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最新大型揚陸艦イワン・グレンは2018年5月末頃にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月9日15時28分配信
【(ロシア)海軍は大型揚陸艦「イワン・グレン」を春の末に受領する】
モスクワ、2月9日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト11711大型揚陸艦のトップ「イワン・グレン」は、春の末にロシア連邦海軍へ引き渡される。
金曜日、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ語った。

「待つのは、言わば、ほんの一瞬です。
課題に関する基本的な決定は採択されており、全ての必要な試験、これらはすべて完了します。
私が思いますに、春の末には、我々は、これらの作業をすべて完了させている事でしょう」

彼は話した。

以前、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』が、大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家受領試験は2月末に完了するという情報を公表した事が知られるようになった。
海軍は、この艦を昨年末には受領している筈だった。

大型揚陸艦「イワン・グレン」プロジェクト11711のトップ艦であり、『ネフスキー計画設計局』により開発された。
それは2004年12月に起工され、2021年5月に進水し、係留試験は2015年10月に始まった。
艦の工場航行試験は2016年6月に始まった。

国家受領試験プログラムは、2017年11月30日にバルト海で始まった。
ロシア連邦国防省の発注下で工場『ヤンターリ』は、もう1隻の同プロジェクト艦~大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」を建造している。

プロジェクト11711大型揚陸艦は、ソヴィエト及びロシア海軍で10数隻が姿を見せていたプロジェクト1171大型揚陸艦の発展型である。
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その上部構造物の大部分は著しく変化している。

プロジェクト11711大型揚陸艦は、揚陸部隊の上陸、軍用車両及び機器の輸送の為に意図されており、300名までの海軍歩兵、36両の装甲兵員輸送車或いは13両の戦車を移送できる。
艦は輸送揚陸ヘリコプターを装備する。

プロジェクトは、ポンツーン装置を使用して無防備の海岸へ接触せずに艦から揚陸部隊と車両の上陸を実現する世界で唯一のものである。



[新型揚陸艦イワン・グレン]
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プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
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その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]

フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]

しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。

「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。

「イワン・グレン」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。
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2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動し、6月上旬に洋上試験を再開しました。

[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]

その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。

7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海AK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】

10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】

11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】

その後、国家受領試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】

12月22日までにバルト海30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】


「イワン・グレン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、艦の後進の制御に問題が有る事が判明した為、またもや引き渡しが延期されました。
[最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年春以降になる]

「イワン・グレン」国家受領試験は2018年2月に再開され、同月中の完了が予定されています。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は2018年2月末に完了する]

まず初めに、バルト艦隊航空隊艦載ヘリコプターKa-27の着艦試験が行なわれます。
[バルト海でロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験が再開される]

全ての試験完了後、「イワン・グレン」カリーニングラード造船所へ戻り、ロシア海軍へ引き渡す為の準備が行なわれます。

「イワン・グレン」ロシア海軍への引き渡しは、今年の春の末になるとの事ですから、おそらくは5月末くらいでしょう。


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2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される]
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