ロシア海軍の新世代航空母艦はセヴェロドヴィンスク造船所(セヴマシュ)とサンクトペテルブルク北方造船所が協同で建造する
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月21日16時18分配信
【『セヴマシュ』と『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)は新たなロシアの航空母艦を建造できる】
モスクワ、3月21日-ロシア通信社ノーボスチ
新たなロシアの航空母艦を建造できる企業は1つでは無く、『セヴマシュ』と『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)の協業となる。
水曜日、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ伝えた。
「『セヴマシュ』は、これ(航空母艦の建造)を行なえる事が示されています。
2019年には、我々は『北方造船所』近代化の第1段階を完了します。
言うまでもなく、航空母艦は1つの企業だけで建造されるものでは有りませんが、協業が形成されるのならば、『北方造船所』の生産力を用いる事も含め、モジュール方式で建造されます」
ラフマノフは、新たな航空母艦を建造できる企業は何処かという質問に答え、こう話した。
[ロシア新世代航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]

ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。
現在の所、将来航空母艦は、5万トンから8万5千トンまでの3種類のヴァリエーション(軽空母、中空母、重空母)が検討されています。
重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t)
建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]
将来航空母艦の艦載機は、2019年以降に配備予定のロシア第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型が想定されており、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア海軍将来正規空母は第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型を搭載し、カタパルトとスキージャンプを並行装備する]
[ロシア航空機製造業界は第5世代重戦闘機Su-57の艦上戦闘機型を開発する用意がある]
[ロシア海軍航空隊の為の有人/無人航空機が開発される]
将来航空母艦には、艦載機発進の為のカタパルトが装備されます。
[ロシア海軍の為の将来正規空母はカタパルトを装備する]
将来航空母艦の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている]
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]
将来航空母艦のアイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]
将来航空母艦の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]
将来航空母艦は、2016年6月16日にサンクトペテルブルクの『バルト工場』で進水した新型原子力砕氷船「アルクチカ」(2019年就航予定)と同型の原子炉RITM-200を搭載するようです。
[ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない]

将来航空母艦の最終設計案は2020年以降に固められます。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]
[新型原子力空母の建造はロシア海軍の将来計画に含まれている]
将来航空母艦の建造は2023年~2028年の開始が計画されています。
[ロシア海軍の新世代空母の建造は2023年~2028年に開始される]
[ロシア海軍の為の新世代空母の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開始される]
ただ、2017年7月以降、ロシア海軍の新世代VSTOL艦上戦闘機(ヤコブレフ)を開発するという話が出てきており、最初に建造されるのは、(Su-57艦上戦闘機型を搭載する大型正規空母では無く)VSTOL軽空母になるかもしれません。
[ロシア海軍の将来空母はVSTOL空母になるかもしれない]
[ロシア海軍の為の新たなVSTOL艦上戦闘機が開発される]
以前に将来空母の概念設計(シトルム)を作成した『クルイロフ国立科学センター』は、今度は軽空母(30000~40000トン)の概念設計案を作成します。
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を作成する]
新世代航空母艦を建造する造船所について、以前、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、セヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』の他に、サンクトペテルブルク市の『バルト工場』を挙げていました。
[ロシアの2つの造船所はロシア海軍の為の将来正規空母を建造できる]
[サンクトペテルブルクの造船所はロシア海軍の将来原子力空母の建造に参加できる]
『セヴマシュ』

『バルト工場』

しかし今回、ラフマノフ氏は、新世代航空母艦の建造は『セヴマシュ』と、サンクトペテルブルクの『北方造船所』の協業になると明言しています。
『北方造船所』

『バルト工場』は原子力水上艦船の建造経験が豊富であり(原子力砕氷船、重原子力ロケット巡洋艦、原子力偵察艦を建造)、かつてロシア海軍がフランスへ発注した「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦2隻の船体の半分を建造した経験もあり、新世代航空母艦を建造する造船所の有力候補でした。
しかし『バルト工場』には、ロシアの北極圏で運用される原子力砕氷船の建造という重要な仕事が有ります。
(現在は新世代原子力砕氷船「アルクチカ」型を建造中)
原子力砕氷船は『バルト工場』以外の造船所で建造する事は出来ないので、同社は原子力砕氷船の建造に専念させる事になったようです。
今回の記事でも触れられていますが、『北方造船所』は近代化を進めており、全長250メートル、幅70メートルの乾ドックが2ヶ所建設され、その完成は2019年末に予定されています。
[サンクトペテルブルク市の北方造船所は2019年末以降にロシア海軍の為の汎用揚陸艦プリボイ級と新世代駆逐艦リデル級を建造できる]
新ドック完成後、『北方造船所』は、「セヴァストーポリ」型汎用ヘリコプター母艦や原子力駆逐艦「リデル」級の建造に着手します。
新ドックが完成すれば、ロシア海軍の新世代航空母艦を丸ごと1隻建造する事は出来なくとも、船体の一部を建造する事は可能になるでしょう。
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