ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型コルベット"リェーズキー"の非金属複合材料製上部構造物は2018年夏に完成する


『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年3月28日10時28分配信
【コルベット「リェーズキー」は2018年夏に複合材料の上部構造物を受け取る】
『中部ネヴァ川造船工場』は、プロジェクト20380「ステレグーシチー」型コルベットの為の第4の上部構造物を形成する為のガラス繊維強化プラスチック構造物の製造を今夏に完了する。
構造物はコムソモリスク・ナ・アムーレへ向かう。
それは『アムール造船工場』の専門家により運ばれ、コルベット「リェーズキー」へ設置される。
『中部ネヴァ川造船工場』広報サービスは『Mil.Press FlotProm』へ話した。
同社は、上部構造物の建設作業は期限内に完了した事を指摘した。
「以前、『中部ネヴァ川造船工場』は、3つの複合材料上部構造物を『アムール造船工場』へ御引き渡ししております。
これらは、コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"及び2隻~グロームキーとアリダル・ツィジェンジャポフの為に完全に形成されました」
広報サービスは付け加えた。
アムールの艦が受け取った最後の2つの上部構造物は、構造図に基づいて組み立てが準備された。
「ソヴェルシェーンヌイ」の上部構造物の作業時、『アムール造船工場』の専門家は『中部ネヴァ川造船工場』でガラス繊維強化プラスチックの製作の研修を行なった。
極東の艦の技術の取得は、『中部ネヴァ川造船工場』の実物大の複合材料の製造の発展の為に使用される。
『海洋複合材料造船』社の技術ディレクター、ワレリー・メレティフによると、ガラス繊維強化プラスチック構造物の製造を軌道に乗せるのは、大規模な企業でも1年半~2年は掛かるだろう。
『中部ネヴァ川造船工場』と『アムール造船工場』は、海軍の為の大規模な複合材料構造物の建設が可能な2大企業となるだろう。
2018年2月、『アムール造船工場』は、プロジェクト20380コルベットを、6隻では無く4隻だけ建造する事が知られるようになった。
艦の数の削減は、このクラスの艦の建造に関する海軍の新たな優先順位、造船所及び構成企業への資金供給の減少により引き起こされた。
現在、ロシア極東方面のコムソモリスク・ナ・アムーレ市の『アムール造船工場』では、太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの建造が進められています。

1隻目の「ソヴェルシェーンヌイ」(2006年6月30日起工、2015年5月22日進水)は、2017年7月20日に就役しました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレで建造された最初の新世代コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2隻目の「グロームキー」(2012年4月20日起工、2017年7月28日進水)は、2018年末の就役が予定されています。
[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]
3隻目の「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は2015年7月22日に起工され、2019年の就役が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20380コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はコムソモリスク・ナ・アムーレで起工された]
4隻目の「リェーズキー」は2016年7月1日に起工され、2020年の就役が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]

プロジェクト20380コルベットの上部構造物(艦橋、煙突周辺、ヘリコプター格納庫)はガラス繊維強化プラスチックの真空一体成型により製造されており、現在の所は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』のみで製造されています。

『アムール造船工場』で建造されるプロジェクト20380コルベットの場合、『中部ネヴァ川造船工場』で製造した上部構造物を極東に在る同社まで運ぶ必要があります。
1隻目の「ソヴェルシェーンヌイ」の上部構造物は、2012年10月に『アムール造船工場』へ到着しました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]
現在までに、『アムール造船工場』には3隻目の「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」までの上部構造物が届けられています。
そして2018年夏には、4隻目の「リェーズキー」の上部構造物が到着する予定です。
今後は、『アムール造船工場』でもガラス繊維強化プラスチックの真空一体成型が行なわれる事になります。
(『アムール造船工場』の技術者が『中部ネヴァ川造船工場』へ派遣され、真空一体成型の技術を学んだ)
[ロシア海軍の為のプロジェクト12700対機雷防衛艦(掃海艦)は極東(コムソモリスク・ナ・アムーレ)でも建造される]
『アムール造船工場』で、これ以上プロジェクト20380コルベットを建造する計画は有りませんが、ガラス繊維強化プラスチック製船体のプロジェクト12700掃海艦や、20380の拡大発展型であるプロジェクト20386コルベットなどが今後建造される事は有り得るでしょう。
[プロジェクト12700アレクサンドリト掃海艦]
[プロジェクト20386コルベット(ジェルズキ―型)]
この他にも、将来に建造される新世代航空母艦や原子力駆逐艦「オルロフ-チェスメンスキー」型の上部構造物もガラス繊維強化プラスチック製になる可能性が高く、ロシア海軍の非金属複合材料の需要は、将来的には増加します。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級の上部構造物は非金属複合材料で造られるかもしれない]
将来的には『中部ネヴァ川造船工場』だけでは需要を賄いきれなくなる可能性が高く、この為、『アムール造船工場』にも非金属複合材料の製造技術を身に着けさせるのでしょう。
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