北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はチェリュスキン岬で上陸演習を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年9月12日15時22分配信
【北方艦隊の北極自動車化射撃兵は初めてユーラシア最北端への上陸を行なった】
本日(9月12日)、北方艦隊の北極圏自動車化射撃兵旅団の将兵と車両は、ユーラシア大陸最北部のチェリュスキン岬へ大型揚陸艦「コンドポガ」による海洋揚陸部隊の上陸を行なった。
この活動は、北方艦隊部隊による北極ゾーンの国家の軍事的安全保障の為、ロシア海軍総司令部が組織した年間の重要な作業の一部である。
上陸は、ラプテフ海側から接近する方法で行なわれた。
作戦には、北極圏旅団の2個小隊と重機関銃「コルド」を装備した5両の多目的装甲輸送車MT-LBVが関わった。
大型対潜艦「セヴェロモルスク」と海軍歩兵強襲グループの支援下で揚陸艦から北極圏自動車化射撃兵が上陸した後、橋頭堡を確保する戦術行動へ取り組み、タイミル半島の奥地へ5キロメートルの行軍を行なった。
準備の後、自動車化射撃兵は目標のフィールドへの小銃、機関銃、重機関銃による戦闘射撃を行ない、仮想工作員を模擬殺傷した。
演習の全てのエピソードの実施には合計で約7時間掛かった。
戦闘演習実施後、北極圏旅団の人員と車両は大型揚陸艦「コンドポガ」へ戻った。
現在、大型対潜艦「セヴェロモルスク」率いる戦闘艦支隊は、北極圏航海計画下でラプテフ海の航行を続けている。
司令部によると、ロシア大陸の最北端にある無設備の海岸への北極圏旅団の海洋揚陸部隊及び装甲車両の初めての上陸演習は、最高に組織化されたレベルで成功裏に実施された。
昨年の北方艦隊艦船支隊の同様の航海においては、チェリュスキン岬へのヘリコプターによる揚陸部隊の上陸へ取り組んだ。
ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164、「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」
2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2014年12月に北方艦隊の指揮下へ新編された「第80独立自動車射撃兵旅団」~通称「北極圏旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]
演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。
2016年8月30日から10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」と大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]
2017年8月10日、6度目となる北方艦隊の北極圏遠征が始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊は6度目の北極圏遠征を開始した]
今回の北極圏遠征部隊の旗艦は大型対潜艦「セヴェロモルスク」が務めており、この他に大型揚陸艦3隻などが参加しています。
北極圏遠征部隊は、8月13日にカルスキエボロタ海峡を通過してカラ海へ入りました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はカラ海へ入った]
北極圏遠征部隊は北極海を東へ進み、8月15日にはジクソンに到着しました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はジクソンに到着した]
その後、遠征部隊(大型対潜艦1隻、大型揚陸艦3隻、サルベージ船1隻)はエニセイ川を南下し、8月18日にドゥディンカへ到着しました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はエニセイ川へ入り、ドゥディンカへ到着した]


8月21日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」と大型揚陸艦3隻は、ドゥディンカ近辺で上陸演習を行ないました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はエニセイ川で上陸演習を行なった]
その後も北方艦隊の艦船はドゥディンカに滞在し、9月2日に出航しました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はドゥディンカを去った]
カラ海へ出た後、北極圏遠征部隊は2つに分かれ、大型揚陸艦2隻は一足先に母港セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊は2つのグループに分かれた]
それ以外の艦船(大型対潜艦1隻、大型揚陸艦1隻、救助曳船1隻、給油船1隻、サルベージ船1隻)は、更に東方のノヴォシビルスク諸島へ向かう為、原子力砕氷船「ヴァイガチ」と合流しました。
[原子力砕氷船ヴァイガチは北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊を先導する]
そして9月12日にはチェリュスキン岬への上陸演習が行なわれました。
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