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空母アドミラル・クズネツォフはオーバーホールを終えた

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は戦闘勤務へ出発する】
2012年8月23日

株式会社「艦船修理センター"ズヴェズドーチカ"」ムルマンスク支所は、北方艦隊プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」の機器準備状態の回復作業を完了した。
8月23日(木曜日)、艦は海軍へ引き渡され、戦闘勤務の為に出発する。


航空母艦(計画時の名前は「ソヴィェツキー・ソユーズ」)は、黒海造船工場において「リガ」の名前で1982年9月1日に起工され、「レオニード・ブレジネフ」の名前で1985年12月4日に進水し、1987年8月11日に「トビリシ」と改名された。
1990年10月4日、「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」と改名された。
1991年1月20日に北方艦隊の編制へ加わった。

[戦術-技術特性]
速力:29ノット
自立行動期間:45日
乗組員:1960人
蒸気タービン出力:50000馬力×4
タービン発電機出力:1500キロワット
ディーゼル発電機出力:1500キロワット×6

[寸法]
全長:302.3メートル
吃水線の長さ:270メートル
幅:72.3メートル
吃水線幅:35.4メートル
吃水:9.14メートル
基準排水量:43000トン
満載排気量:55000トン
最大排水量:58600トン

[兵装]
航空母艦は、ミサイル発射装置(12基の対艦ミサイル「グラニート」と60基のロケット「ウダフ-1」)、高射ミサイル複合体「キンジャール」(ミサイル192発、発射装置24基)及び「カシターン」(ミサイル256発)を有する。

甲板上には、24機の多用途ヘリコプターKa-27と12機の艦上戦闘機Su-27Kが配置されている。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]

記事中の「機器準備状態の回復作業」というのは、要するにオーバーホールの事です。

艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」ムルマンスク支所とは、ムルマンスク市郊外の第35艦船修理工場「セヴモルプーチ」を指しています。
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ムルマンスク周辺には幾つかの艦船修理工場が在りますが、現在、これらの工場は、セヴェロドヴィンスク艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」の傘下に入っているようです。

「アドミラル・クズネツォフ」は、2010年6月から9月に掛けてオーバーホールを行なっています。
今回のオーバーホールは、ほぼ2年ぶりになります。

「アドミラル・クズネツォフ」は、2011年12月6日に大西洋地中海への遠距離航海へ出航し、2012年2月16日に帰港しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ地中海遠征2011-2012]

この間、2012年1月8日にはシリアタルトゥースへ入港しています。
[ロシア空母「アドミラル・クズネツォフ」、シリアに入港]


2012年7月29日のロシア海軍記念日には、セヴェロモルスクの観艦式にインド空母「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)と共に参加しました。

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「アドミラル・クズネツォフ」は、以前から近代化改装の話が度々出ています。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]

以前は2012年から5年掛けて近代化改装を行なうと言われていましたが、今回、オーバーホールが実施されたので、今年どころか、来年(2013年)から近代化改装に着手される可能性も低くなりました。


ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督は、7月末の記者会見で「アドミラル・クズネツォフ」近代化に言及しています。

『アルムス-タス』より
2012年7月26日15時57分配信
【海軍総司令官は近い将来のロシア海軍の発展を展望する】

チルコフ提督は、こう述べています。
「2020年までの近代化プログラムが存在します。
この枠内で航空巡洋艦は新たな航空機MiG-29Kを受け取ります」


『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年7月27日10時00分配信
【ヴィクトル・チルコフへのインタビュー】

こちらでは、こう述べています。
「私共の唯一の航空母艦アドミラル・クズネツォフは、2020年までの国家軍備プログラムにより近代化される計画です。
この為に、新たな戦闘機MiG-29Kが購入されます」



「アドミラル・クズネツォフ」の近代化は、搭載機の近代化がメインのようです。

[艦上戦闘機MiG-29K/KUB(旧ブログ)]
[ロシア海軍は2013年から艦上戦闘機MiG-29Kを受領する]
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