最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年に延期された

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年1月11日3時3分配信
【『統合造船業営団』は揚陸艦プロジェクトの1隻目「イワン・グレン」の引き渡しを延期した】
モスクワ、1月11日-ロシア通信社ノーボスチ
プロジェクト11711揚陸艦のトップ「イワン・グレン」の国家受領試験は2018年も続けられ、その結果が出た後でのみ海軍へ加わる。
水曜日に『統合造船業営団』広報サービスは『ロシア通信社ノーボスチ』へ表明した。
以前、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、「イワン・グレン」が2017年末までにロシア連邦海軍へ引き渡されると述べた。
「プロジェクト11711揚陸艦のトップ、イワン・グレンは、国家受領試験が完了した結果、海軍へ加入します」
対談者は話したが、同艦の海軍への引き渡し時期については明らかにしなかった。
彼は更に、艦の発注者への引き渡しは、国家受領試験完了後の2018年になる事を強調した。
大型揚陸艦「イワン・グレン」はプロジェクト11711のトップ艦であり、『ネフスキー計画設計局』により開発された。
それは2004年12月に起工され、2021年5月に進水し、係留試験は2015年10月に始まった。
艦の工場航行試験は2016年6月に始まった。
国家受領試験プログラムは、(2017年)11月30日にバルト海で始まった。
ロシア連邦国防省の発注下で工場『ヤンターリ』は、もう1隻の同プロジェクト艦~大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」を建造しており、2018年に海軍へ引き渡されなければならない。
プロジェクト11711大型揚陸艦は、ソヴィエト及びロシア海軍で10数隻が姿を見せていたプロジェクト1171大型揚陸艦の発展型である。
その上部構造物の大部分は著しく変化している。
プロジェクト11711大型揚陸艦は、揚陸部隊の上陸、軍用車両及び機器の輸送の為に意図されており、300名までの海軍歩兵、36両の装甲兵員輸送車或いは13両の戦車を移送できる。
輸送揚陸ヘリコプターを装備する。
[新型揚陸艦イワン・グレン]
プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]
進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]
ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]
「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]
「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]
6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]
6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]
6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]
8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。



その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]
フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」はバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]
しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。
「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。
「イワン・グレン」は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。

そして2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動しました。

2017年6月上旬から洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]
その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。
7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]
その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海でAK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】
10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】
11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】
その後、国家受領試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】
12月22日までにバルト海で30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲と30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】
「イワン・グレン」は2017年末にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は完了した]
しかし結局、2017年中の引き渡しは実現せず、2018年に延期される事になりました。

2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]
その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される]
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