第3のプロジェクト11356Rフリゲート"アドミラル・マカロフ"はロシア海軍へ納入された

『タス通信』より
2017年12月25日15時12分配信
【フリゲート「アドミラル・マカロフ」は発注者へ納入された】
カリーニングラード、12月25日/タス通信
沿バルト造船工場(『ヤンターリ』、『統合造船業営団』へ加入)で建造された第3のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、発注者であるロシア国防省へ納入された。
『タス通信』は工場の広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。
「12月25日、沿バルト造船工場『ヤンターリ』において、フリゲート"アドミラル・マカロフ"の受領引渡証書へ署名されました。
証書へ署名したのは、工場の総取締役エドゥアルト・エフィーモフとロシア連邦国家受領委員会の代表アレクセイ・ポテシキン1等海佐です。
これは、第3のプロジェクト11356艦の御客様への納入と認められます」
彼は話した。
ミハイロフは、フリゲート(警備艦)「アドミラル・マカロフ」の国家試験は2016年10月に始まり、バルト海及びバレンツ海で実施されたことを指摘した。
艦の出航及び艦隊間移動の際、良好な航海性能とシステムの整然とした動作が示された。
その結果、その戦術-技術的特性は、技術設計仕様に完全に沿っていることが確認された。
「警備艦アドミラル・マカロフへの海軍旗の初掲揚は、ロシア連邦国防省、統合造船業営団、地域組織の代表が出席し、12月27日に行なわれます」
ミハイロフは説明した。
「アドミラル・マカロフ」は2012年2月29日に沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、2015年9月2日に進水した。
これは、ロシア連邦国防省の発注により沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造されたプロジェクト11356警備艦(株式会社『北方計画設計局』が開発)シリーズの3番艦である。
シリーズの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」と2番艦「アドミラル・エッセン」は、2016年に納入された。
プロジェクト11356艦は、単独或いは連合部隊の一員として水上艦及び潜水艦へ対抗し、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
それは、汎用ミサイル-砲兵装と、対潜及び対空防衛の為の現代的な電波技術装置を有しており、排水量は約4000トン、全長-125メートル、速力-30ノット。
沿バルト造船工場『ヤンターリ』は1945年7月8日に設立された。
小型~中型の軍および民家用途の船の建造、更には艦船修理作業を専門としている。
70年に渡り、工場は160隻の戦闘艦と500隻以上の民間船を建造した。
現在、沿バルト造船工場『ヤンターリ』の株券の統制は、国営法人の株式会社『統合造船業営団』が掌握している。

[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で起工されました。
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]
それから3年半後の2015年9月2日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは進水した]
2016年4月1日、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの係留試験が始まった]
2016年7月9日に『ヤンターリ』造船所からバルチースク海軍基地へ移動しました。

2016年7月29日、工場航行試験が開始されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの航行試験が始まった]
工場航行試験は9月下旬までに終了し、10月7日からは最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの国家受領試験が始まった]
10月16日、「アドミラル・マカロフ」は、有翼ミサイル「カリブル」などの兵装試験を実施する為、バレンツ海方面の移動を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にバレンツ海へ向かった]
10月24日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にセヴェロモルスクへ到着した]
11月初頭にはバレンツ海で沿岸目標への有翼ミサイル「カリブル」発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
その後も各種兵装の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのバレンツ海における兵装試験は完了した]
バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・マカロフ」は、11月25日にバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフは北方での兵装試験を終えてバルチースクへ戻った]
12月8日からバルト海で最終洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバルト海で最終洋上試験を行なう]
この試験が終わった後、2016年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、年末までに試験は終了せず、2017年1月以降も試験は続けられる事になりました。
[第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのロシア海軍への引き渡しは延期された]
2017年1月16日までにバルト海で高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフはバルト海で艦対空ミサイルの発射試験を行なった]
試験後、「アドミラル・マカロフ」は、一旦『ヤンターリ』造船所へ戻ってきました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦アドミラル・マカロフは艦対空ミサイル発射試験後にカリーニングラード造船所へ戻った]
2017年4月1日、「アドミラル・マカロフ」は『ヤンターリ』造船所からバルチースク基地へ移動しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの洋上試験の最終段階が始まる]
その後、バルト海へ出航して高射ミサイル複合体「シチーリ-1」などの試験を行ない、4月28日にはバルト艦隊の防空演習へ参加しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフはバルト艦隊の防空演習へ参加した]
2017年6月28日から7月2日までサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロン(IMDS-2017)で展示され、7月2日にサンクトペテルブルクを出ました。
7月30日にはサンクトペテルブルクの「ロシア海軍の日」観艦式へ参加しました。
その後、洋上試験が再開され、9月4日にはバルト海で高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"はバルト海で艦対空ミサイルの発射試験を行なった]
「アドミラル・マカロフ」のロシア海軍への引き渡しは何度も延期され、9月末になっても具体的な時期は決まらず、洋上試験は続行されました。
[第3のプロジェクト11356Rフリゲート"アドミラル・マカロフ"のロシア海軍への具体的な引き渡し時期は未だ決まっていない]
11月8日にはバルト艦隊の小型ロケット艦「ゲイゼル」と「リヴェン」から発射されたミサイル標的を高射ミサイル「シチーリ-1」で撃墜しました。
『タス通信』より
2017年11月8日17時30分配信
【フリゲート「アドミラル・マカロフ」はバルト海でミサイル射撃を実施した】
これで「アドミラル・マカロフ」の国家受領試験は終了し、ロシア海軍への引き渡しの準備の為、『ヤンターリ』造船所へ戻ってきました。
そして2017年12月25日、受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア国防省(ロシア海軍)へ納入されました。
ロシア海軍の艦の就役は
1:受領-引渡証書への署名(造船所から海軍への艦の納入)
2:海軍旗の初掲揚式典・各艦隊部隊への編入(艦の正式な海軍への就役)
の2段階で行なわれますが、「アドミラル・マカロフ」の場合、1は2017年12月25日に実施され、2は12月27日に実施されるようです。
なお、「アドミラル・マカロフ」の後に建造されたプロジェクト11356Rフリゲート3隻は、2隻がインド海軍へ売却され、1隻はロシア海軍向けとして完成します。
[プロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦3隻の内、2隻はインドへ売却され、1隻はロシア海軍の為に完成する]
その後、ロシア海軍向けとして2隻のプロジェクト11356Rフリゲートが2018年以降に追加建造されます。
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