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ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)


『タス通信』より
2017年11月24日13時38分配信
【プロジェクト22800の2番艦「タイフーン」はサンクトペテルブルクで進水した】
サンクトペテルブルク、11月24日/タス通信

プロジェクト22800小型ロケット艦(「カラクルト」)の2隻目となる「タイフーン」は、金曜日(11月24日)にサンクトペテルブルク造船工場『ペラ』で進水した。
『タス通信』特派員は現地より報告した。

「我が国の海軍は、この艦(タイフーン)を待ち望んでおり、2018年に私共は高品質の試験と共に、我々の美しい艦を御客様へ御引き渡しいたします」
式典において工場『ペラ』副総取締役セルゲイ・クフチクは述べた。

同時にロシア連邦海軍副総司令官(軍備担当)ヴィクトール・ブルスクは、海軍「タイフーン」を非常に待ち望んでいる事を指摘した。
「それが設定された契約時期において進水した事に満足しております」
彼は付け加えた。

2隻のプロジェクト22800小型ロケット艦(「ウラガーン」及び「タイフーン」)は、2015年12月24日に『ペラ』社で同時に起工された。
シリーズの1番艦は今年夏に進水し、工場岸壁で艤装の為、水上に居る。

中央海洋計画設計局『アルマーズ』が設計した「カラクルト」は約800トンの排水量を有し、速力は30ノットに達する事ができる。
それは、ロシアで製造された高精度ミサイル兵器複合体(「カリブル」システム)、現代的な砲複合体と動力装置を装備する。

以前にロシア国防次官ユーリー・ボリソフが伝えたように、サンクトペテルブルクで建造されたトップ艦「ウラガーン」は2017年末までに海軍への引き渡しが計画されている。
彼によると、工場『ペラ』は、このような艦を7隻建造しなければならず、5隻はゼレノドリスク造船工場と契約している。
更なる6隻の艦は極東の造船所へ委託される。
2017年8月、ロシア連邦国防省は『ペラ』及びゼレノドリスク造船工場プロジェクト「カラクルト」小型ロケット艦の建造に関する追加合意へ署名した。



[新世代小型ロケット艦カラクルト級]


プロジェクト22800「カラクルト」は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦であり、ソ連邦時代から高速戦闘艦艇を手掛けてきた「アルマーズ」設計局により設計されました。

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、「アルマーズ」設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
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プロジェクト22800の主要兵装は打撃有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

この他、AK-176MA 76mm砲高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mは2017年末までに制式採用される]

ただ、1番艦「ウラガーン」は、艦後部の「パーンツィリ-M」設置スペースにAK-630M 30mmガトリング砲2基が設置されているので、「パーンツィリ-M」の装備は見送られているようです。
(2番艦「タイフーン」も同様)
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「カラクルト」の最初の2隻:「タイフーン」「ウラガーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]

2016年5月10日、クリミア半島フェオドシヤ造船工場「シトルム」が起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]

2016年7月29日、『ペラ』造船所「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]

2016年12月24日、『ペラ』造船所「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]

2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]


プロジェクト22800は、『ペラ』造船所並びにフェオドシヤ造船工場の他に、今後はタタールスタンゼレノドリスク造船所でも建造されます。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

プロジェクト22800は2022年までに18隻の建造が計画されています。
[ロシア海軍の新世代小型ロケット艦プロジェクト22800は2022年までに18隻建造される]

この内の6隻は極東方面の造船所で建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けに6隻の新世代小型ロケット艦カラクルト級が建造される]


2017年7月29日、「カラクルト」級の1番艦「ウラガーン」は進水しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは進水した]

そして2017年11月24日、2番艦「タイフーン」が進水しました。
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「ウラガーン」は2018年にロシア海軍へ引き渡される予定となっておりますが、おそらくは「タイフーン」も同様でしょう。
[プロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは2018年にロシア海軍へ引き渡される]
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