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ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される

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『タス通信』より
2018年1月10日9時3分配信
【情報筋:ヘリコプター母艦の建造は『北方造船所』で2020年に始まる】
モスクワ、1月10日/タス通信

ロシア国防省『統合造船業営団』は、国産のヘリコプター母艦の建造を造船工場『北方造船所』において2020年に開始する事で合意した。
『タス通信』ロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「ロシア連邦国防省と『統合造船業営団』は、ヘリコプター母艦及び駆逐艦"リデル"の作業の実行を『北方造船所』社とすることで合意しました
同社は既に、この為、このクラスの艦の建造を可能にする船台の建設を含め、生産設備の大規模な再建を進めています」

対談者は話した。

「工場では、初めに2隻のヘリコプター母艦の建造が計画されており、その後に駆逐艦の建造へ着手します。
ヘリコプター母艦の試験設計作業は2018年に始まり、2020年にトップ艦の建造開始、2024年に海軍への引き渡しが計画されています。
ヘリコプター母艦の最初にして唯一の生産艦の製造は2022年、引き渡しは2026年に予定されています」

情報提供者は説明した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

以前に他の情報提供者が『タス通信』へ伝えた所によると、ヘリコプター母艦ディーゼル-ガスタービン装置を有する。
ディーゼルはメインエンジン、ガスタービンは出力を高める為に必要である。
彼によると、艦の航空群の基礎はヘリコプターKa-52Kで構成され、その引き渡しは、ヘリコプター母艦の引き渡しと同時期となる。
更に、艦にはヘリコプターKa-27、Ka-29、Ka-31が駐留する。

以前、ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフは、最初のロシア製ヘリコプター母艦は2022年に姿を現すと報道陣へ伝えた。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター母艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター母艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]

[汎用揚陸ヘリコプター母艦「ラヴィーナ」]
満載排水量:24000トン
全長:180メートル
幅:30メートル
吃水:5メートル
速力:22ノット
航続距離:5000海里
自立行動期間:60日
乗員:320名
積載能力:海軍歩兵隊員500名、各種戦闘車両50両
搭載機:ヘリコプター×16機(Ka-29、Ka-52K、Ka-27)
搭載艇:揚陸艇×6隻
兵装:AK-176MA 76mm単装砲×1基
高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」×2基
高射砲複合体「パラシ」×3基
AK-630M2「ドゥエト」30mm機関砲×2基


この概念設計案「ラヴィーナ」をベースにして、ロシア海軍向けとなる汎用ヘリコプター揚陸艦プロジェクト「プリボイ」が設計され、実際に建造されることになります。
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の設計作業は進められている]

汎用揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]

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搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの供給契約は2019年に締結される]

Ka-52K「カトラン」の量産は2020年から開始される予定です。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2020年に始まる]

この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、最近、修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

「ミストラル」級が配備される予定だったウラジオストク南部ウリス湾では、埠頭の建設が続けられています。
[ウラジオストクのウリス湾ではロシア海軍の大型水上艦(ヘリコプター空母)の為の埠頭の建設が続けられる]
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「ロシア版ミストラル」の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』の枠組みで開始される予定です。
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を開始する準備を整えている]

2017年5月、「ロシア防衛産業の匿名希望の情報提供者」は、2隻の調達が計画されている揚陸ヘリコプター母艦の建造スケジュールの詳細を明らかにしました。
[ミストラル級の代わりとなる新たな揚陸ヘリコプター母艦2隻は2024年と2026年にロシア海軍へ引き渡される]

[揚陸ヘリコプター母艦]
・1番艦「セヴァストーポリ」:2020年起工/2024年就役予定
・2番艦:2022年起工/2026年就役予定


揚陸ヘリコプター母艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)となるとの事です。

これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

汎用ヘリコプター揚陸艦プロジェクト「プリボイ」の1番艦の建造費は約400億ルーブルになると見積もられています。
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の1番艦の建造費は約400億ルーブルになる]

ロシア国防省(ロシア海軍)は、セヴァストーポリ市の要望に応え、汎用ヘリコプター揚陸艦の1番艦に「セヴァストーポリ」の名前を付ける事を決定しました。
[ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる]
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の1番艦はセヴァストーポリと命名される]


揚陸ヘリコプター母艦の建造を担当する造船所は、これまでに複数の候補が挙げられていましたが、サンクトペテルブルク『北方造船所』に決まったようです。
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サンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)は設備の近代化を進めており、その一環として、2017年12月末に新たな船台を建造する契約へ署名しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年12月29日12時51分配信
【北方造船所は新たな船台を建設する契約を締結した】

2019年春頃に完成予定の『北方造船所』の新たな船台のサイズは、全長250メートル、幅140メートル、高さ75メートルとの事です。

これまでの『北方造船所』の船台では全長200メートル以上の艦船を建造する事は出来ず、ロシア海軍大型対潜艦プロジェクト1155(ウダロイ型)が、同社で建造できる最大の艦でした。
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新たな船台が完成すれば、「セヴァストーポリ」型ヘリコプター母艦の建造も可能になるので、この船台が完成した後の2020年に建造を開始するという事でしょう。
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