ロシア海軍太平洋艦隊は2017年度のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を完了した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年9月7日8時30分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はマトゥア島へ向かった】
太平洋艦隊艦船支隊は、科学研究学術探検の機器及び人員を収容する為にマトゥア島へ向かった。
艦船支隊は、2隻の大型揚陸艦「オスリャーブリャ」と「ペレスウェート」、サルベージ船「KIL-168」、水路調査船「GS-269」、救助曳船「SB-522」、海洋曳船「カラール」で構成されており、カムチャツカを出てクリル諸島のマトゥア島へ進路を取った。
マトゥア島のドヴォイナヤ湾で太平洋艦隊の艦船は、資材、機器、更にロシア連邦国防省学術探検センター、ロシア地理学協会の代表、太平洋艦隊及び東方軍管区の要員の収容を行なう。
現在、マトゥア島の探査-調査作業は完了し、学術探検隊のメンバーは、野外キャンプの撤収作業を行なっている。
今年5月からマトゥア島では、ウラジオストク、モスクワ、カムチャツカ、サハリンから来た複数の水文地質学者、火山学者、水生生物学者、景観設計学者、土壌学者、潜水夫、鉱物探査隊員、考古学者が作業を行なっていた。
作業中、マトゥア島及び近隣島嶼海域の海洋生物に関する地図帳の内容を定める準備の為の材料が収集され、水路特性の分析の為、潜水して海底の起伏の映像撮影が行なわれた。
更に、歴史的な噴火を含め、火山危険領域と長期予測の形成の評価の為に必要なサリチェフ火山の過去10万年の活動の再構築作業が行なわれた。
また、第2次世界大戦中の歴史的な軍事技術施設と要塞の探索と研究作業が続けられ、様々な時代の歴史的及び文化的建造物の解明と研究の為の考古学作業が行なわれた。

現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍の沿岸ミサイル部隊は駐留していますが、ロシア海軍の「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。
2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島にロシア海軍の「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]
2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」とサルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊はウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。
以後、マトゥア島へ太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれました。
[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]
マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められました。
[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]
2016年5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]
これと並行して旧日本軍の地下施設(掩体壕など)の本格的な調査(重機による掘削)も行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する]
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける]
2016年6月下旬には、ドヴォイナヤ湾で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見されました。
[クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見された]
2016年6月末までにマトゥア島の調査は全て完了し、調査隊は一旦撤収しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を全て完了した]
2017年にはマトゥア島の第2次調査が実施される事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2017年6月~9月にクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を行なう]
2017年5月30日、第2次マトゥア島調査隊を乗せた太平洋艦隊艦船支隊はウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)調査部隊はウラジオストクから出航した]
6月7日、太平洋艦隊艦船支隊はマトゥア島へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)調査部隊は現地に到着した]
以後、現在までマトゥア島の調査が行なわれました。
更に、最新鋭の潜水艦救助船「イーゴリ・ベロウソフ」(2015年12月25日就役)が派遣され、マトゥア島沖の海底で発見された潜水艦(1944年6月1日に撃沈されたアメリカ海軍の潜水艦「へリング」)の調査が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフはクリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)沖で沈没した潜水艦を調査する]
マトゥア島の調査は9月初頭に完了し、9月7日には現地の設備や人員を収容する為の艦船部隊がマトゥア島へ向かいました。
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