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ロシア海軍の為の新世代空母の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開始される

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月8日配信
【国家軍備プログラムで新たな航空母艦の為の作業の定義が規定される-統合造船業営団】
ソチ、2月8日、インタファクス-AVN

『統合造船業営団』は新たな航空母艦の作成の為の作業を率先して行ない、これは2018~2027年の国家軍備プログラムにおいて規定される。
『インタファクス』『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフより伝えられた。

「作業の定義は、その方向で規定されます。
私達が間に合えるように行なうかどうか、私達が計画期間の枠組みにおいて実行するかどうかという我々にとっての問題は未解決です」
アレクセイ・ラフマノフ
は、国家軍備プログラムにおいて新たな航空母艦の建造は規定されているのかどうかという質問に答え、こう話した。

「私達が率先し、これらの作業を進めます。
このような種類の艦の必要性は、疑いなく存在している事を理解していますから」
『統合造船業営団』
総裁は付け加えた。

同時に彼は、航空母艦の建造の最終決定は、ロシア軍の責任の範囲にある事を強調した。
「軍事ドクトリンに沿った具体的な海洋機器の種類に関する要求の問題、これは参謀本部と海軍の仕事です」
アレクセイ・ラフマノフ
は話した。

『インタファクス』が伝えたように、『クルイロフ国立研究センター』は、将来航空母艦の概念設計~プロジェクト「シトルム」を開発している。
将来航空母艦は、未だ模型でのみ存在している。
艦のコンセプトは、『クルイロフ研究センター』(サンクトペテルブルク)『ネヴァ川計画設計局』と共同で開発している。
艦の全長は330メートル、幅40メートル、吃水11メートル。
航空母艦の速力は30ノットに達し、それは90機までの航空機及びヘリコプターを搭載する。

2017年3月初頭、ドミトリー・ロゴージン副首相『インタファクス』のインタビューに対し、ロシア防衛産業企業体は、然るべき決定が下された場合、海軍の為の新たな航空母艦を建造する用意があると語った。



[ロシア将来航空母艦]

ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。

ロシア海軍向けなどの艦船の形状を研究する『クルイロフ国立科学センター』は、将来空母の概念設計案「シトルム」を作成しています。
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]

この概念設計案をベースにして、5万トンから8万5千トンまでの3種類の設計案(軽空母、中空母、重空母)がロシア海軍へ提示されています。

重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t)

建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]

将来航空母艦の最終設計案は2020年以降に固められます。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]
[新型原子力空母の建造はロシア海軍の将来計画に含まれている]

2016年11月~2017年1月には重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」シリア軍事作戦へ参加していますが、この時の経験も将来航空母艦の設計に取り入れられます。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフのシリア遠征の経験は同艦の近代化改装と新たな空母の建造へ生かされる]
[正規空母アドミラル・クズネツォフを中核とする空母機動部隊のシリア遠征の経験はロシア海軍の新型艦の設計と建造へフィードバックされる]


2017年7月、ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフ氏は、ロシア海軍の将来の「航空巡洋艦」は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラムの終わりに建造が開始され、更に、その搭載機として、『ヤコブレフ』社による新世代VSTOL艦上戦闘機の開発が検討されていると発言しました。
[ロシア海軍の将来空母はVSTOL空母になるかもしれない]

2017年7月下旬、ロシア海軍航空隊司令官イーゴリ・コジン少将は、新たな国家軍備プログラムにおいてロシア海軍将来空母の為のVSTOL戦闘機の開発が始まると述べました。
[ロシア海軍の将来空母の為のVSTOL艦上戦闘機が開発される]

2017年11月下旬、ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフ氏も、新たなVSTOL戦闘機の開発計画が有ると述べました。
(つまり、「検討」の段階は終わり、開発が決定した)
[ロシア海軍の為の新たなVSTOL艦上戦闘機が開発される]

ヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機を搭載する事になる将来空母が、8万トン級重空母6万トン級中空母になるとは考えられないので、実際に建造される新空母は、軽空母になる可能性が高いでしょう。

以前に将来空母概念設計(シトルム)を作成した『クルイロフ国立科学センター』は、今度は30000~40000トン級の軽空母の概念設計案を作成します。
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を作成する]

2017年11月下旬、ロシア連邦海軍副総司令官(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク中将は、将来空母の建造は2023年~2028年の開始が計画されていると述べました。
[ロシア海軍の新世代空母の建造は2023年~2028年に開始される]
2018年からスタートする新たな国家軍備プログラムは、以前には「2018年~2025年の国家軍備プログラム」と呼ばれていたのですが、最近になって「2018年~2027年の国家軍備プログラム」に変更されて10ヶ年計画となったので、その後半~末期に建造を開始するという事でしょう。


現在の所、将来空母の艦載機として開発が決定しているのはヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機のみですが、この他に、べリエフによる艦上早期警戒機の自主設計プランが存在します。
[べリエフは艦上早期警戒機の特許を登録した]

旧ソ連邦時代に計画されたプロジェクト114342重航空巡洋艦(改「バクー」型)は、VSTOL戦闘機Yak-41(141)と通常の早期警戒機Yak-44Eを搭載する「空母」であり、ソ連国防省からも建造は承認されていたのですが、更に大型化してCTOL戦闘機を搭載するプロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)が建造される事になった為、ペーパープランで終わりました。
project114342.jpg

或いは、将来、このコンセプトがロシア海軍で復活する事になるかもしれません。
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