方造船所』)で1977年11月4日に起工、1980年5月16日に進水し、1981年12月26日に受領-引渡証書へ署名され、1982年1月10日に海軍旗初掲揚式典が開催されました。
[ウダロイ級2番艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフ]
ソ連邦解体後、約10年間放置され、2000年代初頭から修理と近代化改装が始まりました。
[大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」近況]

2010年1月下旬から航海試験を開始し、同年12月7日に北方艦隊へ復帰しました。
[大型対潜艦「クラコフ海軍中将」、航海試験開始]
2011年8月、攻撃ヘリコプターKa-52の着艦試験を行ないました。
[攻撃ヘリKa-52、大型対潜艦「海軍中将クラコフ」で発着試験(2011年8月31日)]
2012年2月初頭からは乗員が契約軍人(志願兵)のみとなりました。
[北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、契約軍人だけで構成される]
2012年5月から7月までアデン湾海賊対処任務に就きました。
(2012年4月6日出港・9月12日帰港)
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはアデン湾海賊対処任務を終えた]
2013年5月から9月まで地中海、大西洋、カリブ海への遠距離航海を行ないました。
(2013年5月11日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは長期航海を終えて基地へ戻った]
2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]
2015年3月から7月末までムルマンスクの第35艦船修理工場でガスタービン機関を含むにオーバーホールが行なわれ、8月初頭には修理後の点検の為の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した]
2015年10月23日から2016年4月4日まで地中海、インド洋への遠距離航海を実施しました。
[ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-2016年4月)]
2016年8月30日から10月7日まで北極圏遠征を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
2016年10月15日には、ロシア海軍機動部隊の一員として地中海東部へ向かいましたが、本隊よりも一足早く12月13日には帰港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはセヴェロモルスク基地へ帰投した]
2017年7月初頭、7月30日にクロンシュタットで行なわれる「ロシア海軍の日」観艦式へ参加する為にバルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]

7月30日には他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットの観艦式へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]
その後、他の北方艦隊からの観艦式参加艦は帰路に就き、母港へ戻りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]

しかし、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は他の艦と別れ、ラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過し、8月8日にはビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]
8月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
その後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は地中海東部(シリア沖)へ向かい、8月21日から23日までキプロス共和国のリマソール港へ寄港し、物資を補充しました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソール港で補給を終えた]
リマソール出航後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は地中海東部を南下し、8月25日にはスエズ運河を通過して紅海へ入りました。

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はアデン湾へ向かうようです。
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