ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2018年からセヴァストーポリで近代化改装を行なう
- カテゴリ:ロケット巡洋艦スラヴァ型

『インタファクス-ロシア』より
2017年9月2日13時35分配信
【黒海艦隊旗艦の巡洋艦「モスクワ」は2018年に『セヴァストーポリ海洋工場』で修理を始める】
モスクワ、9月2日、インタファクス-AVN
黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(プロジェクト1164「アトラント」)は、来年に『セヴァストーポリ海洋工場』で修理を始める。
土曜日に『インタファクス-AVN』は対談者(情報提供者)より伝えられた。
「『セヴァストーポリ海洋工場』(『統合造船業営団』へ加入している『艦船修理センター・ズヴェズドーチカ』の支所)での計画修理期間は3年までとなっております」
彼は説明した。
現在、ロシア海軍の戦闘編制には、3隻のプロジェクト1164巡洋艦が在る~黒海艦隊の「モスクワ」、北方艦隊の「マルシャル・ウスチーノフ」、太平洋艦隊の「ワリャーグ」。
(「マルシャル・ウスチーノフ」以外は)全て親衛称号を有する。
巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2016年12月に『ズヴェズドーチカ』での5年間に及ぶ修理から出てきた。
プロジェクト1164巡洋艦の主兵装は、レウトフの『科学生産合同・機械製造』(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』へ加入)が開発した射程距離550kmnの超音速対艦ミサイルP-1000「ヴルカーン」の16基の発射装置である。
これらの巡洋艦の戦闘力をNATO(北大西洋条約機構)は「空母キラー」と呼んでいる。
公開情報によると、ミサイルP-1000は、制御システムの人工知能の要素により、攻撃時にデータを交換し、共通の戦略行動を形成し、目標を割り当て、様々な方向から同時にアプローチを実行する。
『インタファクス-AVN』の対談者によると、「モスクワ」修理中の黒海艦隊旗艦は、3隻のプロジェクト11356ロケットフリゲートの内の1隻、おそらくは「アドミラル・グリゴロヴィチ」になる。
黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年には何度も長期航海を行なってます。
[ロシア海軍黒海艦隊の艦船は2015年に総計50万海里以上を航行した]
2015年1月1日の時点では、太平洋遠征(ニューギニア沖まで進出)から戻る途中であり、オマーンで新年を迎えました。
[ロケット巡洋艦モスクワ遠距離航海(2014年9月-2015年1月)]
2015年5月には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]
2015年6月には、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]
2015年6月下旬から8月初頭まで大西洋へ進出し、アンゴラと赤道ギニアを訪問しています。
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]
2015年9月24日にセヴァストーポリを出航して地中海東部(シリア沖)へ向かい、2016年1月9日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアからセヴァストーポリへ帰港した]
2016年5月21日から7月16日までセヴァストーポリの第13艦船修理工場の浮きドックへ入渠しました。

2016年7月22日、視察のためにセヴァストーポリを訪れたロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将によりナヒーモフ勲章が授与されました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはナヒーモフ勲章を授与された]
2016年7月31日及び2017年7月30日の「ロシア海軍の日」にはセヴァストーポリの観艦式へ参加しています。
「モスクワ」は、以前から近代化改装の話が何度も出ており、当初は2015年末から近代化改装を開始する予定でしたが、延期されています。
[スラヴァ級ロケット巡洋艦はセヴェロドヴィンスクで近代化される]
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはセヴァストーポリで修理されるかもしれない]
一方、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズド―チカ』では同型艦の「マルシャル・ウスチーノフ」の近代化改装が行なわれ、2016年12月末に完了しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]
続いて「モスクワ」も近代化改装される事になりますが、以前には、2018年にセヴェロドヴィンスクへ回航して近代化改装を開始すると言われていました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2018年からセヴェロドヴィンスクで近代化改装を始めるかもしれない]
しかし結局、「モスクワ」が駐留するセヴァストーポリの『セヴァストーポリ海洋工場』で2018年から近代化改装を始める事になったようです。


改装期間は3年との事ですから、艦隊へ復帰するのは2021年末頃になるでしょう。
『セヴァストーポリ海洋工場』は、2015年3月末からセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズド―チカ』のセヴァストーポリ支所となっています。
[セヴァストーポリ海洋工場はセヴェロドヴィンスク艦船修理工場ズヴェズドーチカの傘下に入る]
「モスクワ」が近代化改装中の黒海艦隊旗艦は、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2016年3月11日就役)になる可能性が高いようです。

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