ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2020年末に近代化改装を完了し、2021年に復帰する

『タス通信』より
2018年4月12日16時15分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」の修理は2020年に完了する】
サンクトペテルブルク、4月12日/タス通信
航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、修理後、2021年には海軍へ復帰しなければならなず、その修理は2020年に完了する予定である。
ロシア国防次官ユーリー・ボリソフは語った。
「航空母艦は修理を行ない、全てのボイラー、設備を交換します。
造船所との合意は存在し、修理は2020年に完了し、2021年には同艦は海軍へ復帰しなければなりません」
ボリソフは報道陣へ話した。
修理は、ムルマンスクの『第35艦船修理工場』(艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』支所)で行なわれる。
「アドミラル・クズネツォフ」は、ロシアで唯一の航空母艦である。
艦は1985年に進水し、1990年に竣工した。

その全長は305メートルに及び、飛行甲板の幅は72メートルに達し、満載排水量は59000トンである。
「クズネツォフ」は有翼ミサイル「グラニート」で武装しており、甲板下に傾斜式発射装置12基が配置されている。
航空母艦は30機の戦闘機MiG-29K/KUB及びSu-33、更には攻撃ヘリコプターKa-52K及び対潜ヘリコプターKa-27、Ka-29を搭載する。
2016年、航空母艦は地中海への航海時にシリアのロシア航空宇宙軍の作戦へ参加した。
この時、「クズネツォフ」の艦上機パイロットは420回の戦闘飛行(117回は夜間)を行ない、テロリストの施設を1000以上破壊した。
ロシア北方艦隊の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月20日就役)は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて6度目となる地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
「アドミラル・クズネツォフ」は、これ以前にも5回の地中海遠征を行なっています。
[第1次地中海遠征(1995年12月8日出港、1996年3月22日帰港)]
[第2次地中海遠征(2007年12月5日出港、2008年2月3日帰港)]
[第3次地中海遠征(2008年12月5日出港、2009年3月2日帰港)]
[第4次地中海遠征(2011年12月6日出港、2012年2月16日帰港)]
[第5次地中海遠征(2013年12月17日出港、2014年5月18日帰港]
「アドミラル・クズネツォフ」機動部隊は2016年10月上旬にシリア沖へ到達し、2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加、イドリブ県の『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。
以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』や『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。
無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。
「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内のテロ組織の施設1252を破壊しました。
シリア沖への遠距離航海から1年後、2018年2月23日の「祖国防衛者の日」にクレムリン宮殿で開催された国家表彰授与式において、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、「アドミラル・クズネツォフ」へウシャコーフ勲章を授与しました。
『タス通信』より
2018年2月23日14時24分配信
【プーチンは祖国防衛者の日に国家表彰を授与した】

[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
今後、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長する近代化改装が行なわれます。
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、ムルマンスクの『第35艦船修理工場』になります。
『第35艦船修理工場』(ムルマンスク)

近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体などは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]
近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]
以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]
以前には500億ルーブルと伝えられた「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装費用は、「ほぼ半分」(250億ルーブル程度)に減らされる事になるようです。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の予算は500億ルーブルよりも減らされる]
プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約は、2018年4月の署名が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装契約は2018年4月に署名される]
以前には「アドミラル・クズネツォフ」の8基のボイラーの内、4基が新品に交換されると報じられていましたが、今回のユーリー・ボリソフ国防次官の発言によると、全て(つまり8基)交換されるとの事です。

因みに、インドへ売却された航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)も、改造工事の際にボイラー8基全てを軽油焚きタイプのものへ換装しています。
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2020年中(12月末まで)に完了し、2021年(初頭)には艦隊への復帰が予定されています。
つまり、近代化改装(修理)工事の予定期間は、大体2年半くらいという事になります。
2021年の1月20日は「アドミラル・クズネツォフ」の就役30周年の記念日となりますが、或いは、この日に再就役させるつもりなのかもしれません。
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