ロシア海軍の新型砕氷船イリヤ―・ムーロメツは2017年10月4日に最終洋上試験を開始する

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年10月2日9時1分配信
【砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」は10月4日から国家受領試験へ入る】
モスクワ、10月2日-ロシア通信社ノーボスチ
最新砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」は、水曜日にサンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』社の艤装岸壁を去り、国家受領試験へ入る。
ロシア連邦国防省下の海軍情報・マスコミュニケーション部代表イーゴリ・ディガロ1等海佐は発表した。
「最新砕氷船イリヤ―・ムーロメツは水曜日に国家受領試験へ入ります。
国家受領試験中に砕氷船イリヤ―・ムーロメツの全ての機能とシステムの最終点検が行なわれます。
これは特に、電波航法装置及び他の電波機器、貨物積載装置、居住保障システム、動力装置、投錨装置の動作に関するものです」
ディガロは話した。
(ロシア)海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将が指摘したように、現在、砕氷船は国家受領試験の準備を完了している。
「海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は、関連する責任者へ、試験の計画的な監視、更には軍事及び技術的支援を行なうよう指示しました」
ディガロはトリャピチニコフの談話を引用した。
以前、砕氷船は、8月25日からフィンランド湾の海洋射爆場及びバルチースク市海域で実施された工場航行試験の弾2段階を完了した。
試験プログラムには、砕氷船の標準ヘリコプター発着場からのヘリコプターの発着艦への取り組み、貨物積載作業が含まれていた。
新たなディーゼルエレクトリック砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」は、その主要機能~厚さ0.9mまでの氷原での艦船の先導に加え、船倉及び最上甲板のコンテナによる貨物輸送、水路調査の実施、更には救助活動へ参加する事が出来る。
船は、緊急事態施設での火災の消火、油の流出事故への処置、更には揚陸部隊の輸送の為に使用できる。
貨物積載作業を行なう為、砕氷船には26トンの吊り上げ能力を有するクレーンが装備されている。
船首部分にはヘリコプター発着場が配置されている。

現在のロシアは、原子力砕氷船「アルクチカ」型を筆頭に各種砕氷船を保有していますが、これらの砕氷船はロシア海軍の所属ではありません。
ソ連邦海軍時代には、プロジェクト97砕氷船が8隻建造され、1960年から1970年に掛けて就役しました。
プロジェクト97も『アドミラルティ造船所』で建造されました。
先代の砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」(プロジェクト97K)は1965年12月にソ連海軍へ納入され、太平洋艦隊へ配備されました。


ソ連邦解体後の1993年6月にロシア海軍から除籍されました。
初代「イリヤー・ムーロメツ」が姿を消してから20年以上経った2015年4月23日、プロジェクト21180砕氷船の1番船として新たな「イリヤー・ムーロメツ」が起工されました。
[ロシア海軍の為の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは2015年4月23日に起工される]
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは起工された]
2代目「イリヤー・ムーロメツ」は2016年6月10日に進水しました。
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは進水した]
進水後、『アドミラルティ造船所』の岸壁で艤装工事が進められ、係留試験が行なわれました。

「イリヤー・ムーロメツ」は、2017年7月22日から洋上試験~工場航行試験の第1段階を開始しました。

第1段階試験は8月29日に終了しました。
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤ―・ムーロメツは洋上試験の第1段階を終えた]
続いて9月上旬まで工場航行試験の第2段階が実施されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年9月14日1時7分配信
【最新砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」は工場試験弾2段階を実行した】
これで工場航行試験は完了し、10月4日から最終洋上試験である国家受領試験が行われます。
「イリヤー・ムーロメツ」は、2017年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されており、就役後は北方艦隊へ配備されます。
[新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは2017年末までにロシア海軍へ就役する]
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