ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は2018年2月末に完了する

『タス通信』より
2018年1月31日16時51分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家受領試験は(2018年)2月に完了する】
カリーニングラード、1月31日/タス通信
2017年12月末に中断を余儀なくされたプロジェクト11711大型揚陸艦のトップ「イワン・グレン」の国家受領試験は、(2018年)2月の再開と完了が計画されている。
『タス通信』は、同艦を建造している沿バルト造船工場『ヤンターリ』の広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。
「大型揚陸艦イワン・グレンの国家試験の完了は2月末に計画されています。
その後、工場へ検査、最終仕上げの為に到着し、御客様への艦の御引き渡しの準備が完全に整います。
イワン・グレンの艦上へ(ロシア海軍)旗が掲揚されるのは、今年の第1クオーター(1月~3月)になるでしょう」
彼は話した。
(2017年)12月26日、大型揚陸艦「イワン・グレン」の仕事を行なっている国家受領委員会の議長は、艦の国家受領試験の中断を決定した。
広報秘書官が、同社のプロジェクト管理ディレクターのローマン・フェヂュニンの談話を引用して説明したように
「これは、試験実施中に幾つかの問題点が明らかとなり、それを除去する為の然るべき時間が必要であると御客様が判断された事に関連しております」
「海軍の管理下で作成された問題点の提示及び解決へ取り組む為の専門家グループは、その作業を2月前半に完了します。
その後、国家受領試験が再開され、その中でイワン・グレンは更に数回海へ出ます」
ミハイロフは指摘した。
「イワン・グレン」はプロジェクト11711のトップ艦であり、『ネフスキー計画設計局』により開発された。
それは沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月に起工され、2012年5月に進水した。
工場航行試験は2016年6月に始まった。
2017年11月30日、大型揚陸艦「イワン・グレン」は、国家受領試験プログラムの実行を開始する為、バルト海へ出航した。
艦は、13両の戦車、36両の装甲兵員輸送車あるいは歩兵戦闘車、300名の揚陸隊員を収容する。
指定場所へ強化された標準装備の海軍歩兵中隊を送り届け、ポンツーンにより上陸させる能力が見込まれている。
艦の兵装は、口径30mmの6銃身自動砲から成り、甲板の格納庫には2機の輸送戦闘ヘリコプターKa-29が駐留する。
[新型揚陸艦イワン・グレン]

プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]
進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]
ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]
「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]
「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]
6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]
6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]
6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]
8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。



その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]
フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」はバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]
しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。
「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。
「イワン・グレン」は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。

そして2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動しました。

2017年6月上旬から洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]
その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。
7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]
その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海でAK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】
10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】
11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】
その後、国家受領試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】
12月22日までにバルト海で30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲と30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】
「イワン・グレン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、艦の後進の制御に問題が有る事が判明した為、またもや引き渡しが延期されました。
[最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年春以降になる]
「イワン・グレン」の国家受領試験は2018年2月に再開され、同月中の完了が予定されています。
その後、カリーニングラード造船所へ戻り、ロシア海軍へ引き渡す為の準備が行なわれます。
順調に行けば、「イワン・グレン」は2018年3月末までにロシア海軍へ就役できるでしょう。

2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]
その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される]
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