FC2ブログ

最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年春以降になる

18-0117a.jpg
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年1月17日10時50分配信
【情報筋:大型揚陸艦「イワン・グレン」の納入は後進の問題が故に2018年3月よりも前にはならない】

沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造されているプロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」は、後進の問題が故に海軍へ引き渡す事ができない。
試験は1月末まで一時停止されている。
『Mil.Press FlotProm』は業界の消息筋より伝えられた。
彼は、艦は今月末に海へ出ると付け加えた。


彼によると、問題は、2017年12月に実行が計画されていた艦のロシア海軍への引き渡しを前にして、逆転装置(リバーサー)に唯一の深刻な障害が残っていた事に在った。

海軍の消息筋は『Mil.Press FlotProm』特派員へ、「イワン・グレン」海軍への引き渡し延期の決定は、12月26日の海軍軍事研修-研究センター「海軍大学校」研究協議会の専門会議で採択されたと話した。

彼は、我々の艦には「7つの問題が存在し、紙の上でと、その他~その後の作業で解決する必要があった」と付け加えた。
情報提供者は、「イワン・グレン」の試験は、国家受領委員会の代表者の通告により中断されたと話した。
次の会議は2月1日に計画されており、その後、分析と署名が決定される。

「艦は、12月には署名する事ができましたが、海軍は、将来の問題の可能性から、それを取りやめました」
彼は話した。
「イワン・グレンは、以前には航海性能と安定性の問題が発覚したのですが、それは解決されています。
残された問題は、エンジンの後進の制御です」

『ヤンターリ』広報サービスは、『Mil.Press FlotProm』特派員へ、この件に関する質問に回答しなかった。
海軍の公式代理人イーゴリ・ディガロ1等海佐は電話での問い合わせに答えなかった。

「イワン・グレン」のエンジンは、『コロムナ工場』で製造されたD1049ディーゼルである。
連結減速推進軸は、公開株式会社『ズヴェズダー』で製造された。
『コロムナ工場』の高位の情報提供者によると、エンジンに問題があるなどとは知られていない。
「つまるところ、減速装置は動作しており、欠陥など有しておらず、宿命的な特性は除去されています」

情報提供者の1人は『Mil.Press FlotProm』特派員へ話した。

『ズヴェズダー』広報サービスは、同社のトップ、パヴロ・プラフニクが不在だった為、この状況に対し、適切にコメントできなかった。

「イワン・グレン」を設計した『ネフスキー計画設計局』総取締役セルゲイ・ウラソフは、『Mil.Press FlotProm』へ語った。
「判明している問題点は、後進速度のみです」

国内設計企業の1つの情報提供者は、大型揚陸艦「イワン・グレン」の航海性能と、必要性が疑わしい同プロジェクトの生産艦の建造及び納入について批判した。
彼は、艦は、「河川-海」ゾーンでの行動と、様々な軍事行動舞台への揚陸部隊の輸送の為に作成され、当初のサイズは、ヴォルガ・ドン運河の幅及び橋の高さに合わせられていた事を強調した。

「プロジェクト11711は、それほど古くはないプロジェクト775大型揚陸艦の代替として考案されましたが、それは文字通りの『でっち上げ』です」
造船関係者は話した。
「"河川-海"クラスの為の制限は何時の間にか消滅し、大型揚陸艦に拡大して建造される事になりました。
その結果、他の構造は変更され、艦の復元性は著しく低下したのです」


[『Mil.Press FlotProm』参考資料]
「イワン・グレン」
は、プロジェクト11711のトップ艦であり、『ネフスキー計画設計局』により開発された。
沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月に起工されたが、進水したのは2021年5月になってからであった。

プロジェクト11711大型揚陸艦の船体の全長は120メートル、幅16.5メートル、排水量は5000トン。
速力-18ノット。乗組員-100名。
艦は13両の戦車或いは36両の歩兵戦闘車、更には300名の揚陸隊員を運搬できる。

大型揚陸艦は3門の30mm6銃身機関砲AK-630で武装している。
艦上には、1機の捜索救助ヘリコプターKa-27或いは輸送戦闘ヘリコプターKa-29が駐留する。

艦は2016年夏に海へ出て、その後、洗い出された問題点を除去するため、工場へ向かった。
バルト海での「イワン・グレン」の航行試験は2017年6月に再開された。
11月30日には艦のサイクル国家試験が始まった。
昨年12月25日、『統合造船業営団』広報サービスは、『Mil.Press FlotProm』特派員へ、「イワン・グレン」は2017年末までにロシア連邦海軍へ引き渡されると確約した。
(2018年)1月11日、『統合造船業営団』広報サービスは、「イワン・グレン」の試験は2018年も継続すると表明した。



[新型揚陸艦イワン・グレン]

プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
16-0830g.jpg16-0830h.jpg16-0830f.jpg

その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]

フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]

しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。

「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。

「イワン・グレン」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。
17-0606e.jpg

そして2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動しました。
17-0606g.jpg

2017年6月上旬から洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]

その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。

7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海AK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】

10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】

11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】

その後、国家受領試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】

12月22日までにバルト海30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】


「イワン・グレン」は2017年末にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は完了した]

しかし結局、2017年中の引き渡しは実現せず、2018年に延期される事になりました。
[最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年に延期された]

今回の記事によると、「イワン・グレン」は確かに2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、艦の後進の制御に問題が有る事が判明した為、またもや引き渡しが延期されたとの事です。


17-0126b.jpg
2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される]
関連記事
スポンサーサイト