ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82は再びシリアへ行く
- カテゴリ:地中海情勢(2018年)

『イズベスチヤ』より
2018年4月27日0時1分配信
【シリアの海上グループへバルト海の「水上工場」が増強される】
シリアの常備司令部は、補助船の乗組員が戦闘環境での作業の経験の取得を助ける。
タルトゥースの海軍基地へ、バルト艦隊の一員である水上修理所PM-82が到着する。
船はシリアへ半年間留まり、地中海で任務を遂行しているロシア海軍艦船の戦闘準備態勢に責任を負う。
以前、この場所での作業を行なっていたのは、黒海艦隊の水上基地のみであった。
軍事専門家は、シリアの常備司令部は、補助船の乗組員が戦闘環境という条件下で海上作業の経験を取得するのを助ける事を指摘した。
国防省は『イズベスチヤ』へ、水上修理所PM-82は地中海への移動を行ない、シリア沖のロシア海軍常設連合部隊の一員として加わったと伝えた。
PM-82の使用は、黒海艦隊の支援艦の負担を著しく減らし、日常修理を行なう事を可能にする。
シリアの水上修理所は、他の味方と交代し、タルトゥースのロシア海軍物資-技術サービス供給所で半年間の当直に就く。
主に稼働しているのは、黒海艦隊の水上修理所PM-138とPM-56である。
今、そこには、バルト艦隊の一員であるPM-82が合流した。
これらの船は全てプロジェクト304に属する。
水上修理所は、主要駐留地から遠く離れた海域における艦船の兵器や機器装置の緊急修理の為に意図されている。
これらには工作機器及びクレーン装置が配置されている。
修理所は、攻撃を受けた場合に自身の保護が可能である。
この為、2基の25mm2連装自動艦載砲で武装している。
戦闘艦の適時の修理は、海軍の戦闘安定性に関連しており、それは、司令部から指示された任務を果たすことを可能にすると元海軍総参謀長ワレリー・セリヴァノフ提督は指摘した。
彼によると、様々な艦隊のより多くの補助船の乗組員に出来たように、戦闘環境下での実地行動の経験を得なければならない。
「ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍は1991年まで地中海へ第5戦隊を保持していました」
ワレリー・セリヴァノフは指摘した。
「これは地中海戦隊と呼ばれていました。
それは、3艦隊~黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊で形成されていました。
それに応じて、タルトゥースには、これら全ての艦隊の水上修理所が滞在していました。
特に、これらは全て艦及び潜水艦の航海間の修理に責任を負っていました。
大抵、作業の期間は約2週間でした。
この時、艦の乗組員は休養の為に沿岸へ向かいました」
ロシアの水上修理所は更に、シリア軍へ大いなる援助を与えているとワレリー・セリヴァノフは話した。
それは、この国の戦闘艦及び潜水艦を修復している。
現在、補助船は、広範囲の任務を立派に果たしている。
プロジェクト304水上修理所PM-82はポーランドで1978年に建造された。
2015年には近代化された。
船の推進器群、船体、船底の船外機器は修理及び改善され、特殊設備は近代化された。
PM-82の乗組員は193名、船の全長は約120メートル、最大速力は13.5ノット(時速25キロメートル)。
航続距離は9000海里。
船は、自立航行を40日まで続ける事が見込まれている。
記事中で触れられていますが、この数年間、黒海艦隊の水上修理所(工作船)PM-56とPM-138は交代で地中海東部へ派遣され、半年程度のローテーションでシリアのタルトゥースへ駐留し、同海域で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスを行なっていました。

工作船PM-56

工作船PM-138

タルトゥースのロシア海軍物資・技術サービス供給所

プロジェクト304水上修理所(工作船)PM-82は、1977年12月22日にポーランドの『アドルフ・ワルスキー記念シュチェチン造船所』で起工され、1978年5月13日に進水し、同年9月30日にソ連海軍へ引き渡されました。
就役後、赤旗2度受賞バルト艦隊へ編入されました。
2014年からバルチースクの「第33艦船修理工場」で近代化改装が行なわれ、2016年秋に復帰しました。



PM-82は、2017年6月中旬にシリアへ派遣され、地中海東部で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスに従事しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はシリア沖に到着した]
その後、2017年10月下旬には黒海艦隊の工作船PM-56と交代して地中海東部を去り、11月13日に母港バルチースクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月13日17時11分配信
【バルト艦隊の水上修理所(工作船)は地中海からバルチースクへ戻った】
2018年、PM-82は再びシリアへ派遣される事になります。
現在、シリアには黒海艦隊の工作船PM-138が派遣されています。
[ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-138はシリアへ派遣される]
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