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ロシア海軍航空隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3は地中海南東部で潜水艦探知演習を行なった


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月29日9時0分配信
【対潜航空機Tu-142は地中海南東部の演習で仮想敵潜水艦の捜索を行なった】
モスクワ、3月29日、インタファクス-AVN

ロシア海軍航空隊の部隊は、冬季研修期間の戦闘訓練計画活動中に潜水艦を捜索、探知する戦術飛行演習を実施した。
木曜日、『インタファクス』ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部より伝えられた。

「対潜航空機Tu-142はロシア連邦領内の飛行場の1つから離陸し、地中海南東部で潜水艦の捜索、探知、分類の課題へ取り組みました」
対談者は指摘した。

国防省によると「指定海域で航空機乗員は電波位置特定機及び水中音響ブイを複合使用する訓練を行ない、更には分析を受信し、情報を転送しました」

「全ての任務は、地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊の艦との綿密な連携して遂行されました」
声明では、こう述べられた。

「演習へ関わった航空機の戦闘機航空隊による援護は、ロシア海軍航空隊の戦闘機Su-30SM乗員により行なわれました」
彼は指摘した。

Tu-142は、遠距離対潜航空機/海洋哨戒航空機である。
航空機は、A.N.ツポレフ記念試作設計局が開発した。
NATOコード名は「ベア-F」である。
航空機Tu-142の前部気密キャビンは2階である。
頭頂部は乗員の為に割り当てられ、大部分の兵装は、下方の3つの専門セクションに在る。

胴体中部は2個兵装セクションで占められ、目標の捜索及び撃破の為の手段がある(電波ブイ、魚雷、ミサイル、機雷、爆弾及び他の兵器)。
燃料タンクは第2兵装セクションの下に在る。
後部気密キャビンには2連装機関砲AM-23が装備されている。

Tu-142の実際の航続距離は12500km、戦闘行動半径6400km。
電波位置測定ブイRGB-75は超低周波音域で動作し、活動距離は5kmまでである。
潜水艦の探知の為、航空機Tu-142は、このブイを投下する。
水中聴音機の設定深度は150m、転送アンテナは水面の上に在る。
RGB-75ブイの活動ゾーンへ外国の潜水艦が進入すると、転送アンテナを通して航空機へ信号を送る。
次にTu-142は、ブイが潜水艦を探知した場所で、潜水艦の進路、速力、潜航深度といった目標の明らかにされた動向の数値を定める為、捕捉のバリアを置く。
更に航空機は、潜水艦の追尾か、、あるいは機上の航空魚雷もしくは対潜ミサイルを使用して破壊を行なう。

現在、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊には、黒海艦隊の2隻のプロジェクト636.3潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」が居る。



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現在、ロシア海軍航空隊遠距離哨戒機Tu-142(航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95の海軍型)は、北方艦隊に12機、太平洋艦隊に12機が在籍しています。
北方艦隊所属機はキぺロヴォ太平洋艦隊所属機はカーメニ・ルチェイに配備されています。

今回、ロシア国防省は、地中海南東部で演習を行なったTu-142の所属を明らかにしていませんが、間違いなくキぺロヴォ基地に駐留する北方艦隊の機体でしょう。
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現在、地中海東部には少なくともロシア海軍潜水艦2隻~「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」が滞在しているので、この2隻を「敵役」にして演習を行なったようです。

遠距離哨戒機Tu-142M3は、2016年6月初頭にも地中海東部へ進出した事が有ります。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142M3はシリア上空で目撃された]
[シリア上空で目撃されたロシア海軍航空隊の長距離哨戒機Tu-142M3は、地中海で警備艦アドミラル・グリゴロヴィチと合同演習を行なっていた]

なお、今回、地中海南東部で演習を行なったTu-142M3は、「ロシア海軍航空隊」多用途複座戦闘機Su-30SMにより援護されたとの事です。
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[多用途複座戦闘機Su-30SM]

現在、Su-30SM黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊に配備されていますが、ロシア国内の基地から発進して地中海南東部へ行ったとは考えられないので、ロシア海軍航空隊Su-30SM(おそらくは黒海艦隊所属機)もシリアフマイミーン飛行場(ラタキア)へ進出しているようです。
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現在、地中海東部には、以下の艦船を含めた約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年3月14日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊):2018年3月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
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