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ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は2020年に始まる


『タス通信』より
2018年1月29日13時18分配信
【情報筋:重巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の近代化は2020年に始まる】
モスクワ、1月29日/タス通信

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の修理と近代化は、2020年の同型艦「アドミラル・ナヒーモフ」の最終作業までには始まる。
『タス通信』ロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「ピョートル・ヴェリキーの修理は、遅くとも2020年には始まります。
その近代化は4年から5年は掛かるものと予測され、これはナヒーモフよりは2倍早いでしょう。
私達は、必要な資金供給を受けられる機会に恵まれる事を期待しております」

対談者は話した。

同時に、『統合造船業営団』(『セヴマシュ』が加入している)総裁アレクセイ・ラフマノフは、『タス通信』特派員の質問に答え、巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の修理期間の変更の可能性についてコメントした。
「私は、そのような情報を持っておりません」

『タス通信』への防衛産業企業体の情報提供者によると、当初、「ピョートル・ヴェリキー」の近代化の開始は、海軍が、このクラスの艦1隻を就航させておく事を望んでいた為、「アドミラル・ナヒーモフ」の最終作業の後に計画されていた。
「しかし、ナヒーモフの作業が遅れている事に関連し、そのような機会は2022年まで到来しないでしょう。
北方艦隊旗艦の稼働リソースは、この時期まで航行できるだけのものは有りません」

情報提供者は説明した。

[勤務と近代化の歴史]
重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト1144
及び11442(コード名「オルラン」)は、ソヴィエト社会主義共和国連邦及びロシアで1974年から1998年まで建造され、海軍には、このような艦が4隻引き渡された。
最初の2隻は、1990年代には海軍の戦闘編制から除かれた。
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シリーズの3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」(旧「カリーニン」)は、1997年に保管状態となった。
2013年春、『北方機械製造事業』(アルハンゲリスク州セヴェロドヴィンスク市)の協力により、その修理及び近代化の契約へ署名され、2014年秋には巡洋艦は乾ドックへ設置された。

2017年12月末にラフマノフが伝えたように、更新された「ナヒーモフ」海軍への引き渡しは2021年に計画されている。
彼によると、高度な近代化は「新たな艦の建造に匹敵します」

第4の巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(旧「ユーリー・アンドロポフ」)の修理開始時期は、以前には言及されていなかった。

『タス通信』への防衛産業企業体の情報提供者によると、近代化の際にプロジェクト11442巡洋艦は新たなミサイル「オーニクス」及び「カリブル」、そして極超音速の「ツィルコン」(古い「グラニート」の代替として)での再武装がが計画されている。
更に、艦には現代的な高射ミサイル複合体、通信システム、広報システム、居住保障システム、その他の設置が予定されている。

重巡洋艦プロジェクト11442は、ロシア海軍で最も大きな水上艦の1つであり、その全長は250メートル、満載排水量は26000トン以上である。
艦の基礎兵装は、超音速対艦ミサイル「グラニート」の20基の発射装置である。
艦の航続距離は、核動力装置を使用している事を考慮し、無制限である。
ロシアアメリカ合衆国は、このようなクラスの艦を海軍で保有する唯一の国である。



[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]
[ロシア海軍は今後も巡洋艦を維持する]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは17歳になった]

現在、セヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所では、プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の大規模な近代化改装が行なわれています。
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[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2021年までの完了が予定されている]

「アドミラル・ナヒーモフ」に続いて同型艦「ピョートル・ヴェリキー」(1998年4月18日就役)も近代化改装が行なわれます。
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「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は2021年の完了が予定されています。

以前には、「ピョートル・ヴェリキー」の近代化改装の開始は、「アドミラル・ナヒーモフ」の工事完了後に予定されていました。
この場合、2022年頃になりますが、今回の記事に登場する「ロシア防衛産業企業体の匿名希望の情報提供者」によると、「ピョートル・ヴェリキー」は、その時期まで稼働できないとの事です。
おそらくは、この頃には核燃料の寿命が尽きるのでしょう。

そこで、未だ「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装工事が完全に終わっていない2020年に「ピョートル・ヴェリキー」の近代化改装工事を開始するという話が出てきました。

「ピョートル・ヴェリキー」の近代化改装には4~5年掛かるとの事ですから、改装を終えて復帰するのは2025年頃になるようです。


「ピョートル・ヴェリキー」は、2016年10月から2017年2月まで重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と共にシリア沖への遠征を行ないました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2017年7月30日の「ロシア海軍の日」にはクロンシュタットの観艦式に参加しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]


2017年9月には北方艦隊の演習へ参加し、対艦ミサイル「グラニート」を発射しています。

[ロシア海軍北方艦隊の水上艦と原子力潜水艦はバレンツ海で超音速対艦ミサイルを発射した]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海の演習で対艦ミサイルを撃墜した]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]
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