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ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアへ向かった

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年4月13日23時55分配信
【ロシア海軍の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は地中海へ入った】
イスタンブール、4月13日、インタファクス

大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は金曜日に黒海海峡を通過して地中海エリアへ入った。
イスタンブールのインターネットサイトは、ボスポラス海峡を通過する写真を公表した。

イスタンブールのサイトは、黒海艦隊戦闘艦「ニコライ・フィリチェンコフ」が、地中海ロシア海軍の物資-技術サービス供給所が置かれているシリアタルトゥース港へ向かっていると確信している。

彼らは、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」の喫水線から見て、貨物を満杯に積んでいると判断している。
その最上甲板には、装甲輸送車BTR-80、装甲自動車「チグル」、更にはトラック「ウラル」が確認され、緑色に塗装されている。

更に、これが同艦の修理後のシリアへの今年の初航海となる事は強調される。

金曜日には、更に、ロシア軍がチャーターした貨物船「アレクサンドル・トカチェンコ」黒海海峡シリアへ向けて通過した。
その船上には、イスタンブールのポータルサイトが公表した写真によると、緑色に塗装された幌付きトラック「ウラル」「カマズ」が在る。

伝えられているように、4月5日には黒海海峡から地中海大型揚陸艦「ミンスク」が通過し、シリアへ向かった。

今年、シリアへの貨物輸送航海は、大型揚陸艦「オルスク」、「アゾフ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ミンスク」、輸送船「クズル-60」、更には貨物船「アレクサンドル・トカチェンコ」により行なわれている。
海外メディアによれば、ロシア海軍大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアフマイミーン飛行場ロシア航空群タルトゥース海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける「シリア・エクスプレス」と呼ばれる作戦へ参加している。



ロシア海軍大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に就いています。
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当初は大型揚陸艦のみが「シリア・エクスプレス」へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍が調達した貨物船も参加するようになりました。

「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦ですが、この他に北方艦隊及びバルト艦隊からも大型揚陸艦が派遣されており、現在はバルト艦隊「ミンスク」「シリア・エクスプレス」へ参加しています。

黒海艦隊大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(1975年12月30日就役)は「シリア・エクスプレス」の常連であり、2017年には、計7回の「シリア・エクスプレス」に従事していた事が確認されています。
(ロシア海軍当局からの公式発表は無いが、ボスポラス海峡を南下すればシリアへ向かい、北上すれば黒海沿岸ロシア海軍基地へ戻っている)

・1月18日にボスポラス海峡を南下、1月27日に北上
・2月19日にボスポラス海峡を南下、3月5日に北上
・3月15日にボスポラス海峡を南下、3月24日に北上
・4月6日にボスポラス海峡を南下、4月17日に北上
・5月1日にボスポラス海峡を南下、5月11日に北上
・5月20日にボスポラス海峡を南下、6月2日に北上
・7月20日にボスポラス海峡を南下、8月初頭に北上


2017年8月初頭にセヴァストーポリへ戻った後はオーバーホールが行なわれ、2018年2月に修理を終えて復帰した後は黒海の演習へ参加していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフとオルスクはクリミア半島で上陸訓練を行なった]


そして2018年4月13日、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、ほぼ9ヶ月ぶりにボスポラス海峡を南下しました。
無論、行先はシリアタルトゥース港でしょう。


現在、地中海東部には、以下の艦船を含め、約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。
これらの艦船はロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(黒海艦隊):2017年12月2日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(黒海艦隊):2018年4月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
貨物船「アレクサンドル・トカチェンコ」(黒海艦隊):2018年4月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
対水中工作艇「キネリ」(黒海艦隊):2018年3月30日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

現在は地中海東部アメリカ海軍などの軍艦を監視しているようです。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部でアメリカ海軍などの軍艦を追尾している]


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ロシア海軍は、4月11日以降、地中海東部で射撃演習を実施しています。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年4月11日13時6分配信
【ロシア海軍は地中海で艦船グループの演習を始めた】
具体的な演習の実施期間は、4月11日~12日、4月17日~19日、4月25日~26日です。
演習実施時間は、それぞれモスクワ時間で10時から18時までとなっております。
(日本時間だと16時から24時まで)
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