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ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ツェーザリ・クニコフはシリアへ行く

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年2月1日14時9分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」は地中海の海軍連合部隊へ補充される】

黒海艦隊大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」は、セヴァストーポリから地中海への移動航海を行なっている。

明日(2月2日)、黒海海峡を通過した後、艦は、現在、「アドミラル・グリゴロヴィチ」を含め、黒海艦隊の15隻の戦闘艦及び支援船が活動している遠海ゾーンの海軍常設連合部隊への加入が計画されている。

大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」は、計画ローテーションに沿ってグループの一員である黒海艦隊大型揚陸艦「アゾフ」と交代し、地中海ロシア海軍連合部隊の活動計画の下で任務を遂行する。



ロシア黒海艦隊プロジェクト775大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(158、1986年9月30日就役)は、2013年7月から2014年11月までブルガリアヴァルナ艦船修理工場でオーバーホールが行なわれました。
(ブルガリア旧ソヴィエト連邦時代の債務の返済の一環として)
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ツェーザリ・クニコフはブルガリアでの修理を完了した]

復帰後は、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に就いています。
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2017年には、計9回の「シリア・エクスプレス」へ従事した事が確認されています。
(ロシア海軍当局からの公式発表が無くとも、ボスポラス海峡を南下すればシリアへ向かい、北上すれば黒海沿岸ロシア海軍基地へ戻っている)

・1月26日にボスポラス海峡を南下、2月3日に北上
・2月18日にボスポラス海峡を南下、2月27日に北上
・4月16日にボスポラス海峡を南下、4月28日に北上
・5月6日にボスポラス海峡を南下、5月15日に北上
・5月22日にボスポラス海峡を南下、6月2日に北上
・7月10日にボスポラス海峡を南下、7月22日に北上
・9月20日にボスポラス海峡を南下、9月29日に北上
・10月14日にボスポラス海峡を南下、10月29日に北上
・12月27日にボスポラス海峡を南下


2017年12月27日にボスポラス海峡を南下した「ツェーザリ・クニコフ」は、翌2018年1月9日にボスポラス海峡を北上して黒海へ戻っています。

そして2018年2月1日、「ツェーザリ・クニコフ」ボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
今回の黒海艦隊広報部発表では触れられていませんが、無論、「シリア・エクスプレス」へ従事しているのでしょう。


現在、地中海東部には、以下の艦船を含めた15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(黒海艦隊):2017年12月2日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベッツ」(黒海艦隊):2017年11月3日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦SSV-520「アドミラル・フョードル・ゴロヴィン」(バルト艦隊):2017年末から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(黒海艦隊):2018年2月1日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(北方艦隊):2018年1月22日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊):2018年1月17日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
軍用輸送船「クズル-60」(黒海艦隊):2018年1月26日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムールイ」(黒海艦隊):2018年1月28日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船「シャフテル」(黒海艦隊):2017年11月3日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」(バルト艦隊):2017年12月10日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
水路調査船「ドヌズラフ」(黒海艦隊):2017年11月19日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-56(黒海艦隊):2017年10月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

この内、黒海艦隊大型揚陸艦「アゾフ」は、「ツェーザリ・クニコフ」と交代して地中海を離れるようです。
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