ロシア海軍の重戦略用途原子力水中巡洋艦アルハンゲリスクとセヴェルスターリは2020年以降に解体される

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年1月19日3時3分配信
【ロシアは2隻の世界最大の潜水艦を解体すると情報筋は伝えた】
2隻の世界最大の原子力潜水艦プロジェクト941(コード名「アクラ」)「アルハンゲリスク」と「セヴェルスターリ」は解体される。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、造船分野の情報提供者より伝えられた。
「今後、これらを稼働させても、採算が取れません。
これらは既に海軍の戦闘編制から除かれています。
『ロスアトム』は、これらを2020年以降に解体します」
対談者は話した。
現在、(ロシア海軍の)編制には、弾道ミサイル「ブラヴァー」の試験を行なっていた原子力潜水艦プロジェクト941U「ドミトリー・ドンスコイ」ただ1隻のみが残されている。
原子力潜水艦プロジェクト941は、世界最大の原子力潜水艦であり、満載排水量は49800トン、全長-172メートル、幅-23.3メートル。
このような巡洋艦は合計6隻建造された。
シリーズのトップ艦「ドミトリー・ドンスコイ」は1976年に起工され、1981年に北方艦隊の戦闘編制へ受け入れられた。
1996年~1997年、資金不足が故に3隻のロケット艦(TK-12、TK-202、TK-13)が就役期間12~13年で戦闘編制から除かれた。
同プロジェクトのトップ艦TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」は10年以上に渡り『セヴマシュ』で修理が行なわれ、「ブラヴァー」試験の為に近代化及び装備更新された。



ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト941「アクラ」(NATOコード名「タイフーン」)】
プロジェクト941「アクラ」重戦略用途原子力水中巡洋艦(タイフーン級)は、1981年~1989年に6隻が就役しましたが、現役に留まっているのは1隻のみであり、既に3隻が解体されています。
・TK-208
1976年6月30日起工/1980年9月27日進水/1981年12月29日納入/1982年12月14日就役
1989年1月20日に近代化の為予備役編入、1991年よりプロジェクト941U近代化改装を始めるが資金不足の為に工事中断
1996年にプロジェクト941UMとして近代化改装工事を再開、2000年12月7日に「ドミトリー・ドンスコイ」と命名、2002年6月26日再進水、2004年12月再就役
・TK-202
1978年4月22日起工/1982年9月23日進水/1983年12月28日納入/1983年12月31日就役
1999年除籍、2005~2007年にセヴェロドヴィンスクで解体
・TK-12
1980年4月19日起工/1983年12月17日進水/1984年12月26日納入/1984年12月27日就役
1996年予備役編入、2000年除籍、2006~2007年にセヴェロドヴィンスクで解体
・TK-13
1982年2月23日起工/1985年4月30日進水/1985年12月26日納入/1985年12月30日就役
1997年除籍、2007~2009年にセヴェロドヴィンスクで解体
・TK-17
1983年8月9日起工/1986年12月12日進水/1987年12月15日納入/1987年12月25日就役
2002年11月18日に「アルハンゲリスク」と命名、2005年1月26日予備役編入、2009年7月にセヴェロドヴィンスクへ回航、以後同地で係留保管
・TK-20
1985年8月27日起工/1989年4月11日進水/1989年12月19日納入/1989年12月22日就役
2000年6月20日に「セヴェルスターリ」と命名、2001年10月にセヴェロドヴィンスクへ回航、2004年4月29日予備役編入、以後係留保管
ただ1隻のプロジェクト941の現役艦「ドミートリー·ドンスコイ」は既に艦齢35年ですが、当面は現役に留まります。
[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍で現役に留まり続ける]
あとの2隻~「アルハンゲリスク」と「セヴェルスターリ」は既に退役しており、現在はセヴェロドヴィンスクで係留保管されています。
2013年5月、この2隻を解体するという話が出てきましたが、未だ実行には移されていません。
[タイフーン級戦略原潜セヴェルスターリとアルハンゲリスクは除籍、解体される]
「アルハンゲリスク」は、2016年に弾道ミサイル発射筒の封印作業が行なわれました。
これはアメリカとの戦略兵器削減条約に基づく措置であり、条約上では「弾道ミサイル20基の搭載能力を持つ原潜が1隻削減された」という事になります。
[ロシア海軍のタイフーン級戦略原潜アルハンゲリスクは2016年に弾道ミサイル発射筒が使用不能にされる]
2016年6月27日

2016年8月21日

2016年10月2日

2016年10月3日

2017年5月15日

しかし、「アルハンゲリスク」と「セヴェルスターリ」の処分(解体)そのものに関しては、未だ正式には決定されていません。
[ロシア海軍のタイフーン級戦略原潜アルハンゲリスクとセヴェルスターリの解体は未だ決定されていない]
[ロシア海軍のタイフーン級戦略原潜アルハンゲリスクとセヴェルスターリの解体に関する決定は保留されている]
今回の記事に登場する「ロシア造船業界の匿名希望の情報提供者」によると、『ロスアトム』は、2020年以降に「アルハンゲリスク」と「セヴェルスターリ」を解体する意向のようです。
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