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ロシアとウクライナは艦上機訓練施設ニートカ使用協定を改訂した

2012年8月20日、ウクライナキエフ市において、ロシア連邦国防相アナトーリー・セルジュコフウクライナ国防相ドミトーリー・サラマチンは、ウクライナクリミア半島サキ飛行場に在る艦上航空機訓練複合体「ニートカ」使用に関する契約の改訂文書に署名しました。
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[地上試験・訓練複合体「ニートカ」]
[サキ飛行実験センター(ニートカ)]
[Нитка(ニートカ)~知られざる旧ソ連の蒸気カタパルト開発の経緯~]
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年8月20日13時38分配信
【ロシア連邦及びウクライナは訓練場「ニートカ」に関する協定の内容を変更した】

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
2012年8月22日配信
【ロシアとウクライナはクリミア飛行場の為の現金支払いに移行する】


ウクライナ国防相ドミトーリー・サラマチンは、改訂契約への署名後、こう述べました。
「この文書への署名は、ロシア艦上航空隊飛行士への訓練サービスを提供するに当たり、現金での支払いを可能とし、更には、使用できる航空機の種類制限を撤廃します」
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以前の「ニートカ」使用協定(1997年2月に締結)では、ロシアは、「ニートカ」の使用料(年間約70万ドル)を、ウクライナが保有する「Su」(スホーイ)タイプの航空機のスペアパーツの(無償)提供という形で支払う事とされており、更には、「ニートカ」を使用できるのは、「Su」(スホーイ)タイプの航空機だけという制限が有りました。

つまり、Su-33艦上戦闘機Su-27KUB艦上戦闘機Su-25UTG艦上練習機の3機種しか「ニートカ」を使用できなかったのです。

以前の協定内容では、ロシア海軍へ新たに導入されるMiG-29K/MiG-29KUB艦上戦闘機も、「ニートカ」を使用できないという事になります。

今回の契約改定により、この制限は撤廃されました。
第3国の「ニートカ」使用も可能となりました。
具体的には、インド中国「ニートカ」の使用を望んでいるようです。

「ニートカ」НИТКАは、"Научно-Испытательный Тренажер Корабельной Авиации"(艦上航空隊練習試験トレーナー)の略です。
元々は、1970年代に計画されたプロジェクト1153重原子力航空巡洋艦の為の各種航空艤装(蒸気カタパルト、着艦フック、航空機管制レーダー)の試験用に作られたものです。
[幻と消えた原子力空母・プロジェクト1153]
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スキージャンプ台「ニートカ」の計画時には存在せず、後から追加されたものです。
この為、「ニートカ」本体から数百メートル離れた場所に在ります。
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現在、黒海沿岸クラスノダール地方エイスク市では、新「ニートカ」の建設工事が進められています。
[ロシアは、2010年に空母パイロット訓練センターの建設を開始する]
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