ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラの近代化改装は完了した

『タス通信』より
2017年12月28日13時53分配信
【原子力水中ロケット艦「トゥーラ」の修理は完了した】
モスクワ、12月28日/タス通信
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』は、プロジェクト667BDRM戦略用途ロケット水中巡洋艦「トゥーラ」の修理を完了した。
ロシア連邦国防省は発表した。
「修理は、第3世代原子力潜水艦の技術的準備状態の必要なレベルの維持と第4世代原子力潜水艦の建造の実現を規定した海軍総司令部の計画の具現化の枠組みで実行されました」
彼は話した。
セヴェロドヴィンスクの『ズヴェズドーチカ』社における潜水艦「トゥーラ」の工場修理は2015年に始まった。
潜水艦は一連の機構とシステムを修復した。
「工場航行試験を実施したロケット巡洋艦トゥーラは、近い内に北方艦隊の恒常駐留所へ到着します」
軍当局は付け加えた。
潜水艦「トゥーラ」はプロジェクト667BDRM原子力潜水艦(「デリフィン」、NATO分類-デルタIV)に属しており、大陸間弾道ミサイルを搭載する。
潜水艦は1987年に北方艦隊へ加わった。
公開情報によると、このタイプの潜水艦の排水量は約12000トン、その兵装は16基のミサイル「シネーワ」あるいは「ライネル」である。
プロジェクト667BDRM(デルタIV)戦略用途ロケット水中巡洋艦K-114は、1984年2月22日にセヴェロドヴィンスクの生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工され、1987年1月22日に進水し、同年10月30日にソ連海軍へ納入されました。

1987年11月5日に海軍旗掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
1987年12月にオレニヤ基地へ到着しました。

1989年5月30日から8月25日まで、第1乗員団(ファーストチーム)による戦闘勤務(長期航海)を実施しました。
続いて1989年11月3日から1990年1月18日まで第2乗員団(セカンドチーム)による戦闘勤務を実施しました。
1992年6月3日に「戦略用途原子力水中巡洋艦」へ艦種変更されました。
1993年にはガジエヴォ基地へ移動しました。

1995年4月18日にトゥーラ州と後援協定を締結しました。

1997年8月21日、「トゥーラ」と命名されました。
2000年までに134856海里を航行し(この内の77245海里は潜航状態)、7回の戦闘勤務と17回の戦闘当直を実施し、水中から12回の弾道ミサイル発射を実施しました。
2000年6月に第1次近代化改装の為、セヴェロドヴィンスクの『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。

2004年5月6日に再進水しました。
2004年9月8日から係留試験を開始し、2005年7月から航行試験を開始、2005年9月12日までに完了しました。
2005年12月7日にはガジエヴォ基地へ移動し、2006年1月12日にロシア海軍へ引き渡されました。
2007年12月17日に弾道ミサイル「シネーワ」をバレンツ海からカムチャツカ半島へ向けて発射しました。
[デルタIV型戦略原潜「トゥーラ」、弾道ミサイルの発射テストを実施]
2007年12月25日、再び「シネーワ」を発射しました。
[デルタIV型戦略原潜K-114「トゥーラ」、再びミサイル発射]
2010年3月4日にバレンツ海から「シネーワ」を発射しました。
2010年8月6日にもバレンツ海から「シネーワ」を発射しました。
2011年9月29日には「シネーワ」の改良型である「ライネル」を発射しました。
[ロシア海軍の新たな潜水艦用弾道ミサイル「ライネル」は制式採用された]
2014年11月5日に「シネーワ」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜トゥーラはシネーワ弾道ミサイルを発射した]
2014年12月15日、第2次近代化改装(寿命延長工事)を行なう為、セヴェロドヴィンスクの艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
2017年2月27日には『ズヴェズドーチカ』の船台を出渠しました。
[近代化改装中の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラは2017年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
2017年11月5日に就役30周年を迎えました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月5日12時30分配信
【ロケット水中巡洋艦「トゥーラ」30周年】
その後、2017年12月には工場航行試験が始まりました。
「トゥーラ」は、2017年12月末までに修理を完了してロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、2018年3月に延期される事になりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年12月15日8時0分配信
【戦略潜水艦「トゥーラ」の修理完了は2018年に延期された】
そして12月28日、『ズヴェズドーチカ』は「トゥーラ」の近代化改装を終了しました。
つまり、工場航行試験が終わったという事でしょう。
「トゥーラ」の近代化改装が終わった後、続いて同型艦「ブリャンスク」の近代化改装が始まります。
北方艦隊の667BDRM戦略原潜6隻は、1990年代末以降よりセヴェロドヴィンスク市の艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』で近代化改装を行ない、寿命を延長しています。
1999年~2012年に第1次近代化改装を行ない、続いて第2次近代化改装が進行中です。
K-51「ヴェルホトゥリエ」:1999年12月第1次近代化改装完了/2012年12月第2次近代化改装完了
K-84「エカテリンブルク」:2003年1月第1次近代化改装完了/2014年12月第2次近代化改装完了
K-114「トゥーラ」:2006年1月第1次近代化改装完了/2017年12月第2次近代化改装完了予定
K-117「ブリャンスク」:2008年2月第1次近代化改装完了
K-18「カレリア」:2010年1月第1次近代化改装完了
K-407「ノヴォモスコフスク」:2012年8月第1次近代化改装完了
この他、667BDRMの3番艦K-64は1990年代末から特務原潜へ改造され、2016年12月末にBS-64として再就役しました。
[改造を終えた特務原潜ポドモスコヴィエ(モスクワ州)はロシア海軍へ引き渡された]
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