べリエフは艦上早期警戒機の特許を登録した
- カテゴリ:ロシア海軍航空隊



『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年12月21日17時48分配信
【『べリエフ記念タガンロク航空科学技術複合体』は艦上遠距離電波位置特定巡視航空機へ取り組んでいる】
公開株式会社『べリエフ記念タガンロク航空科学技術複合体』の設計者は、艦上あるいは陸上配置の電波位置特定監視低ジェット航空機の特許権を取った。
それは、回転展望式アンテナシステムを装備し、航空母艦のトランポリンから離艦できる。
連邦知的財産サイトは発表した。
特許は、2014年3月18日から発効しているが、掲載されたのは2016年1月になってからである。
「ニズコプラーン」(低飛行機)の略図によると、航空機はV型尾翼を有する。
中央部の翼にある電波展望機の前部及び後端は、翼の最後尾部よりも大きく縮小される。
「翼の中央部は、このように縮小され、前部及び後部端に設置され、アンテナの回転展望を保障する」
特許文書では、こう述べられている。
開発者によると、設計される空中船は、拡大したゾーンを照らす回転空中装置、アンテナの技術的可能性のみの限定、明らかな電波探知の減少、自由な乗組員の脱出の機会、更には電波工学複合体のアンテナの容易な出し入れを保障する。
この航空機の略図は、無人ヴァージョン作成の為に使用できる。
空中船のエンジンはジェットであり、滑走路或いは航空艦のトランポリンからの発進の為の噴射チューブ(アフターバーナー)の装備が意図されている。
『べリエフ記念タガンロク航空科学技術複合体』は、組織的方向性に応じた問い合わせと、特許情報に関するコメントを拒否した。
ベラルーシの第558航空機修理工場の設計主任ウラジーミル・チムイリェフは、目立たない航空機を保障できるものは、例えば、特別な被覆或いは表面反射の減少であると『海軍作業』へ話した。
「電子手段の観点からの目立たなさは、新たなる適用、即ち高帯域信号にも及びます」
専門家は付け加えた。
「大きくない放射効率を持つ事は、航空機の目立たなさを生成し、この事は、それが非常に離れた目標を捕捉する事を可能にします」
チムイリェフは更に、特許の登録は、新たな航空機を作成する活発な作業を示す事にはならないと説明した。
「御話し出来るのは、設計の意図の記録は、ある種の科学的な成果という事です。
それを何らかの形で採択する事は、必須ではありません」
彼は纏めた。
国産の艦上遠距離電波位置特定巡視航空機プロジェクトは、1つとして具現化される事も、生かされる事もなかった。
それでもなお、ヤコブレフ記念試験設計局の専門家は、1970年代中期にYak-44の開発へと進んだ。

航空機の模型だけは製造され、航空巡洋艦「トビリシ」(現「アドミラル・クズネツォフ」で試験が行われた。


プロジェクトは1993年に凍結された。
『Google Patents』より
【回転展望アンテナシステムを有する艦上及び陸上配置の電波位置特定発見低航空機】
今回の記事で登場するべリエフ社の艦上早期警戒機は、同社の自主設計案であり、現在の所、具体的な開発・製造予定は有りません。
ただ、特許登録しているので、将来的なニーズ~例えばロシア海軍やインド海軍~は有ると見込んでいるようですが。
ロシア海軍は新たな航空母艦の建造を計画しており、2018年からスタートする「2018年~2027年の国家軍備プログラム」において、その開始が予定されています。
(就役するのは、このプログラムの期間内では無さそうですが・・・)
[ロシア海軍の新世代空母の建造は2023年~2028年に開始される]
更には、新世代航空母艦の艦載機として、『ヤコブレフ』社の新たなVSTOL艦上戦闘機の開発も計画されています。
[ロシア海軍の為の新たなVSTOL艦上戦闘機が開発される]
以前にロシア海軍の将来空母の概念設計(シトルム)を作成した『クルイロフ国立科学センター』は、今度は軽空母の概念設計案を作成します。
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を作成する]
この「軽空母」はスキージャンプ発艦方式のようですが、早期警戒機の搭載も想定されています。

そして「奇しくも」、べリエフ社が自主設計し、特許登録した艦上早期警戒機は、アフターバーナー付ジェットエンジンを搭載し、スキージャンプ台からの発艦も可能です。
VSTOL戦闘機と通常の早期警戒機を搭載する空母というのは、実際に建造された事は有りませんが、設計され、建造の一歩手前まで漕ぎ着けた事は有ります。
それが、旧ソ連邦時代に計画されたプロジェクト114342重航空巡洋艦(改「バクー」型)です。

この艦の主力艦載機は、当時開発中だったYak-41(141)超音速VSTOL戦闘機ですが、VSTOL空母であるにも関わらず、アングルドデッキと着艦拘束装置が付いており(本来、VSTOL機の着艦には不要)、ヤコブレフの艦上早期警戒機Yak-44も搭載するつもりでした。
プロジェクト114342は、プロジェクト11435(「アドミラル・クズネツォフ」)の前に計画され、国防相から建造の認可も降りていたのですが、結局、より大型でCTOL機(Su-27やMiG-29)も運用可能な11435が建造される事になり、幻と消えました。
将来的には、このコンセプトがロシア海軍で復活する事になるかもしれません。
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