ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベットは地中海・アデン湾遠征を終えて帰投した
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年1月14日17時59分配信
【バルト艦隊の艦船は遠距離航海から戻ってきた】
コルベット「ボイキー」、「ソーブラジテルヌイ」、給油船「コラ」で構成されるバルト艦隊戦闘艦支隊は、北大西洋、地中海、インド洋海域での任務遂行後、バルチースク市の軍港へ入港した。
コルベットと給油船の航海は90日以上に及び、この間に35000海里を航行した。
航海中にリマソール港(キプロス)、ジブチ港(ジブチ共和国)、タルトゥース港(シリア・アラブ共和国)への業務寄港を行なった。
戦闘艦支隊を構成する艦船の乗組員は海上で複合戦闘演習任務を遂行し、その中で対空・対潜防衛演習、艦内演習及び訓練、更には砲射撃を行なった。
艦船を歓迎する為の会合には、バルト艦隊司令部、バルチースク市庁の代表、更にはバルト艦隊船員の家族と親類が出席した。
バルト艦隊司令官アレクサンドル・ノサトフ中将はバルト艦隊軍事評議会に代わって、与えられた遠洋航海任務を成功裏に果たした乗組員を祝福し、軍事船員の戦闘演習での新たな成功を祈った。
遠距離航海で特に優れた働きを見せた将兵は艦隊司令部より表彰され、高価な贈り物を受け取った。
何人かの将兵は、国家及び当局からの表彰を受けた。
遠距離航海から戻った艦船は、機器の修理と必要な物資の補充後、与えられた任務を遂行する準備が整う。

コルベット「ボイキー」、「ソーブラジテルヌイ」、給油船「コラ」で構成されるバルト艦隊艦船支隊は、2017年10月14日にバルチースクを出港しました。
[バルト艦隊艦船支隊](指揮官アンドレイ・クズネツォフ1等海佐)
コルベット「ボイキー」
コルベット「ソーブラジテルヌイ」
中型海洋給油船「コラ」
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年10月14日17時0分配信
【バルト艦隊艦船支隊は遠距離航海へ向かった】
10月18日に北海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年10月18日17時2分配信
【バルト艦隊艦船支隊は北海へ入った】
10月23日に英仏海峡を通過しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年10月23日18時7分配信
【バルト艦隊艦船支隊はパ・ド・カレー及びラマンシュ海峡の通過を完了した】
10月25日にはビスケー湾で対空防衛、電子戦闘、潜水艦探知、艦内のダメージコントロールなどの演習を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年10月25日13時50分配信
【バルト艦隊艦船支隊は世界の大洋への海軍の存在の枠組みにおいてビスケー湾で演習任務へ取り組んだ】
10月27日にはヘリコプターでの捜索救助訓練、海軍歩兵隊員のヘリ或いは高速艇による船舶への乗り込み訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年10月27日13時56分配信
【艦載ヘリコプターKa-27PS乗員は大西洋でフライトを行なった】

10月29日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年10月29日16時21分配信
【バルト艦隊艦船支隊は地中海へ入った】
10月31日には地中海で対空、対艦、対潜防衛、組織的通信、隊列を組んでの航行、停泊時の対テロ訓練、艦内のダメージコントロールなどの訓練を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年10月31日14時25分配信
【バルト艦隊艦船支隊は地中海で戦闘演習任務へ取り組んだ】
11月2日には、地中海で対潜戦闘、対空防衛訓練を実施し、武器の模擬発射を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月2日19時6分配信
【バルト艦隊のコルベットは潜水艦探知及び対空防衛演習へ取り組んだ】
11月7日には物資補充と乗員の休養の為、キプロスのリマソール港へ寄港しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年11月7日14時29分配信
【コルベット「ボイキー」と「ソーブラジテルヌイ」はキプロスで物資を補充する】
11月9日にリマソールを出港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月9日11時27分配信
【バルト艦隊艦船支隊はキプロスへの業務寄港を終えた】

そして11月14日、コルベット「ソーブラジテルヌイ」はスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
この間、艦内演習(ダメージコントロール)、対テロ部隊の臨検訓練を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月14日12時15分配信
【バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」はスエズ運河を通過して紅海へ入り、アデン湾へ進路を取った】
11月17日、コルベット「ソーブラジテルヌイ」はジブチへ寄港し、物資補充と艦の点検を実施しました。
また、この間に対空、対潜防衛、対テロ演習、潜水艦捜索訓練を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月17日17時20分配信
【バルト艦隊の艦はジブチへ寄港した】
11月22日、コルベット「ソーブラジテルヌイ」はアデン湾で各種演習を実施しました(対潜防衛、臨検、対水中複合体「パケート」による潜水艦の魚雷防御、ヘリコプターKa-27及び高速艇による船舶臨検、機雷の探知及び破壊)。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月22日16時52分配信
【バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」乗組員はアデン湾の海賊出没海域で一連の戦闘演習任務を遂行した】
一方、地中海東部に残留したコルベット「ボイキー」は、11月23日にシリアのタルトゥースで物資を補充しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月23日16時51分配信
【バルト艦隊のコルベット「ボイキー」は地中海で予定された任務を遂行する】
コルベット「ソーブラジテルヌイ」と給油船「コラ」は再びジブチへ寄港し、物資補充と艦の点検を実施した後、11月30日に出港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月30日17時17分配信
【バルト艦隊の艦船はジブチを去った】
12月7日、コルベット「ソーブラジテルヌイ」、給油船「コラ」、救助曳船SB-921はスエズ運河を通過して地中海へ入りました。
この間、紅海でダメージコントロール、対テロ臨検訓練を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年12月7日16時45分配信
【バルト艦隊の艦船はスエズ運河を通過した】
救助曳船SB-921は、元々はバルト海から地中海東部へ回航される黒海艦隊の新造潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」に随伴していたのですが、この2隻が地中海東部に留まっている為、今度はアデン湾へ行く「ソーブラジテルヌイ」へ随伴していたようです。
その後、コルベット「ソーブラジテルヌイ」、「ボイキー」、給油船「コラ」、救助曳船SB-921は地中海で演習を行なった後、母港バルチースクへの帰路に就きました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年12月14日13時45分配信
【バルト艦隊艦船支隊は恒常駐留所へ戻る】
12月27日、コルベット「ソーブラジテルヌイ」、「ボイキー」は、海上目標への対艦ミサイル「ウラン」仮想発射訓練、電波電子戦闘、ダメージコントロール訓練を実施しました。
また、給油船「コラ」は、インド洋への調査航海へ向かう途中のバルト艦隊の科学調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」への物資補充を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年12月27日16時7分配信
【バルト艦隊の艦は地中海で海上目標へのミサイルの電子発射を行なった】
その後、バルト艦隊艦船支隊は2018年1月2日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入り、1月8日には英仏海峡を通過しました。
『デイリーメイル』より
【レッドアラート:王立海軍のフリゲートは緊急発進し、イギリス海峡を通航中の4隻のロシア海軍の艦船を迎撃した】
そして2018年1月14日、バルト艦隊艦船支隊は母港バルチースクへ帰投しました。
これまでにバルト艦隊のプロジェクト20380コルベット(「ステレグーシチー」、「ソーブラジテルヌイ」、「ボイキー」、「ストイーキー」)は、2隻ペアで北海や北大西洋へ何度も進出しています。
[バルト艦隊のステレグーシチー型コルベットの北海遠征]
しかし、地中海、更には紅海、アデン湾まで行ったのは、今回が初めてです。
元々は「近海ゾーン警備艦」と呼ばれていたプロジェクト20380コルベットは、ロシア海軍で言う所の「大洋ゾーン艦」「遠海ゾーン艦」では無く、これ程の遠洋海域へ進出し、行動することは想定されていません。
ただ、今後就役する20380の改良型・プロジェクト20385コルベットは、バルト海沿岸のサンクトペテルブルクで建造されていますが、就役後は太平洋艦隊へ配備される事になります。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは2018年6月に洋上試験を開始する]
当然ながら、サンクトペテルブルクから太平洋艦隊基地~例えばウラジオストクへ回航する為には、地中海やアデン湾、インド洋を通過しなければなりません。
今回の20380コルベットのアデン湾遠征は、20385を極東へ回航する為のテストを兼ねていたのかもしれません。
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