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ロシア海軍バルト艦隊旗艦・戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は就役25周年を迎えた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦軍バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
2018年3月31日11時13分配信
【バルト艦隊旗艦・戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」25周年】

バルチースク軍港で、戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」への海軍旗初掲揚の日から25年目に捧げる祝賀行事が開催された。

艦の誕生日に捧げる祝賀行事は、乗員の隊列による聖アンドレイ旗及び満艦飾の掲揚で始まった。
功績ある将兵を報奨する艦長の指示書が読み上げられた。

近い内に同艦の乗組員は、錬成任務K-2の要素へ取り組む為の出航を準備する。
バルト艦隊の海上射爆場で「ナストーイチヴイ」乗組員には、砲及びミサイル射撃の実施、対空防衛演習の実施、更には、対潜任務への取り組みが控えている。

戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は、1993年にロシア海軍の戦闘編制へ加入し、それから数ヶ月を経て、同艦はロシア海軍の歴史上初めてキール運河の通行を行なった。

戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は、再三に渡り、砲撃及び戦術訓練において海軍の最優秀賞を獲得した。
1996年及び1997年に同艦はロシア最良の水上艦と認定された。

1996年7月、同艦は国際海軍演習『バルトップス-96』へ参加した。
1997年2月~4月、同艦は遠距離航海を行ない、総計で20000海里を航行した。

戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は、ケープタウン及びサイモンズタウンでの南アフリカ共和国海軍創設75周年祝賀行事へロシア海軍を代表して参加した。
バルト艦隊の戦闘編制に在る間、戦隊水雷艦は80000海里以上を航行し、海上に2年以上滞在した。



プロジェクト956A戦隊水雷艦「モスコフスキー・コムソモーレッツ」は、1988年4月7日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)『A.A.ジダーノフ記念工場』(現『北方造船所』)で起工され、1991年1月19日に進水しました。
1992年2月15日に「ナストーイチヴイ」と改名され、同年10月から11月までバルト海で洋上試験が行なわれました。
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1992年12月30日にロシア海軍へ納入され、翌1993年3月27日にロシア海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
就役と同時にバルト艦隊旗艦に指定されました。

就役から3ヶ月弱の1993年6月16日にキール運河を通過し、6月19日から26日までドイツキール市を訪問し、同市で開催されていたイベント『キール週間』へ参加しました。
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1994年7月4日から24日までフランスルーアン及びル・アーヴルを訪問しました。

1995年4月30日から7月20日までドック修理を行ないました。

1996年6月23日にはロシア大統領ボリス・エリツィンが訪れました。
1996年6月6日から17日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-96』へ参加し、10月10日から13日までフランスシェルブールを訪問しました。

1997年2月17日に遠距離航海へ出発し、3月15日から18日までアラブ首長国連邦アブダビで開催された国際兵器展示会『IDEX-1997』へ参加しました。
4月2日から6日まで南アフリカ共和国サイモンズタウン及びケープタウンを訪問し、南アフリカ共和国海軍創設75周年記念式典へ参加し、ネルソン・マンデラ大統領の訪問を受け、4月30日にバルチースクへ帰投しました。

1998年6月8日から19日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-98』へ参加しました。

1999年5月にはカリーニングラード『ヤンターリ』造船所でドック修理を行ない、同年9月21日から11月18日までクロンシュタットへ滞在し、中国へ売却される事になった同型艦の乗組員の研修を行ないました。

2000年2月8日にはドイツ連邦海軍艦隊司令官ディルク・ホルテン中将の訪問を受けました。

2003年6月7日から23日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-2003』へ参加しました。

2005年6月6日から17日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-2005』へ参加しました。
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2008年7月には、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ポーランドを訪問しました。

2009年9月には実地戦略演習『ザーパド-2009』へ参加しました。
[実地戦略演習「ザーパド-2009」と「ラドガ-2009」(2009年9月)]

2011年7月31日にはロシア大統領ドミトリー・メドベージェフの訪問を受けました。
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2015年2月には海上教会が置かれました。

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そして2018年3月27日、戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は就役25周年を迎えました。
更に付け加えると、バルト艦隊旗艦就任25周年でもあります。

最近は海上へ出る機会も少なくなった「ナストーイチヴイ」ですが、近い内に戦闘訓練の為、バルト海へ出航するようです。


[駆逐艦ソブレメンヌイ型]
[ソブレメンヌイ級全艦リスト]

プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦)は、1981年から1994年に掛けて17隻がソ連/ロシア海軍へ就役しましたが、現在、稼動状態に在る艦は3隻です。
(太平洋艦隊「ブイストルイ」北方艦隊「アドミラル・ウシャコーフ」バルト艦隊「ナストーイチヴイ」)
この3隻の内、最近に遠洋航海を行なっているのは「ブイストルイ」のみです。


稼動艦3隻以外にも、一応は海軍籍に在る艦が3隻(太平洋艦隊「ブールヌイ」、「ベズボヤズネンヌイ」バルト艦隊「ベスパコーイヌイ」)有りますが、「ベズボヤズネンヌイ」は2000年代初頭から予備役保管中、「ブールヌイ」はオーバーホールを中止して予備役編入、「ベスパコーイヌイ」カリーニングラード造船所で博物館へ改装中であり、何れの艦も現役に復帰して海へ出る可能性はゼロです。

同時期に建造された他のロシア海軍水上戦闘艦プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦、プロジェクト1164ロケット巡洋艦、プロジェクト1155大型対潜艦は近代化改装を行ない、2020年代にも現役に留まりますが、プロジェクト956には近代化改装の計画は有りません。
[ロシア海軍は今後も巡洋艦を維持する]
[ロシア海軍のプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ型)5隻は2022年までに近代化改装される]

現在、ロシア海軍の艦船の機関は、ガスタービンエンジンディーゼルエンジンが大半を占めており、燃料は双方とも軽油を使っています。

しかし、プロジェクト956駆逐艦と、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」のみは蒸気タービンエンジンであり、燃料は重油を使っています。
つまり、これらの艦の為にだけ別途に重油を用意する必要が有ります。

実質的には正規空母である「アドミラル・クズネツォフ」は近代化改装を行なって2020年代にも現役に留まりますがプロジェクト956は近代化してまで使い続けるだけの価値は無いとロシア海軍は見ているようです。

もしもプロジェクト956駆逐艦ガスタービン推進艦であったのならば、このような扱いは受けず、近代化改装も行われていたかもしれません・・・
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