ロシア海軍は2018年1月~3月に46基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した
- カテゴリ:打撃巡航ミサイル「カリブル」

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年4月18日12時43分配信
【ロシア連邦海軍は(2018年)第1クオーター(1月-3月)に原子力潜水艦、46基のミサイル「カリブル」、3隻の艦船と2機のヘリコプターを受領した】
モスクワ、4月18日、インタファクス-AVN
ロシア海軍は、2018年第1クオーター(1月-3月)に原子力潜水艦、3隻の艦船、2機のヘリコプター、およそ50基のミサイル「カリブル」を受領した。
水曜日、ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフは、軍需製品統一受領の日に公表した。
「海軍に関しましては、修理を経たプロジェクト667BDRM戦略用途ロケット水中巡洋艦トゥーラ、補助艦隊の3隻の艦及び支援船、2機のヘリコプター、46基の作戦-戦術用途有翼ミサイル"カリブル"を受領しました」
ユーリー・ボリソフは話した。
特に、ムルマンスクでは、造船工場『北方造船所』で造られたプロジェクト23120後方支援船「エリブルス」を艦隊が受領し、北方艦隊潜水艦師団は、工場『ズヴェズドーチカ』で修理された後のプロジェクト667BDRM戦略用途ロケット水中巡洋艦「トゥーラ」を受領した。
この他、エカテリンブルク設計局『ノヴァトール』では、海洋配置有翼ミサイル「カリブル」の次の一群の発送が準備されていると国防次官は述べた。

エカテリンブルク市の『L.V.リュリエフ記念試験設計局ノヴァトール』により設計された有翼ミサイル「カリブル」(対地/対艦/対潜用)は、輸出用有翼ミサイル「クラブ」シリーズのロシア海軍向けヴァージョンです。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
元々は、ソ連海軍時代に配備された対地有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)をベースに開発されました。

現在、ロシア海軍では、プロジェクト11356警備艦、プロジェクト11661K警備艦「ダゲスタン」、プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦、プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦、プロジェクト06363潜水艦、プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦「オブニンスク」に搭載されています。
今後も「カリブル」搭載艦は増加します。
[2020年末にはロシア海軍の約半数近くの軍艦が巡航ミサイル"カリブル"を装備しているだろう]
「カリブル」は、2015年10月初頭以降、シリア領内のテロ組織~ISIL(イラク・レバントのイスラム国)や『アル=ヌスラ戦線』に対し、何度か実戦で使用されています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2015年10月7日:カスピ小艦隊の警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」がカスピ海南方からシリアへ発射(計26基)。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]
・2015年11月20日:カスピ小艦隊の警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」がカスピ海南方からシリアへ発射(計18基)。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2015年12月8日:黒海艦隊の潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」が地中海東部からシリアへ発射(計4基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2016年8月19日:黒海艦隊の小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」が地中海東部からシリアのへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]
・2016年11月15日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」が地中海東部からシリアへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年5月31日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」が地中海東部からシリアのパルミラへ発射(計4基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年6月23日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」が地中海東部からシリアのハマーへ発射(計6基)。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年9月5日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」が地中海東部からシリアのデリゾールへ発射(計6基)。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年9月14日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」が地中海東部からシリアへ発射(計7基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年9月22日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」が地中海東部からシリアのイドリブへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年10月5日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「コルピノ」が地中海東部からシリアへ発射(計10基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年10月31日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」が地中海東部からシリアのデリゾールへ発射(計3基)。
『タス通信』より
2017年10月31日17時53分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」はデリゾールの『イスラム国』戦闘員へ「カリブル」で打撃を与えた】
・2017年11月3日:黒海艦隊の潜水艦「コルピノ」が地中海東部からシリアのアブ・カマルへ発射(計6基)。
(同時にロシア航空宇宙軍の爆撃機Tu-22M3が空爆)
『タス通信』より
2017年11月3日17時17分配信
【ロシア軍のTu-22M3と潜水艦「コルピノ」はシリアの『イスラム国』戦闘員へ打撃を与えた】
「カリブル」は、2016年前半(1月~6月)には計47基がロシア海軍へ納入されています。
[ロシア海軍は2016年前半に47基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
2016年7月~9月の3ヶ月間には、「カリブル」と超音速対艦ミサイル「オーニクス」を合わせて100基以上がロシア海軍へ納入されました。
[ロシア海軍は2016年7月-9月に100基以上の巡航ミサイル"カリブル"及び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領した]
2017年4月~6月の3ヶ月間には計60基の「カリブル」が引き渡されました。
[ロシア海軍は2017年4月~6月に60基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
そして今回、ユーリー・ボリソフ国防次官は、2018年1月~3月の3ヶ月間に計46基の「カリブル」がロシア海軍へ引き渡された事を公表しました。
今回、ユーリー・ボリソフ国防次官は、「カリブル」以外にロシア海軍が今年1月~3月に受領した艦船やヘリコプターにも触れています。
プロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」が海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役したのは4月9日ですが、その前(2018年3月末頃)に造船所から海軍への納入証書への署名は行われていたようです。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
セヴェロドヴィンスクで寿命延長近代化改装が行なわれていた戦略用途原子力水中巡洋艦「トゥーラ」は、2017年12月末に工事を完了し、2018年初頭に北方艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラの近代化改装は完了した]
「2機のヘリコプター」は、おそらくは近代化改装された艦載ヘリコプターKa-27Mの事でしょう。
[ロシア海軍航空隊は2020年までに約50機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領する]
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