ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部(シリア沖)で演習を行なう為にシリアのタルトゥースを抜錨した
- カテゴリ:地中海情勢(2018年)

『ロスビジネスコンサルティング(RBC)』より
2018年4月11日21時36分配信
【ロシア艦のシリアのタルトゥース基地からの出航は衛星に記録された】
衛星から撮影されたビデオによると、ロシア軍用艦はタルトゥース港には居ない。
同港には、「キロ」クラス潜水艦のみが残っていると衛星会社は述べた。
ロシア軍用艦はシリアのタルトゥース港を去った。
これは、衛星記録からの結論であると『イメージ・サテライト・インターナショナル』(ISI)社は示した。
記録映像の1つには、少なくとも7隻の艦が停泊している。
第2の記録では、艦は、その場所には居ない。
「ロシア海軍の大型艦は、シリアのタルトゥース港から姿を消した。
現在、同海軍の多数の艦は、来たるべき攻撃の可能性が故に、海上に展開している。
1隻のキロ級潜水艦のみが残っている」
記録に付随する解説で同社は伝えた。
衛星記録は、テレビ局『フォックス・ニュース』の放送で示された。
NATOが「キロ」級と呼んでいる潜水艦は、ソヴィエト及びロシアの2つの潜水艦シリーズ~プロジェクト877「パルトゥス」及びプロジェクト636「ワルシャワンカ」である。
衛星会社は更に、記録に残されたロシア海軍の艦を列挙した。
その中には、警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(ミサイル「カリブル」を装備)、揚陸艦「ロプーチャ」、貨物船「インシェネル・トルビン」が有る。
同社、この映像が2018年4月1日のものである事を認めた。
水曜日、アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプは、シリア側へミサイルが飛んでいくのでロシアは準備するように呼び掛けた。
アメリカの指導者による威嚇に関連し、ワシントンは、シリアのドゥーマー市を化学兵器で攻撃したと推定されるバッシャール・アサドの軍の責任を追及している。
ダマスカスは、自身の関与を認めていない。
モスクワは、化学兵器では無いと考えており、それは挑発であると述べている。

シリアのタルトゥース港には、1971年からロシア海軍の第720物資-技術サービス供給所が置かれています。
2017年12月下旬には、タルトゥース港に関する協定がロシア連邦議会で批准されました。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]
現在、地中海東部には、以下の艦船を含め、約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。
地中海に居るロシア海軍艦船は、基本的にはロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日設立)の指揮下に入ります。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(黒海艦隊):2017年12月2日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊):2018年4月5日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
2隻の潜水艦~「ヴェリキー・ノヴゴロド」(2016年10月26日就役)と「コルピノ」(2016年11月24日)~は、元々は就役後の完熟訓練を終えて配備先の黒海艦隊基地へ向かう為、2017年8月初頭に出航したのですが、同年8月末に地中海へ入った後、現在まで同海域(地中海東部)に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海へ入った]
この間、計5回に渡りシリアのテロ組織へ巡航ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
フリゲート「アドミラル・エッセン」(490、2016年6月7日就役)は、2018年3月中旬から地中海東部に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で艦載ヘリコプターの飛行訓練を行なった]
2017年12月初頭から地中海東部に滞在していたフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)は、2018年3月13日頃にスエズ運河を通過して紅海へ行きましたが、その後、また地中海東部へ戻りました。
【Yoruk Isik氏の2018年3月14日0時53分のツイート】

ロシア海軍は、4月11日以降に地中海東部で射撃演習を実施します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年4月11日13時6分配信
【ロシア海軍は地中海で艦船グループの演習を始めた】
具体的な演習の実施期間は、4月11日~12日、4月17日~19日、4月25日~26日です。
演習実施時間は、それぞれモスクワ時間で10時から18時までとなっております。
(日本時間だと16時から24時まで)
今回の記事を見る限り、上記の艦船の殆どが演習へ参加するようです。
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